マラニック70km 「今年は完踏しました!」  2002.05.04

寝過ごしかけて慌てて家を飛び出し、瑠璃光寺前のスタート地点に着いたのは6時15分頃。 幸いなことに70kmの部のスタートはまだ始まっていなかったが、携帯電話も腕時計も 忘れてきてしまった。
昨日1日降り続いた雨はいったん上がり、天気は曇。以後も雨の降らないことを期待しつつ、 デジカメ持参で走ることにした。
瑠璃光寺出発(06:22)
小野会長の音頭による掛け声に合わせ、瑠璃光寺前を出発。 昨日の雨で滑りやすくなっている石畳に注意しつつ、峠の頂上を目指してひたすら上る。
佐々並まで 板堂峠を越え、県道62号線に出る。長く緩やかな下り坂が数kmに渡って続くこの県道は、 往路での絶好のタイム貯金区間。ここで原田選手を追い越し、国道262号線に出てからは、 かなり先行していたはず?のぐっち選手にも追いついた。
去年のこの辺りは非常に寒く、エイドにたどり着いてもガタガタ震えがくるほどだったが、 今年はかなり暖かかった。雨上がりで湿度も高く、国道から山の中に入ると蒸し暑さを 感じるほど。普通のマラソンなら嫌がられる気候だが、寒さで筋肉が強張ることがない ため、マラニックに限っては有利に働いた(特に後半)。
佐々並エイド
昨年は1時間の休憩(居眠り)をとった佐々並エイドに到着。お馴染みの佐々並豆腐に加え、 今年は炭火焼きのおにぎりが用意されていた。原田選手、ぐっち選手もまもなく到着。
エイドを出た後は、釿切峠まで緩やかな上り。「足が元気なうちに」とできるだけ走ってみた (つもり)。
明木まで 以前には感じなかったことだが、やはり練習不足か、それとも体重増のためか(たぶん両方)、 70km参加の過去2回では難なく駈け下りていた一升谷の長い下り坂で、思うように足が前に 出ない。ひょっとしたら旭GAMのスタート直後よりも遅いと思われるくらいのスピードで 谷を下り、明木エイドに到着。
萩市内へ
明木エイドを出て、川沿いの土手道に差しかかったところでテツ選手と出会う。雨は降った ものの、気温が高かったおかげで250km参加選手は全体的に調子がいいとのこと。 6度目の完踏も確実の余裕の表情。
こちらは川土手を過ぎ、萩市手前の最後の峠へ。それほど険しくない峠だが、かなりの急勾配。 足の疲れも加わり、非常に辛く長く感じられた。やっとたどり着いた有料道路料金所に 置かれた時計を見ると、すでに10時前(約3時間30分経過)。萩市内への下り坂もゆっくり ペースで、昨年はここで追い抜かれた酒好きランナー選手にはついに追いつけなかった。
萩城址
萩駅前から折り返し地点の萩城址までは約4km。決してここまでの山道が走りやすかった わけではないが、一転して平坦で見通しの良い、ダラダラ1本道となるこの区間は、 たまっていた足の疲れがどっと出てペースを落としやすい。 おまけに、道端に立てられた距離表示がまちまちで、毎年混乱させられる ・・・ところだったのだが、今年の距離表示はほぼ正確だった。表示板が整理されたからか、 単に今まで自分の頭が混乱していただけなのかは不明。
いずれにせよ、たび重なる信号待ちや、数km先の川向こうに見える指月山を眺めるにつれ 足がどんどん重くなり、歩いたり歩いたり(時々走ったり)の繰り返し。常盤大橋の手前で 激しい雨が降り出し、やる気も失くしかけたが、萩城址に到着する頃には止んでいた。
食事をすませ、すぐに出発。萩駅の手前でぐっち選手とすれ違った。佐々並で会ったときは 「明木でリタイアする」と発言していたが、意外と早いではないか。それとも自分が遅かった だけか?
復路〜佐々並まで 有料道路料金所へ向かう上り坂の手前から再び雨が降り出し、以後板堂峠までずっと降り続いた。カメラはビニール袋に包み、上り坂はひたすら歩き。峠を越えて明木エイド までは走れたものの、一升谷の上りはまた(例年通り)歩き通し。濡れた靴の中で足の裏が ふやけ、沢山のマメができているのが歩くたびに(痛い!)実感できる。
歩きに歩いて釿切峠を越える。ここから佐々並まではほぼ下り。雨を吸い込んだ往還道は 時に足首まで埋まりそうになるほどぬかるんでいたが、構わずに進む。
気分は「七人の侍」(の最後の決戦場面)。
14:00前、佐々並エイドに到着。残り15kmくらい。頑張れば2時間くらいでゴールできる かもしれない。佐々並豆腐を2個食べて出発。この後、バナナも食べておけば良かったと後悔 することとなる・・・
復路〜板堂峠まで 佐々並から板堂峠までの区間は、往きは緩やかな下りですいすい進める絶好の貯金区間だが、 復路では、一升谷以上にその貯金を食いつぶしてしまう場所でもある。単調で緩やかな上りが 延々続く舗装区間。いつもは歩き通しとなるところだが、今年は比較的足の調子が良く、国道 から萩往還道までは走ることができた。
県道からはひたすら歩く。カーブが連続し、似たような景色がどこまでも続く道。雨は多少 勢いを弱めたものの、相変わらず降り続けている。そのうち体がだるく感じられるようになった。 雨に打たれて風邪でもひいたかと思ったのだが、どうも様子がおかしい。少し眠気も感じるが、 去年ほどに睡眠は不足していない。さては「ガス欠」 か、と気づけば、合図のように腹が鳴る。しまった、佐々並エイドでバナナをもらっておけば 良かった、と思ってももう後には戻れない(5km以上後方である)。 そういえば、夏木原キャンプ場の売店(私設エイド) に草餅があったはず。あそこまで行けば・・・
草餅、草餅・・・」と念じつつ前進するも、 ちょっと気を許せば体がよろけてしまう。 「腹が減って目が回る」という経験を実体験したのは ひょっとして初めてかも?
・・・ひたすら前進を続け、やっと売店にたどり着いた。
美味しかった!!!
食べて安心したのか、今年も椅子に座ったままうたた寝してしまった(数分間)。
いつの間にか雨は上がり、周囲は霧の中。ちょうどそこへ到着した 原田選手と入れ替わりに店を出て、峠の頂上へ向かう(ちなみに草餅は、自分が食べた直後に 品切れとなった。一歩遅ければ本当に飢えで倒れてしまったかもしれない)。
ゴール(16:23) 霧に包まれた板堂峠を越えると、瑠璃光寺まではずっと下りが続く。昼間の雨でいちだんと ぬかるんだ萩往還を、注意しつつも急いで駈け下りる。
往還道から再び県道に出て、一の坂ダムを横目に過ぎると、あとはゴールまでひとっ走りである。 最後のコーナーを曲がり、瑠璃光寺が目の前に迫ると、「そんな余力があるなら途中でもっと 走っておけば・・・」と思ってしまうくらいのラストスパートで1人を追い越し、境内に入る。 1人ずつゴール記念写真を撮影するために、ゴール手前で少しだけ立ち止まることになったが、 ここまできたら数秒のロスなどどうでもいい。ゴールできただけで満足である。
車に戻って着替えている間に原田選手もゴールしていた。
夜は、湯田温泉で参加者6名+1名による打ち上げ会。終わった後は酔いと疲れで ぐっすり眠った。

来年の参加については、とりあえず未定。