山口100萩往還マラニック参戦記
(H10.5.2〜5.4)
桜井 健二(A−96)

参加者
  A250km・・・・テツ、桜井
  D 35km・・・・源田、グッチ
  ボランティア・・・和崎、グッチ
新兵器投入
  タイツ,マラニックバック,ウルトラシューズ
5月2日
15:00
説明会が大雨の中で始まる。小野会長は相変わらず方言丸出しで話される。 長州が明治維新をおこなった。ゆえに長州弁が標準語と・・・。
コースとチェックポイントはわかりにくいと思う。県外からの参加者からは何人も道を 間違えたと聞いたし、マーカーの位置がわからなくて立石観音に登っている人もいた。
18:00 Aの部235人(申込人数)が「エイ エイ オー」の掛声と共にスタート。
全国から集まった強豪のウルトラランナー達。テツ選手は記録短縮を狙っているが、 自分は残業続きで走り込みは全く行っていないし体調不調のため、無理を承知で行ける ところまで行こうと思ってスタート。
止んでいた雨が降り出したため慌ててカッパを用意したが最後尾となる。上郷でグッチ 選手と松本さんの応援があり。
自転車道では雨が降ったり止んだりでカッパを着たり脱いだりの繰り返し。3時間走って 24キロとスローペース。時速8キロでは後半への貯金心もとない。エイドステーション では水を飲むと胃が悪くなる癖も直っていない。胃液が薄くなるためか。
5月3日
01:50
豊田湖エイドステーションに到着。むすびとみそ汁で食事。ふやけてまめができて足の 前半分が痛い。靴下を取換えて横になって休憩。
2時40分にスタートする。砂利ケ峠では早くも睡魔と幻覚に襲われる。
歩きながら眠ってしまい気付くと道の端か道の中央に出ている。もとに戻って歩き始めて もまた繰り返して眠ってしまう。他から見たらふらふら歩いていると見えるだろう。
また,疲れてくると目に入るものが違うものに見える幻覚が起こる。見える物すべてが 何がしかほかの物に見えてくる。道路の継ぎ目、模様、影までが何か他の物体として見える。 例えば影が溝に見えたり、道路の模様が段差に見えたりして足が踏み出せなくなるが、 じっと見れば、道路に写った影やシミ模様なのである。
距離は延びない。道から外れて転倒しないのが不思議。 大坊川ダムの前で夜が明けてしまった。ひたすら小走り、歩きを繰り返す。
国道191号に出てから,躓いて派手に転倒した。痛いものすごく痛い。
07:50 海湧食堂エイドステーションに到着。食事はおかゆ。安全ピンでまめを潰し、横になって休憩。 8時20分スタートする。
俵島折り返しコースに入り、往で50名、復で30名位のランナーとすれ違うがテツ選手の 姿はない。遥か彼方を行っているのだろう。
折り返しの入口で背負っていたバックを隠し,身軽になって進む。
09:50 俵島チェックポイントに到着。ここから折り返して3キロ程で100キロ地点。 16時間を超えている。時速6キロ程度では後半の落ち込みに対して貯金不足だ。 今回は完踏は無理かな。
100キロ当たりエイドステーションがあった。豊田湖過ぎからのエイドステーションは 飲み物ばかりで食べ物がない。先行のテツ選手が全部食べてしまったのか。
11:00 川尻岬・沖田食堂チェックポイントに到着。食事はカレーライス。運んでもらった荷物から 靴下を履き替え、カッパのズボンや不要となった荷物を置いて行く。畑峠から川尻への急な 下り坂を走り下り、漁港を抜けてから、シーブリーズエイドステーションにてオレンジジュ ースで一服、割と快調に進む。
立石観音ではマーカーを少し探し,立石観音に登っている人にも位置教える。
少し進んでから急峻な登りに。標高の199m津黄峠まで一苦労。曇りで湿気を含んだ空気 なので、暑さや喉の乾きに苦しむことはない。そこから千畳敷標高330mまでがまた急峻。 1kmの標識があるが2倍以上歩いても着かない。精神的に参る。
14:00 千畳敷チェックポイントに到着。食事はカップラーメン。
千畳敷からは転がり落ちて黄波戸を抜け長門市を目指す。比較的平坦のためなんとか 時速6キロを維持できる。
18:10 仙崎T次路に到着。鯨墓折り返しコースでテツ選手に出会えるか。
残念ながらテツ選手は既に鯨墓を折り返しの片道10キロの行程を進み、仙崎T次路を 通過していたのだった。
青海大橋を渡り、大日比峠を越えて青海島を進む。
