山名/標高 高岳(たかだけ)/1054m
登山日・天候 2005年11月19日(土)・曇一時雨
メンバー 斉藤(宗)、斉藤(滋)、田中(善)、小川、加藤、伊藤、秋富、室井、和崎
行程 奥匹見峡駐車場(09:55)〜高岳縦走路分岐(11:00)〜999mピーク(11:25)〜縦走路出合(12:30-13:15)〜高岳山頂(13:45-13:55)〜聖湖・高岳登山口(14:35)

島根・広島の県境尾根を縦走し高岳山頂に至る新ルートを目指し、奥匹見峡駐車場内にある天杉山登山口から入山。
天気は冬型で、小雨がぱらついたり晴れ間が広がったりと不安定な空模様。気温も低かったが、駐車場から尾根に取りつきの急坂ですぐに汗ばむほどになった。
尾根に出てしばらくは天杉山方面へ、自然林の上りが続く。
昨年春、新緑の美しさに目を奪われた自然林は、紅葉もやはり美しかった。
すでにピークは過ぎていたものの、すっかり葉の落ちた巨木の脇に残された紅葉は、かえって鮮やかさが引き立つように感じられる。
散りかけた紅葉もなかなかに趣深い。
「花はさかりを、月はくまなきをのみ見るものかは」という徒然草の一節を思い出す。
ブナの巨木が目立つようになり、アップダウンを繰り返した後ササに覆われた広場に出ると、新ルートを示す新しい標識が立つ三叉路が現れる。
入り口は広く刈られ、聖山〜高岳縦走路の合流地点までも概ね広く分かりやすい道が続く。目立った標識はないが迷う心配はない。ただし、刈り払われたばかりのササの切り株に足を取られ、まっすぐ歩きにくい状態。今後どんどん利用され、踏み跡が固まっていくことを願う。
ササ原の上に低木が生い茂った縦走路の展望はあまり良くないが、木々の間から聖山、砥石郷山、恐羅漢山などが見える。恐羅漢の山頂は霧氷で白くなっていた。
反対側に目を向けると、木の間から除く山並みの向こうに海が見える・・・ような気がする。周囲の木を刈り払ってしまえば気持ちの良い展望尾根になるのに、と良からぬことを考えてしまう。

聖〜高岳の縦走尾根を一望できるササ原に出る。向こうへ行くには急坂を下り、上り返さなければならない。
縦走路との合流点に到着、道端で昼食休憩。
枝にかけられた「日本分水嶺」の木札には見覚えがあるが、今年の5月にはただの一本道だった。「西中国山地 聖山分かれ野田の百本松間を復元しました」という新しい表札の日付は、平成17年9月17日。2ヶ月前に開かれたばかり。
縦走路を少し移動すると、ササ越しに聖湖や深入山が望まれ、前に通った道の記憶が蘇った。
高岳山頂付近の紅葉はほとんどが散ったあとで、ウリハタカエデの枝からはモミジの代わりにたくさんの種子がぶら下がっていた。
このあたり、西中国山地の中でも特にクマの多い場所だと聞いているが、今年は台風もなく木の実も豊作で、しっかり栄養をとったクマは道なき森の奥でのんびり昼寝の時間だろう・・・どこか遠くで寝ていてほしい。
最近会ったばかりなので、ササの深い茂みの中が気になって仕方ない。
高岳山頂。恐羅漢や聖山、三段峡の方角には日が差しているが、聖湖から対岸の臥竜山は雨雲に覆われ真っ白。雲はすぐにこちらへも流れてきて、みぞれ混じりの雨が落ち始めた。展望を楽しむ時間もなく、慌ただしく雨具を着込み聖湖畔への下山路を急いだ。
下山後、芸北オークガーデンに入浴し、民宿「へいま」で1泊。

山頂から南側の眺め。こちらは雲が多いものの日差しもあり、恐羅漢、十方山のあたりは晴れていそうな感じだが・・・

北側の臥竜山、掛頭山は雪に煙り、白いもやは次第に高岳へ近づいてきた。