長湯温泉
(大分県直入郡直入町)
「飲んで効き、長湯して利く長湯のお湯は、心臓胃腸に血の薬」と謳われ、古くから その効能に定評のある日本屈指の炭酸泉。与謝野鉄幹・晶子夫妻や川端康成、 種田山頭火など文人も多く足を運んだ歴史と由緒ある温泉地である。
現在は、泡の少ない高温炭酸泉が泉源として広く利用されており、かつてこの地を訪れた 大佛次郎に「ラムネの湯」と評されたほどの泡風呂は姿を消していたが (温泉の効能は泡の有無に関わらないとのことなので念のため)、つい先頃その名も 「ラムネ温泉」という33度の泡立つ低温泉が(約40年ぶりに)復活したという。
また最近では、同じく炭酸泉を持ち、温泉療法の盛んなドイツにならい、ドイツ流温泉療養 文化の導入を積極的に推し進めている。ひなびた中にもどこかモダンな雰囲気の漂う小さな 温泉町。またゆっくり巡ってみたい気にさせられた。


市内を流れる芹(せり)川。大分川の源流となる清流。
夕食に出された鯉の洗いは「(芹川の)水がきれいだから」という宿の人の言葉どおり 泥臭さがまったくない逸品。
この川のほとりに、長湯名物「カニ湯」(ガニ湯)がある。左画像参照。
(右)夜のカニ湯。川のせせらぎを聞きながらゆったり入浴。


(左)町内の「丸山公園」にある飲泉場(右のお堂)。
   「飲んで効く」といわれる長湯温泉だが、その味はなんとも・・・(良薬口に苦し)
(中)丸山公園より山上の展望台に登る。晴れた日は九重連山が見渡せるが、この日は 曇り空で遠望きかず。
(右)ドイツの建築様式を取り入れた3階建ての温泉施設「御前湯」。 入浴のみ500円(6:00〜21:00)。