寝過ごしかけて慌てて家を飛び出し、瑠璃光寺前のスタート地点に着いたのは6時15分頃。
幸いなことに70kmの部のスタートはまだ始まっていなかったが、携帯電話も腕時計も
忘れてきてしまった。 昨日1日降り続いた雨はいったん上がり、天気は曇。以後も雨の降らないことを期待しつつ、 デジカメ持参で走ることにした。 | |
瑠璃光寺出発(06:22) | 小野会長の音頭による掛け声に合わせ、瑠璃光寺前を出発。 昨日の雨で滑りやすくなっている石畳に注意しつつ、峠の頂上を目指してひたすら上る。 |
佐々並まで |
板堂峠を越え、県道62号線に出る。長く緩やかな下り坂が数kmに渡って続くこの県道は、
往路での絶好のタイム貯金区間。ここで原田選手を追い越し、国道262号線に出てからは、
かなり先行していたはず?のぐっち選手にも追いついた。 去年のこの辺りは非常に寒く、エイドにたどり着いてもガタガタ震えがくるほどだったが、 今年はかなり暖かかった。雨上がりで湿度も高く、国道から山の中に入ると蒸し暑さを 感じるほど。普通のマラソンなら嫌がられる気候だが、寒さで筋肉が強張ることがない ため、マラニックに限っては有利に働いた(特に後半)。 |
佐々並エイド |
昨年は1時間の休憩(居眠り)をとった佐々並エイドに到着。お馴染みの佐々並豆腐に加え、
今年は炭火焼きのおにぎりが用意されていた。原田選手、ぐっち選手もまもなく到着。 エイドを出た後は、釿切峠まで緩やかな上り。「足が元気なうちに」とできるだけ走ってみた (つもり)。 |
明木まで | 以前には感じなかったことだが、やはり練習不足か、それとも体重増のためか(たぶん両方)、 70km参加の過去2回では難なく駈け下りていた一升谷の長い下り坂で、思うように足が前に 出ない。ひょっとしたら旭GAMのスタート直後よりも遅いと思われるくらいのスピードで 谷を下り、明木エイドに到着。 |
萩市内へ |
明木エイドを出て、川沿いの土手道に差しかかったところでテツ選手と出会う。雨は降った
ものの、気温が高かったおかげで250km参加選手は全体的に調子がいいとのこと。
6度目の完踏も確実の余裕の表情。 こちらは川土手を過ぎ、萩市手前の最後の峠へ。それほど険しくない峠だが、かなりの急勾配。 足の疲れも加わり、非常に辛く長く感じられた。やっとたどり着いた有料道路料金所に 置かれた時計を見ると、すでに10時前(約3時間30分経過)。萩市内への下り坂もゆっくり ペースで、昨年はここで追い抜かれた酒好きランナー選手にはついに追いつけなかった。 |
萩城址 |
萩駅前から折り返し地点の萩城址までは約4km。決してここまでの山道が走りやすかった
わけではないが、一転して平坦で見通しの良い、ダラダラ1本道となるこの区間は、
たまっていた足の疲れがどっと出てペースを落としやすい。
おまけに、道端に立てられた距離表示がまちまちで、毎年混乱させられる
・・・ところだったのだが、今年の距離表示はほぼ正確だった。表示板が整理されたからか、
単に今まで自分の頭が混乱していただけなのかは不明。 いずれにせよ、たび重なる信号待ちや、数km先の川向こうに見える指月山を眺めるにつれ 足がどんどん重くなり、歩いたり歩いたり(時々走ったり)の繰り返し。常盤大橋の手前で 激しい雨が降り出し、やる気も失くしかけたが、萩城址に到着する頃には止んでいた。 食事をすませ、すぐに出発。萩駅の手前でぐっち選手とすれ違った。佐々並で会ったときは 「明木でリタイアする」と発言していたが、意外と早いではないか。それとも自分が遅かった だけか? |
復路〜佐々並まで |
有料道路料金所へ向かう上り坂の手前から再び雨が降り出し、以後板堂峠までずっと降り続いた。カメラはビニール袋に包み、上り坂はひたすら歩き。峠を越えて明木エイド
までは走れたものの、一升谷の上りはまた(例年通り)歩き通し。濡れた靴の中で足の裏が
ふやけ、沢山のマメができているのが歩くたびに(痛い!)実感できる。 歩きに歩いて釿切峠を越える。ここから佐々並まではほぼ下り。雨を吸い込んだ往還道は 時に足首まで埋まりそうになるほどぬかるんでいたが、構わずに進む。 気分は「七人の侍」(の最後の決戦場面)。 14:00前、佐々並エイドに到着。残り15kmくらい。頑張れば2時間くらいでゴールできる かもしれない。佐々並豆腐を2個食べて出発。この後、バナナも食べておけば良かったと後悔 することとなる・・・ |
復路〜板堂峠まで |
佐々並から板堂峠までの区間は、往きは緩やかな下りですいすい進める絶好の貯金区間だが、
復路では、一升谷以上にその貯金を食いつぶしてしまう場所でもある。単調で緩やかな上りが
延々続く舗装区間。いつもは歩き通しとなるところだが、今年は比較的足の調子が良く、国道
から萩往還道までは走ることができた。 県道からはひたすら歩く。カーブが連続し、似たような景色がどこまでも続く道。雨は多少 勢いを弱めたものの、相変わらず降り続けている。そのうち体がだるく感じられるようになった。 雨に打たれて風邪でもひいたかと思ったのだが、どうも様子がおかしい。少し眠気も感じるが、 去年ほどに睡眠は不足していない。さては「ガス欠」 か、と気づけば、合図のように腹が鳴る。しまった、佐々並エイドでバナナをもらっておけば 良かった、と思ってももう後には戻れない(5km以上後方である)。 そういえば、夏木原キャンプ場の売店(私設エイド) に草餅があったはず。あそこまで行けば・・・ 「草餅、草餅・・・」と念じつつ前進するも、 ちょっと気を許せば体がよろけてしまう。 「腹が減って目が回る」という経験を実体験したのは ひょっとして初めてかも? ・・・ひたすら前進を続け、やっと売店にたどり着いた。 いつの間にか雨は上がり、周囲は霧の中。ちょうどそこへ到着した 原田選手と入れ替わりに店を出て、峠の頂上へ向かう(ちなみに草餅は、自分が食べた直後に 品切れとなった。一歩遅ければ本当に飢えで倒れてしまったかもしれない)。 |
ゴール(16:23) |
霧に包まれた板堂峠を越えると、瑠璃光寺まではずっと下りが続く。昼間の雨でいちだんと
ぬかるんだ萩往還を、注意しつつも急いで駈け下りる。 往還道から再び県道に出て、一の坂ダムを横目に過ぎると、あとはゴールまでひとっ走りである。 最後のコーナーを曲がり、瑠璃光寺が目の前に迫ると、「そんな余力があるなら途中でもっと 走っておけば・・・」と思ってしまうくらいのラストスパートで1人を追い越し、境内に入る。 1人ずつゴール記念写真を撮影するために、ゴール手前で少しだけ立ち止まることになったが、 ここまできたら数秒のロスなどどうでもいい。ゴールできただけで満足である。 車に戻って着替えている間に原田選手もゴールしていた。 夜は、湯田温泉で参加者6名+1名による打ち上げ会。終わった後は酔いと疲れで ぐっすり眠った。 来年の参加については、とりあえず未定。 |