山名/標高 赤面(あかづら)山/1701m
那須(なす)岳

 三本槍(さんぼんやり)岳/1917m

(清水平より望む三本槍岳)

登山日・天候 2003年6月14日(土)・曇
行程 那須甲子少年自然の家(07:05)〜パノラマ展望所〜赤面山山頂(09:15)〜前岳〜スダレ山〜清水平〜三本槍岳山頂(10:30)〜(折り返し)〜赤面山山頂〜那須甲子少年自然の家(13:50)
日光国立公園の北端に位置し、関東地方と東北地方を分けるように栃木・福島の県境に稜線を連ねる山々(茶臼岳、朝日岳、三本槍岳など)の総称が「那須(なす)岳」。三本槍岳はこの那須岳の最高峰で、山頂は福島県と栃木県の境界になっており、江戸時代には会津・白河・黒羽の3藩が毎年5月5日に山頂で槍を立て、所領を確認し合ったという。これが山名の由来で、実際の山頂は「槍」の名に反してなだらか。
栃木県側の那須温泉郷からロープウェイを利用し、茶臼〜朝日〜三本槍と縦走するコースが一般的だが、福島県側からも国立那須甲子少年自然の家から赤面山を経由する縦走路や、甲子(かし)温泉から甲子山を経由する縦走路、下郷町の観音沼から大峠を経て上るルートなどがある。

(那須甲子少年自然の家から望む赤面山)

居候先の那須甲子少年自然の家から登山開始。

この画像は事前に自然の家の資料館で撮影したもの。
(左)「那須甲子周辺の山々」のジオラマ。右下が自然の家、左上が那須連山。遠そう・・・
(右)「森の中の生き物」の剥製の中でひときわ目をひく、言わずと知れたこのお方。どうか出てこないでね・・・

赤面山への登山道は研修の児童生徒が利用するハイキングコースとして整備され、標識も多く迷う心配はない。
途中に1〜9の数字札が立てられているが、これは「○合目」の意味。山頂までの距離は約6km、標高差750mくらい。

(右)1052mピーク「パノラマ展望所」。周囲の木が伸びてあまり展望がきかない。

3合目と4合目の間は、説明板によると「自然保護のため当分の間」、沢を渡って階段を上り、ロープの渡された木々の間を抜け大きく迂回するコースとなる。
やっと辿り着いた4合目から次第に傾斜がきつくなる。
上るにつれ、土が大きくえぐれて歩きにくい場所や、ぬかるんで滑りやすい場所が目立ってくる。下りでも足下に注意を。

ブナ林が豊かで、道のあちこちに動物のふんが落ちている。「例のお方」も、森のどこかで身を潜めているのだろう・・・

6合目と7合目の間で、南側(白河市方面)に大きく展望が開ける場所がある。実はスキー場のゲレンデ。

8合目を過ぎて、見晴らしの良い道に出る。しばらく進むとササ原の向こうに那須連山が姿を現しはじめた。


9合目付近からの眺め。右手前の赤面山頂まであとわずか。

三等三角点の赤面山頂に到着。那須連山が横一列にそびえ立つ。
最高峰の三本槍岳がいちばん小さく見えるのが不思議。
赤面山(左)からいったんガレ場を下り、前岳(中)に出る。地形図上のコースは前岳の1702mピークを過ぎるように書かれているが、それらしき標識は見あたらなかった。
前岳からは残雪の斜面を横切り、スダレ山と呼ばれるピークへ上る。

スダレ山からの眺め。風が強く、山の上に次々と雲がかかり、離れてゆく。
赤面山までは誰にも会わなかったが、この辺りから次第に登山者と行き交うようになった。

清水平。標識の三本槍岳までの距離が消えているが、残り約1km。
三本槍岳周辺は特に雲が多く、流れが早い。一等三角点の山頂もガスに覆われ360度真っ白。
しばらく待ってみたが晴れる気配はなく、気温も下がってきたので、諦めてもと来た道を引き返した。
(左)スダレ山手前、北温泉分岐点にあるこの看板に注意。「北温泉まで0.5km」の表示があるが、実際は5kmの誤り(誰かのイタズラ?)のようである。山中の秘湯を期待しても徒労に終わるので、間違っても行かないように(間違った人からの忠告)。

(右)戻ってきた赤面山山頂はちょうど昼どき。少年自然の家から上ってきた中学生の一団で賑わっていた。

下山後は甲子温泉大黒屋の岩風呂に入浴。風呂を出たら小雨が降りはじめていた。