19:00 静ケ浦キャンプ場エイドステーションに到着。食事はうどんにむすび。 テツ選手との差は3時間弱(往で寄ったなら)。順位は66位だが、 ここは復で寄る人も多いので正確ではない。
19:40 鯨墓チェックポイントに到着。静ケ浦からここまでに出会ったランナーがかなり多数いる。 私より1〜2時間先行するランナーが多いようだ。
既に暗くなる。赤色ホタルと懐中電灯は点灯ずみ。青海島はまず順調に抜けた。しかし、 ここからがいけない。宗頭文化センターまでの単調な11キロが地獄の長さとなる。睡魔、 幻覚に襲われ全く進まない。時速4キロを割り込んでしまう。しかも前後に全くランナーが いないので話もできない。この間は一人も出会わない。
23:50 宗頭文化センターチェックポイントに到着。食事は味噌汁、むすび。
テツ選手との差は5時間に広がる。グッチ選手と松本さんが応援に来てくれたが17時に 帰った伝言あり。有り難いが私の脚力では到底無理な時間。とにかく眠いので、 2階の仮眠所で眠る。2時に起こしてとたのんで、起こされなくてもぴったり2時に起きる。
痛い足を引き摺り2時10分にスタートする。テツ選手との差は4時間。
藤井酒店でマーカー。鎖峠までの急峻な登りにまたまた睡魔,幻覚に。
下りに変わってからはなんとか走り通す。
5月4日
05:00
三見駅でマーカー。この頃には既に夜が明けはじめた。冷え込んでとても寒い。
萩城、菊ケ浜から東光寺入口へ。ここからは笠山折り返しコースとなるがテツ選手に 出会えるか・・・やはりテツ選手は折り返し済みで出会うことはなかった。
越ヶ浜入口で明神池に1キロ、笠山に2キロの標識。明神池までは近いと思うのだが、 それから山頂までの登りの長いこと長いこと。
08:30 笠山山頂チェックポイントにやっとのことで到着。山頂一周は省略して山を下る。
09:10 虎が崎チェックポイントに到着。うどんとむすびで朝食。少し休んで自然研究遊歩道へ。 暑くなり始めたがひたすら進む。
10:30 東光寺チェックポイントに到着。メロンかき氷を食べてスタート。
ここからはコースが少し変更になっている。松蔭神社前を通り、松本川、橋本川を渡って 萩有料道路に。
12:10 萩有料道路休憩所に到着。今朝6時にスタートし、萩に向かうランナーや歩行者に出会うが、 今の時間では源田選手、グッチ選手の姿はない。
水筒のペットボトルに水を入れスタート。ペットボトルは初めてバックから出して使用。 急峻な悴坂を上下し明木へ。
12:50 明木市エイドステーション到着。むすびを1個いただく。
一升谷の入口の商店でイチゴ1パックを袋につめてもらい水筒の代わりに食べながら歩く。
アイスクリームを齧りながら一升谷にアタック。歩く速度が遅い。砂利道を下り、 もう一山越えて佐々並へ。
14:50 旭村佐々並市エイドステーション到着。残りの時間も気になってあまり休めない。 アイスクリームを齧りながらひたすらゴールに向かう。
陽射しが強く暑い。夏木原キャンプ場へのなだらかな登りも辛い。
16:40 萩往還最高所560mの板堂峠到着。やっとゴールが見えて来た。
一ノ坂の急坂はゆっくりしか下れない。一ノ坂ダムの横をゆっくり走っていたらテツ選手が 車で様子を見に来てくれた。
山口瑠璃光寺境内でゴ〜ルテープを切る。47時間32分53秒。
テツ選手との差は3時間弱。萩焼の完踏賞を首に。完踏証は写真入。
トップは35時間台。完踏率はいかほどか。
etc. ウルトラランナーの鈴木隆子選手(川崎市)と暫く走る。
2週間前のさくら道250キロを完踏したそうだ。 月1回はウルトラを走っているそうである。
今回は足慣らしでゆっくり走っているのが、昼になればペースを上げる。萩往還の本来の 制限時間は42時間なので、このタイムが目標らしい。 通常は42時間でゴールできるとのこと。
さくら道の関係で140キロのときもあったそうだが,萩往還は10回とも完踏。 サロマも12回全部完踏。入賞もしているので抽選なしの永久番号がもらえたとのこと。
もっとも,ほかの人の話によれば最近は大会関係者の奢りなのか人気がなくなっていて、 抽選なしで参加できるとのことだった。
さくら道は2つあって、同じ時期の開催なのだが片方は『ネイチャー』で固定エイドがあり、 もう一方は必要品を背負って走るそうだ。
鈴木選手は,『ネイチャー』も1回目からずっと完踏。1回目からの完踏はほかには 2〜3人しかいないらしい。