山陽道・玖珂ICを降り西に進むと、盆地の中にゆったりと裾野を広げた大黒山が姿を現してくる。 起点となるパストラルホールは大黒山の麓にあり、テニスコートなどが併設された施設内の道を山に向かってさらに進み、一番奥の野球場(用田グラウンド)から登山道がはじまる。 |
グラウンド脇の登山口からしばらくは舗装された林道が続く。 登山口標柱には「竜ヶ岳」「大梅山」の表示もあり、この林道から大梅山への直登路または大黒山〜竜ヶ岳縦走路の鞍部に出ることも可能。 大黒山へは、林道の途中に立つ2本目の標柱(右画像)に従い、右の登山道に取りつく。 |
大黒山への上り道は最初から急坂気味だが、よく整備され踏み跡もしっかりしており歩きやすい。 少し上ると周囲の木々はシダや低木に変わり、空が明るく、見晴らしが良くなる。それに合わせて地面も真砂土や花崗岩の滑りやすい土質に変わるが、急な斜面にはロープが備え付けられているので心強い。 途中、烏帽子岳越しに周東・玖珂の町並み、蓮華山や高照寺山、氷室岳などが一望できる展望地がある。 |
展望地からの眺め。山頂はあまり展望がきかず、大黒山ではここがいちばん眺めが良かった。 |
三等三角点、323.4mの大黒山山頂。戦時中に建てられた監視所のコンクリート基盤が残っている。周囲の木が伸びて視界を遮っているため、期待していたほどの展望はなかった。 山頂の片隅(西側)に巨岩があり、これが上大黒岩らしい。足場が悪く、登るのは難しい。この上大黒岩の手前に西尾根を下る踏み跡があり、その先に竜ヶ岳の尖峰がみえる。標識はないがこれが縦走路だろう。 |
・・・他に道はないし、方角からして縦走路に間違いないはずだが、樹にくくりつけてある標識は「下山路」ばかり。これが3度現れるも、縦走路や竜ヶ岳の文字はいっこうに現れず、少し不安になってきた。 この「下山路」の右手には烏帽子岳がよく見える。 |
半信半疑で下ってきた下山路は、標高220m(と標識にある)の鞍部で縦走路から左手に分かれ、さらに林道へと下ってゆく。直進すれば竜ヶ岳、大梅山への縦走路である。 間違いなかった、良かった。しかし、ここまでの標識が「下山路」だけだったというのはどういうわけなのだろう。 |
いままで標識がなかったのを補うかのように、鞍部を過ぎると「竜ヶ岳→」「大梅山→」「←大黒山」の標識が次々と現れる。縦走路は大黒山登山道に比べると幾分荒れているが、歩きにくいほどではなく、急斜面にはロープも備わっているので安心できる。 鞍部から上り返した後、縦走路は小刻みにアップダウンしながら竜ヶ岳に近づいてゆく。 |
山容から察するとおり、竜ヶ岳山頂への上りはかなりの急坂。まずはロープの付けられた斜面をはい上がり、東峰へ。そこから西へヤセ尾根を伝い、岩の露出した急斜面をよじ登ると竜ヶ岳山頂に出る。 槍の穂先は想像どおりの好展望で、標高400mに満たない山とは思えない、360度の大パノラマが広がる。 |
西から北にかけての眺め。竜ヶ岳トンネルをくぐる車の響きが山頂まで聞こえてきた。 |
北東から南東にかけての眺め。もともと霞んでいた空に雲が増えて、さらに遠望がきかなくなった。 |
帰路、縦走路を折り返す途中で大梅山へ寄り道してみた。 標識に従い分岐路に入り、5分ほどで「標高270m 西の峰」の標識があるピーク。そこからまた5分ほどで大梅山山頂に到着。こちらも木に標識が掛かっているだけで眺めも乏しく、あまり山頂らしくない。その先に進むと左に林道への分岐があり、急坂を一気に下って林道へ出る。あとは道なりに出発点へ。 |