山名/標高 観音(かんのん)岳/408m
登山日・天候 2004年4月15日(木)・晴ときどき曇
行程 楞厳寺駐車場(14:00)〜21番大竜寺・休憩所(14:15)〜お休み広場(14:25)〜延命水(14:35)〜子安観音(14:45)〜山頂(14:50)〜(折り返し)〜お休み広場・下山路分岐(15:15)〜楞厳寺駐車場(15:45)
国内有数のラジウム含有量を誇る湯野温泉の北方にある山。
古くは「日尾山」と呼ばれていたが、嘉永六(1853)年、この山にウサギ狩りで登った村の若者たちが山頂で黄金仏(子安観音菩薩)を発見したことから「観音岳」と呼ばれるようになった。この黄金仏は、発見の翌年に山麓の楞厳寺に奉納され、寺宝として現在も伝えられている。以前は13年に1度しか開帳されない秘仏であったが、平成11年から毎月17日に開帳されている。
文久二(1862)年には、当時の楞厳寺住職が黄金仏の代像として山頂近くの岩場に子安観音像を祀り、山道一帯に四国八十八ヶ所の分霊場を勧進したことから、庶民の信仰の山として定着した。現在の登山道は、この古道をもとに昭和52年に開設されたもので、展望の良い山頂に子安観音参詣と八十八ヶ所巡りの加わった賑やかなハイキングコースとなっている。

慢性的な渋滞が続く国道2号線「湯野入口」交差点から湯野温泉に入り、県道192号(串戸田線)を北上、温泉街の数km先に「観音岳ハイキングコース」の看板が現れる。
ここを左折し、小さな標識に従って細い道をさらに数百mでハイキングコースの出発点、楞厳寺(りょうごんじ)に着く。寺の前に5〜6台の駐車スペースとトイレ、自販機などがある。
寺の脇にある「登山道入口」のゲート前に、1番札所の祠が置かれている。ここから山道に入り、道端の石仏を数えながら山頂を目指す。
入口の案内板には、1周3時間のコースと書かれている。序盤からかなり急坂だが、よく踏まれており歩きやすい。
21番札所「大竜寺」のあたりは少し広い岩場になっており、古びた木のベンチが置かれている。
振り向くと、山々に囲まれた湯野地区を眼下に見渡せる。
八十八ヶ所巡りの道は阿波の国から土佐の国へ入る。
31番「竹林寺」の手前で再び展望の良い岩場となり「お休み広場」の表札がかけられている。下山ルートはここから分岐しているが、まずは直進して山頂へ。
道は平坦となり、雑木林の向こうに山頂部が顔をのぞかせる。

途中、木の幹に「三山展望地」の札がかけられていた。木の枝が少し眺めを遮っているが、三山を一望。
道の途中にちょろちょろと湧き水が流れ出ている。「1口3年、2口10年」の延命水。4口飲んだら何年だろう?
延命水を過ぎると、大きく平たい岩がせり出しており「博打場」と呼ばれている。(江田島の古鷹山などにもこの呼び名をもつ岩場があり、海賊が博打をしていたという伝説が残されている)
ここからは道が左右に分かれており、左が山頂への近道だが、子安観音に詣でるなら、右の道を行ったほうが便利。
黄金仏発見地の石碑や説明板が立つ山頂。出発時は快晴だった空にはいつの間にか薄雲が広がっていた。
遠くが霞み気味だったが、(右)のやぐらからは西中国山地から瀬戸内海まで、雄大な眺めが広がる。

東側、約180度のパノラマ。説明板によると天気のいい日は国東半島まで見えるという。
お休み広場まで引き返し、標識に従って下山路を下る。土佐から伊予を経て讃岐の国へと続く後半の札所には磨崖仏も加わり、静かな森の中で岩の上にひっそりと浮かび上がる仏の姿はなかなか神秘的である。
74番「甲山寺」の磨崖仏(右)は特に見もの。
88の札所のうち、一部は登山道から外れた脇道の折り返し(表示板では"打ち返し")ルートにある。
登山道と舗装路との小さな四差路に出て、右に曲がると出発地点の楞厳寺だが、全ての札所を回るにはそのまま直進してもう1〜2か所詣でなければいけない。そこも含めて、いくつかの折り返し部分の札所はパスしてしまったので、延命水の効力も薄まったかもしれない。
下山後は湯野温泉の延命湯?に入浴。