山名/標高

小五郎山から山頂部遠望。(2004.06)
羅漢(らかん)山/1109m
登山日・天候 2005年10月30日(日)・曇ときどき晴 
行程 ハイランドロッジ前〜中国自然歩道〜小羅漢〜不知火の杉〜羅漢山頂・レーダードーム〜憩いの広場〜放牧場〜ハイランドロッジ前

鬼ヶ城山からの眺め。(2005.02)
山口県(錦町・美和町・本郷村)と広島県(廿日市市:旧佐伯町)の境界にそびえる大きなトロイデ式火山。古くは「生山」あるいは「車前子ヶ垰(おばこがたお)山」と呼ばれていたが、山のいたるところに露出している巨石群を仏に見立て「羅漢石」と呼んだことにちなみ、「羅漢山」の名が定着したといわれる。また一説には、遠望する山容が羅漢仏を思わせることが山名の由来ともいう。
山頂部は起伏が緩やかで、南西側の標高750〜900mにかけては平坦丘陵が発達し、スキー場、牧場、キャンプ場などの開発が進んでいる。昭和37年に羅漢山県立自然公園に指定され、登山道は中国自然歩道として整備が行き届き、初心者や家族連れでも安心して登れる。
山頂からの展望は良く、晴れた日は瀬戸内海越しに四国の山々まで遠望できるという。山頂の一隅には雨量観測用レーダーが設置されており、遠くから羅漢山を視認するときの目印にもなっている。

いつの頃からか定かでないが、週末のたびに天気が崩れるようになり、休日に気持ちよく登山ができない、あるいは計画したものの悪天候のため中止の憂き目に遭うことが続いている。
羅漢山も9月はじめに行われたクロスカントリー大会に合わせ軽く山頂を踏む予定だったのだが当日は雨。それなら紅葉の時期にと機会をうかがっていたが毎週のように天気が悪い。この日も上天気とはいえなかったが、いつまでも待っていられないので出かけてみることにした。
羅漢山は、山頂から数百m下まで車道が通じており、登山道もしっかり整備されている。錦町のハイランドロッジ駐車場からは30〜40分程度で簡単に山頂に立つことができる。
登山口から、森の中に建てられたキャンプ場のロッジを見ながら山頂に向かう。中国自然歩道の登山道はよく踏まれており標識も多く迷う心配はないが、9月の台風の爪跡か、道の一部が崩れ木々が倒れている場所もあった。
道の途中にある「小羅漢山頂」の分岐に入り200mほど上ると小羅漢のピーク。ササ原の中に高床式の東屋が建ち、北西方面の展望が良い。
すぐ東隣には羅漢山のピークがそびえている。

小羅漢山頂からの眺め。
分岐点まで引き返し、羅漢山の山頂へ。周囲の自然林は植生豊かで紅葉も色とりどり。
その昔、毎年行われた山焼きの中で常に焼けることなく残ってきたという「不知火の杉」を見て、さらにもう少しの上りで山頂に到着。近くの山からよく眼にしていたレーダードームが広場の向こうにぽつんと立っている。
こちらにも小羅漢と同じく、展望台を兼ねた東屋が建っており、木々に多少遮られるものの、360度の展望が楽しめる。
床の中央に方位板が置かれ、宮島や錦帯橋など、晴天であれば視認できそうな建造物に交じって「出雲大社」の名前も。
見えますか、ホントに?

山頂展望台から北側の眺め。
眺めを楽しんだ後、レーダードーム(レーダー雨量観測所)のそばまで行ってみた。
これまで見てきた山頂のレーダーに比べ周囲の景色との違和感が少ないのは、以前から遠目にその姿を見てきたからだろうか。
レーダードームのそばに小さな石像があった。表面がすり減って、文字も表情も読み取ることはできない。
羅漢山中腹を横切り広島〜山口をつなぐ県道は古くは石州と安芸・周防を結ぶ往還道でもあった。石像の置かれたこの道は広島県廿日市市(旧佐伯町)からの登山道で、鬼ヶ城山の馬頭観音と同様、かつて祀られていた道祖神だろうか。
山頂から来た道を引き返し、途中の分岐を本郷村の「憩いの広場」方面に下る。
本郷村の方がより標高の高い場所まで開発を進めている。公園化された草地の中には大きな「羅漢石」が立ち並んでおり、ちょっと奇妙な光景。

憩いの広場の下には広い放牧場がある。ここから眺める羅漢山は双耳峰のような山容。
放牧場からさらに車道(クロスカントリー大会のコース)を伝いハイランドロッジへ下る。
途中、道端の標識には「錦らかん高原/本郷らかん高原」とある。ともに近々岩国市と合併する地区だが、今後のらかん高原の管理運営はどうなるのだろうか。