山名/標高 恐羅漢(おそらかん)山/1346m

画像は内黒峠〜十方山縦走路より望む恐羅漢山
(広島県側・スキー場ゲレンデ) 2001.10.13

登山日・天候 2001年4月21日(土)・曇
行程 亀井谷林道〜亀井谷〜三十三曲〜台所原〜恐羅漢山頂〜中ノ川山〜亀井谷林道 (所要時間約7時間)
亀井(かめい)谷は、恐羅漢山から島根県匹見町側に落ち込む、深く長い谷。匹見川の源流となる亀井谷川沿いに渓谷が開けているが、谷へ至る林道は未舗装で狭く、山菜採りや渓流釣りを楽しむ人が僅かに出入りするほかには訪れる者もなく、人家もまったくない。国の特別名勝「三段峡」や、国営・民営2つのスキー場を抱える広島県側とはきわめて対照的。
一部ゲレンデを利用し比較的容易に登頂できる広島県側に比べ、亀井谷は登山道が荒れ気味で距離も長く、中・上級者向けのルートであるが、手付かずのブナ原生林や自然の渓谷美に彩られ、かつて恐羅漢山が熟達の登山者にしか開かれていなかった頃の深山幽谷の気配を今も残している。
なお、山中にはクマが生息しており、クマよけのベルは必携
 


何度か沢を越えつつ、山菜や植物を愛でながら亀井谷川の上流目指して渓谷を遡行。
(下左)ワサビの花 (下中)エンレイソウ (下右)イワガラミ

沢を離れ、「三十三曲」と呼ばれるつづら折りの急坂へ。
芽吹きはじめた新緑と山桜の淡いコントラストが、水彩画のように美しい。

当初の目的地「台所原(だいどころばら)」へ到着。
手つかずの自然が残り、クマの生息している痕跡が至る所に見受けられる。
ここで引き返す予定だったが、時間・体力共にまだ余裕があるので、 恐羅漢山頂を目指すことにした。

山頂までの登山道は急峻だが、亀井谷から台所原までの道よりも整備されている。
道端には、僅かながらまだ雪が残っていた。
(下左・中)木の幹に張り付いていたキノコの一種。道端に落ちていたもの
を拾ってみたところ、手触りは堅く、乾いていた。
(下右)ブナの実。殻に覆われた小さな実は、リスや野ネズミの大好物だとか。

山頂に到着。周囲はガスに覆われ、展望はほとんどきかない。
今回のメンバー・・・斉藤夫妻、田中(善)、加藤、原口、和崎

帰路は台所原から近くの中ノ川(なかのごう)山 (標高1170m。左画像が山頂だが、標識がない!)山頂を通過、
ブナ林を抜け林道の最奥部から出発地点へ下る。

林道の周辺には様々な山菜が自生していた。 文字通り「道草を食い」ながらゆっくり下山。
(左)タラの芽 (中)コゴミ (右)ニワトコ

豊かな山の幸、ほのかに色づきはじめた山々の美しさ、
西中国山地の魅力にあらためて気づかされる山行であった。天気が今ひとつなのが残念 だったが・・・