山名/標高 阿佐(あさ)山/1218m
登山日・天候 2005年11月9日(水)・晴ときどき曇 
行程 阿佐山橋登山口(08:40)〜二十丁峠(09:40)〜阿佐山山頂(10:15-11:00)〜二十丁峠(11:30)〜折り返し(11:50)〜二十丁峠(12:00)〜阿佐山橋登山口(12:45)

恐羅漢山山頂から阿佐山遠望。(2004.12)
島根/広島の県境に横たわる西中国山地東の盟主・阿佐山は、南北に二つのピークを持つ双耳峰で、地元ではそれぞれ西ドーゲン山、東ドーゲン山とも呼ばれる。北峰1217mに対し南峰は1218.2mと若干高く、こちらに一等三角点がおかれている。
北峰の北斜面及び東斜面は「瑞穂ハイランドスキー場」のゲレンデとなっているが、南峰は山頂近くまでブナ林に覆われており、四季それぞれに自然の美しさを堪能できる。
登山道は、林道終点の阿佐山橋から二十丁峠を経て山頂に至るルートが歩きやすく距離も短いが、縦走路も開かれているので時間に余裕があれば隣の毛無山あるいは三ツ石山、天狗石山へも足を伸ばすのが面白い。それなりにポピュラーな山だが、恐羅漢山や臥龍山に比べると訪れる人は少なく、静かな山行が楽しめる。そのぶん注意も必要だが・・・。

阿佐山登山口は、国道186号を傍示峠方面から「芸北オークガーデン」を過ぎて県道40号に、さらに「大暮養魚場」の看板を見て左折、集落を抜け大暮川に沿って奥へと進む。
途中「毛無山(画像左)登山口」もあり、周囲に若干の駐車スペースがある。ここに駐車し、毛無山から阿佐山へ縦走することも可能だが、今回は最奥の駐車場まで入ることにした。
道路は舗装されているが次第に細くなり、天狗石山林道との分岐を過ぎるとさらに狭い未舗装路となる。ゆっくり走れば乗用車でも通行は可能。
阿佐山橋を渡ると避難小屋(阿佐山山荘)が建つ広場に出る。ここで車を駐め、登山道に入る。
登山道に入るとすぐ沢渡り、その後しばらくはっきりしない道が続き不安になるが、進むにつれて踏み跡がしっかりしてくる。周囲は植林と自然林が混合し、暗い杉林ごしに見る紅葉がいちだんと鮮やかに映える。
道はだんだん沢から離れ傾斜を強めてゆくが、「急坂」というほどでもなく気持ちよく登って行ける。
植林が減り道が平坦になるとまもなく「二十丁峠」と呼ばれる主稜線の鞍部。
阿佐山〜毛無山の縦走路が開かれており、まずは進路を左に取り阿佐山へと向かう。
この峠は以前は眺望に恵まれていたらしいが、周囲の木々が伸びてきて現在はほとんど眺めはない。
紅葉はピークを過ぎて半分以上が落葉した感じ。縦走路以外はササが伸び、遠くからチェンソーや作業の音がかすかに聞こえてくる他には物音一つしない。
山頂に近づくと立派なブナの木が目立ちはじめる。比婆山や恐羅漢の台所原ほどではないが、なかなか見事なブナ林。
ここも落葉が進んでおり、この1ヶ月間のめまぐるしい季節の移り変わりにあらためて驚く。先月の今頃は標高1200mあたりでまだ木の葉は青々とし、タオルの汗を絞りながら半袖で歩いていたように覚えているのだが・・・
一等三角点、木とササに覆われた山頂は、北峰のゲレンデとその先のいくつかの山々が見えるくらいであまり眺望はない。
山頂の傍らに電波アンテナと避難小屋が立ち、その脇を抜けて北峰、三ツ石山、天狗石山への縦走も可能。草地のゲレンデが広がる北峰の方が展望は良さそうに思えるが、今回はここで折り返し、毛無山へ向かう計画。
休憩後二十丁峠へ引き返した。
毛無山縦走路へ入り、写真を撮りながらゆっくり歩く。
道は広くしっかりしており、急なアップダウンもなく快適だった。

森の中の大きなブナの木に目をとめ、道から少しはずれて近くに行き写真を撮った。そこからもとの道に戻ろうとしたところ、進行方向20〜30mほど先のササ藪の中を移動するものがある。たぶん2匹?ササの間で一瞬立ち止まる真っ黒い身体。
こっちを見たかどうかは分からないが、鈴のほかにラジオから音楽を流していたので人の存在には気づいたのだろう、そのまま茂みの中に身を沈め、見えなくなった。

来た道をすぐ引き返した。