山名/標高

容谷山(左)と小五郎山(右)
冠(かんむり)山/1339m
寂地(じゃくち/じゃくぢ)山/1337m
右谷(みぎたに)山/1234m
容谷(ようたに)山/1032m
小五郎(こごろう)山/1162m
登山日・天候 2004年6月13日(日)・晴
行程 松ノ木峠(07:45)〜寂地山分岐(08:55)〜冠山(09:15)〜(折り返し)〜寂地山分岐(09:45)〜寂地山(10:15)〜寂地峡分岐(11:00)〜右谷山(11:20)〜藪ヶ峠(11:50)〜容谷山(12:40)〜(折り返し)〜縦走路入口(13:00)〜虹山(14:00)〜北尾根ピーク(14:55)〜小五郎山(15:10)〜林道終点(16:15)〜向峠(16:35)

昨年5月に歩いた容谷山〜小五郎山の縦走路を再び歩いてみることにした。
ただし、今度は冠山から5つのピークを越える長大な縦走路。全長約20km。所要時間は8時間くらい?
当日はちょうど台風一過。梅雨も中休みに入り、雲一つない青空に心地よい風が吹き抜ける最高の天気。
まずは松ノ木峠から冠山山頂へ。
寂地山との分岐手前にある展望地からは羅漢山を一望。頂上に置かれた雨量計もはっきり見える。

その向こうに見える海は由宇町あたりだろうか。何度も通った松ノ木峠コースだが、これほどの展望は初めて。
(左)分岐から冠山への上り道の途中、湿地の上に気になる足跡(15cmくらい)が・・・

冠山頂に到着。長い縦走が控えていることもあって急ぎ足となり、ここまでの時間はちょうど1時間30分。


山頂北側に開けた展望地から、久しぶりに西中国山地の眺めを楽しむ。
分岐点まで折り返し、寂地山方面へ少し進むと、柵に囲まれ案内板の立てられた「オオヤマレンゲ自生地」の前に出る(左)。
開花時期は6月下旬頃。

新緑が目に優しい、緩やかな上りの続く縦走路を30分ほどで寂地山頂(右)に到着。標識や祠がなければそれと分からない平坦なブナ林。少し休んで、すぐに右谷山へと向かう。

(左)木々の合間に冠山の懸崖がのぞく。

寂地峡への分岐を過ぎると、右谷山へ向けて急登となる。このあたりは4月中〜下旬にカタクリが一斉に花 を咲かせる観賞&撮影ポイント。花がある時期は気が紛れ、歩みも遅くなるのであまり斜面を意識しなかっ たが、普通に歩くぶんにはかなりきつい上りである。

右谷山頂は寂地山以上に山頂らしくない、標識があるだけの狭いピーク。5〜6人のグループが標識前のベンチとテーブルを囲んでいたので、写真も撮らずすぐに通過。
山頂からは一転して急な下り道。しばらく進むと、右谷山で唯一の展望地が現れる。

大きくどっしりと構えた小五郎山の手前にちょこんと座る容谷山。2山を繋ぐ太い尾根上に、これから歩く縦走路が延びている。
登山道をさらに下ってゆくうちに、周囲は明るい新緑の自然林から薄暗い植林帯に変わり、右谷・容谷鞍部の薮ヶ峠に着く。
ここからさらに直進で容谷山だが・・・道はいきなりササと草に埋もれ、踏み跡も定かではない。スパッツ、長袖、軍手で身を包み、ラジオのボリュームを最大にしてヤブの中に突入。
取り付きのヤブはすぐに終わったが、その後も所々でササが踏み跡を隠し、一歩一歩確かめながら前進。
本当は容谷山頂に着くまでに縦走路入口を確認しておくつもりだったが、ササ漕ぎに気を取られて見つけられないままに山頂に着いてしまった。ちょっと心配しつつ、折り返して入口を探すことに。

容谷山頂からの眺めは相変わらず良くないが、それ故に小五郎山の脇から見える青野山にはいつも驚かされる。直線距離で約21km先である。

アップダウンの続く尾根を逆戻りし、木の幹に巻かれたテープを発見。これが縦走路入口の目印。
昨年5月の状況から、ササや草が伸びていっそう歩きにくい状態になっているものと覚悟はしていたが・・・現状は予想以上のひどさで、進むにつれてヤブの間に残された細い踏み跡は途切れがちになり、記憶とカンだけが頼りに。
ササヤブの急坂の上に青空が広がってくると、山頂(北尾根のピーク)は近い。しかし、ササの勢いもこの辺りが最高潮。 長時間の縦走で疲れ切った足で、踏み跡も見えないササヤブを掻き分け進むのは困難を窮めた。
縦走路に入ってから2時間10分、やっとのことで小五郎山頂に到着。疲れ切って眺めをゆっくり楽しむ余裕もなかったが、とりあえず写真だけは撮っておいた。もう二度とこの道を歩かなくても良いように。当分ササは見たくない。

北尾根ピークからの眺め。実際の山頂よりこちらの方が眺めが良いが、当分近づきたくない。
山頂とこちらを結ぶ平坦な尾根道もササに埋もれかけている。
(左)山頂からは、安蔵寺山の眺めがよい。

午後を回っても空気はまだ澄んでおり、(右)の鬼ヶ城山の後方には、海に浮かぶ宮島の島影。あまりに近く見えるので最初は三倉岳かと思ったが、これはもっと手前に小さくそびえていた。いずれも帰宅してから写真を見直して判ったことで、山頂では疲れ切って山を同定する気力もなかった・・・
ちなみに小五郎山と弥山の間は、直線距離にして約32km。

山頂からは歩きやすいササの斜面を一気に下り、樹林帯を抜けて林道に出る。しっかりと舗装された林道が、いつもの登山の終わりと違って、やけに有難く感じられた。
(左)林道途中にある小さな「小五郎山荘」。実は登山届の記帳所。

(右)しゃれた木造校舎の向峠(むかたお)小学校は、平成14年に休校となった。

あらかじめ向峠に置いていた車で松ノ木峠に戻り、吉和の「魅惑の里」に入浴。疲れ切った足を揉みほぐして帰路についた。