山名/標高 鷹巣(たかのす)山/943m
大佐(おおさ)山/1069m

高岳山頂からの眺め。(2005.05)
登山日・天候 2005年11月20日(日)・晴
メンバー 斉藤(宗)、斉藤(滋)、田中(善)、小川、加藤、伊藤、秋富、室井、和崎
行程 東八幡原(08:50)〜林道・車止め(09:10)〜県境広場(09:20)〜鷹巣山山頂(09:30)〜県境広場(09:55)〜三方の辻(10:35)〜登山道分岐(10:50)〜大原山〜大佐山山頂(11:40-12:45)〜大佐スキー場駐車場(13:25)
島根県と広島県の県境にそびえる大佐山は、広島県側から見るとなだらかな山頂部の下に高原が広がる牧歌的でゆったりとしたたたずまいだが、県境の傍示峠を越え島根県側に入ると急峻な斜面となり一気に高度を落とし、ふもとの浜田市(旧金城町)波佐地区から望むと、西中国山地の前門といった風情でそびえ立っている。
この広島県側の緩斜面を利用し、芸北でも最も早い時期にスキー場が開かれた。主な登山コースもこのスキー場ゲレンデを利用し、広い草地に立つリフトの支柱伝いに山頂を目指す往復ルート。
今回利用した東八幡原からの縦走コースは、距離がやや長く道の一部に不明瞭なところもあるが、広い自然林から徐々に高度を上げ、展望の良い山頂に至る変化に富んだルート。途中、県道307号線の八幡トンネル付近から上ってくる登山道と合流する。往復は時間がかかるため、下山口(スキー場またはトンネル側登山口)に車を置くなどの準備が必要。
切り開かれた山頂からは360度に展望が広がり、特に日本海側の眺めは圧巻。
鷹巣山は大佐山の西にあり、高岳から望むと緩やかな大佐山の隣に小さく突き出たピークが印象的。東八幡原からの大佐山縦走コースから20分程度の寄り道(往復)でピークに立つことができる。山頂部はササと木に覆われ展望はほとんどない。

冷たい雨から一夜明けた芸北は、青空が広がり絶好の登山日和。宿の軒先より望む大佐山からは、朝日を浴びて霜解けのもやが立ちのぼっていた。
出発地の東八幡原も放射冷却で気温が下がり、日陰は真っ白でわずかに残った紅葉や木の実にも霜が降りていた。なんとなく懐かしい寒い朝の光景。
霜柱や薄氷を踏みながら、アカマツが立ち並ぶ平坦な並木道を鷹巣山へ向かう。
車は舗装路の終点に駐車したが、林道は広く路面状態もそこそこいいので、鉄パイプの車止めが渡された場所までは乗り入れることも可能。
この車止めから10分ほどで県境広場と呼ばれる峠に出る。道がいくつか分岐しており、鷹巣山へは左の道に入る。
県境広場から先は道幅が狭くなり車1台分くらいとなるが、歩くにはまだまだ充分広い。
5分ほど進むと、道端のササの茂みに小さなテープがつけられており、ここが鷹巣山山頂への入口。
踏み跡を頼りにササをかき分け、5分ほどで木とササに囲まれた鷹巣山山頂に到着。
山頂には三等三角点と並んで陸軍の標柱も立つ。ガイドブックでは臥竜山などの眺めが良いということだったが、現在はヤブ越しにほんのわずかの展望が得られる程度。早々に県境広場まで引き返した。
落ち葉に埋もれた地面は昨日の雨で滑りやすく、下りは特に気を遣う。県境広場からは直進方向の林道を進むものと思っていたが、実は右手の笹ヤブが縦走路入口(右画像)。
鷹巣山と同様、最初の上りは濡れ落ち葉で滑りやすく、笹の葉にも露がびっしり。
上りはすぐに終わり、その後は木漏れ日が心地よい自然林の散歩道となるが、しばらくの間は笹の勢いが強く、その下には結構な数の倒木が隠れているため気が抜けない。
「三方の辻」または「八幡三方」と呼ばれる場所。その名のとおり縦走路から道が1本分かれ東の尾根伝いに下っている(土草峠を経て掛頭・臥龍山へ)。少し進むとまた三叉路に出る。こちらは八幡トンネル付近から上ってくる登山道との合流点。
この合流点からは少し急な上りとなり、大佐山手前の大原山(1011m)に出るが、目立ったピークも標識もなく、いつの間にか通り抜けてしまった感じ。

大原山を抜けると見晴らしの良いススキの原。振り向くと西中国山地の遙か後方に十種ヶ峰、青野山がくっきり浮かぶ。
360度に展望が開ける大佐山山頂。
阿佐山塊、臥龍・掛頭山は指呼の間。恐羅漢、十方、安蔵寺など西中国山地の山々が連なる先に十種ヶ峰、青野山。視線をさらに北に向けると遠く須佐の高山から三瓶山のそびえる大田市まで、石見の海岸線を一望。
はるか東にひときわ大きくそびえる山。あまりにはっきり見えるので最初はこれが三瓶山だと思い、手前に連なる山は大江高山だと勘違いしていた。実はこれが大山で、手前が三瓶山。
日本海側、約180度のパノラマ。
西の彼方にそびえる須佐の高山(左)から視線を東へ。益田、三隅(発電所の煙突もはっきり見える)、浜田、江津と石見の海を一度に見渡した後、大江高山と三瓶山、その奥にひときわ高い大山まで、半径約150kmの大展望。
江津の沖あたりに大きな白い船が浮かんでいた。博多〜直江津を結ぶ定期船だろうか。
瀬戸内海(見えない)側の眺め。
東にそびえる阿佐山塊がひときわ目をひく。冠・寂地や恐羅漢などに比べ、遠いこともあって訪れる機会の少ない山々だが、こうして見ると西中国山地西側の山塊に決して引けをとらない堂々とした山容で登高意欲をそそられる。
ガイドブックによると、掛頭山山頂の芸北国際スキー場最上部からは、天気のいい日には四国の山々まで見渡せるとのこと。大佐山からはちょうどこの掛頭山がじゃまをして?確認できなかった。
山頂で雄大な眺めを楽しみながら昼食。下山路は大きく切り開かれたスキー場のゲレンデを駐車場へと下った。
大佐スキー場は、人工雪で営業を開始していた。今年は寒くなりそうな予感もするが、天然雪でゲレンデが覆われるのはいつごろだろうか・・・?