長者原から雨ヶ池越への上りルートは、樹林帯の入口から奥へ数百mが工事(道の修繕?)のため迂回路となっていた。また、7月の大雨のせいか途中の沢が大きく崩れており、通行に注意が必要。 さすがに早朝だからか、途中誰にも会うことなく雨ヶ池を越えて坊がつるに下った。 |
坊がつるではススキの穂が開きはじめていた。季節がゆっくり秋に移り変わろうとしている。 雨ヶ池越もそうだったが、道端の草がびっしょり濡れていて、ズボンが外と内(汗)両方から湿って重くなってしまった。前日に夕立でも降ったのだろうか。 法華院温泉の先で分岐を右へ。ここからは以前道に迷って難儀した白口谷コースに再挑戦。 |
白口谷コースは、岩が多く踏み跡は細く、荒れ気味だが黄色いペンキを忠実に辿っていけば特に問題ない道だった。沢を挟んで(左)にそびえる白口岳と高さを競うように上へ上へと延々続く急坂の先にやがて稲星山のピークが見えてくると、合流点=中岳と稲星山の鞍部は近い。 やはりこの道はヤブ漕ぎルートなどではなかったのだ・・・前回はどこで間違えたのだろう? |
急坂+岩場を越えて中岳山頂に出ると、眼下に広がるはずの坊がつる一帯は雲に隠れて見えない。上っているうちに雲の上(というか中)に出てしまった感じ。平治、大船も全く見えなかった。 飯田高原の展望は良かったが、その先の遠望はきかなかった。天気予報では九重町「晴れ」となっていたが、山の上の天気は思ったほどではない。 |
中岳からは、隣の天狗ヶ城との鞍部から避難小屋前に出て御(み)池のほとりへ。池の水は入浴剤を溶いたようなグリーンで、きれいな「逆さ中岳」は映りそうになかった。 御池から水のない窪地「空池」のふちを通って、久住山へ。このころから少しずつ登山者と行き交うようになった。 |
久住山頂はガスがかかり、久住高原側は真っ白で何も見えない。中岳・天狗ヶ城もガスの合間に見えるくらいだった。 小休止の後、久住別れを経て西千里浜へ 向かう。牧ノ戸方面からの登山者が次第に増えてきた。 平日だが、夏休みとあって家族連れや学校の団体登山が多い。 |
扇ヶ鼻から牧ノ戸峠までの道は、8年前に一度通ったきり、しかもそのときは雨が降っていたので、周囲の眺めは新鮮で初めて見る風景ばかり。 行く先には泉水尾根や湧蓋山の美しいピークが並ぶ。久住・中岳を振り返るとほとんど雲に隠れてしまっていたが、こちらはまだ雲がかかる気配はない。 |
牧ノ戸峠からの最初のピーク、沓掛山は頂上部へのハシゴを使っての上り下りは記憶にあったが、山の形は今回初めて目にした。
沓掛山を過ぎると、コンクリート舗装された道を下り牧ノ戸峠に出る。登山者と観光客で駐車場はほぼ満車状態だった。 |
泉水尾根への道は道路(やまなみハイウェイ)を渡り、数百m先の東屋までは舗装された遊歩道を行く。東屋から先は地道となるが、くじゅう本峰へのルートに比 べると道は踏み跡並み。黒岩山への上りはかなりの急坂で、ここまでの疲れもあって標高差以上にきつく感じた。 急坂を上りきるとなだらかな草地に出る。黒い岩塊がポコッと飛び出し「黒岩山ピーク」かと思わせるが、実際の山頂はその先の岩場の端にある。道は草に隠れて見えないので、足元をかき分けながらゆっくり前進。 |
三等三角点のある黒岩山山頂は360度の展望が開ける・・・が、くじゅう山頂部は雲の中。湧蓋山や筋湯方面は好展望。 八丁原地熱発電所から立ち上る噴気の音が山頂まで響いてきた。 |
黒岩山から草尾根を伝い泉水山へ、と書けば気持ちよさそうだが、この展望の良い尾根道も草の丈が伸び、道がほとんど見えない。 もしやマムシが潜んでいないかと落ち着かなかった。天気はさらに悪くなり、一時パラパラと雨粒が落ちることもあった。 |
道の途中、ササに埋もれかけた分岐標識があった。左の道の先にある「大崩の辻」というのは泉水山の西側にあるなだらかなピーク(左)で、そこからさらに筋湯温泉に下ることもできるようだが、 道ははっきりしない。少し進んだら踏み跡が不明瞭になったので、すぐ分岐へ引き返した。 右側の道は「上泉水山」(右)を経由して、下泉水山へ至る通常ルート。 |
上泉水山の頂上は、半分欠けた表示板と個人のレリーフがあるだけ。 天気の良い日は飯田高原とくじゅう連山の眺めがよいが、この日は三俣山の上まで雲が覆い被さっていた。ふと気づくと頭上の雲もずいぶん低くなってきた。 頂上を過ぎると道はすぐに下りはじめ、ロープのかけられた急坂となる。 |
トンネル状に枝を広げたアセビ林をくぐると、下泉水山頂の分岐標識がある。林の中から突き出た岩塊が山頂で、上に立つと眼前の上泉水山頂部(右)をはじめ、360度に視界が開ける・・・といっても、雲が多くあまり遠望がきかなかった。 |
(左)下泉水山頂から望む湧蓋山。 阿蘇方面は雲に遮られて何も見えず、その雲の中から雷鳴が聞こえてきた。飯田高原には晴れ間が広がってきたが、いつまた天気が悪化するかも知れず、急ぎ足で長者原に下った。 下山後は、寒の地獄で充分体を冷やし、ここのえ温泉館でまた暖め直した。 |