山名/標高

浜田道・大朝IC付近からの眺め。左:阿佐山塊 右:寒曳山
寒曳(かんびき)山/826m
登山日・天候 2007年4月28日(土)・晴
行程 スキーパーク駐車場(10:50)〜別荘地〜天狗岩(11:35)〜山頂(11:40-11:45)〜牛の寝床〜スキーパーク駐車場(12:05)
寒曳山は旧・大朝町の北にそびえる独立峰で、左右に大きく裾を広げた山容から「大朝富士」の別名を持つ。
北麓に建設されたスキー場(スキーパーク寒曳)は、芸北地域では老舗の部類で、広島市内からは最も近いスキー場として知られる。
山頂部は古くから草地であったらしく、江戸時代の地誌にも「天気晴朗の日には西海を見る」と記されている。
登山道は、南麓の枝の宮バス停から仙人岩の水場を経て山頂に至るルートがよく利用される。東麓のキャンプ場から上るルートも、このルートに合流している。

シーズンオフで閑散とした「スキーパーク寒曳」の駐車場から、まずは舗装路を来た方向にいったん下る。
1km足らずでキャンプ場と別荘が並ぶ「ゆとりの森」。登山道は別荘地の脇に延びているのだが、道路からの入口は判然としない。人に教えられて別荘地の中からやっと合流。
登山道自体はよく踏まれた直登路で迷う心配はない。
登山道を教えてくれた人が、最後に
「クマがおるけぇ気をつけて。」
そういえば前にクマと接近遭遇した阿佐山もここから近い。気にしながら登山道を歩いていたら、背後の森の中から「ドサッ!」と何かが落ちる(飛び降りる)ような音。続いて茂みの中をガサガサ・・・。音はすぐ消えた。あまり大きな音ではなかったし、たぶんタヌキかキツネだろうと強引に結論づけて、急ぎ足に先へ進んだ。
(前方から聞こえたら迷わず引き返していた。)
直登路を必死で逃げ上り、仙人岩からの登山道と合流。さらに数百m進むと道が分岐し、直進が「スキー場」、左に上ると「天狗岩」を経て山頂に達する。
急坂の天狗岩コースを上りきると主稜線に出る。右手に数分で山頂、左手には大きな岩が突っ立っている。これが天狗岩。

天狗岩の上に立つと、北東から南西にかけて大きく展望が広がる。こちらは南東〜南の眺め。

天狗岩より南〜南西の眺め。阿佐山塊は寒曳山に隠れて、この位置からはよく見えない。
天狗岩から稜線伝いに山頂へ。展望自慢の山らしく、東西南北それぞれに配置された展望図、寒曳山を中心とした地図などが設置されている・・・が、ここも木々が伸びており、話に聞くような「360度の大展望」はなかった。展望図も南側(天狗岩で見たのと同じ方向)以外は朽ちてしまったのか、錆びついた枠しか残っておらず、何とも寂しい限り。

北〜北東(ゲレンデ斜面)の眺め。条件が良ければ三瓶山が見える方角だが、霞んでいてはっきり見えなかった。
手前に立っているのは、雨量計。
山頂からは、雨量計の横を少し下り、作業道沿いに左(西)へ進むと、スキーリフト最上部。その先になだらかな草原が広がっており、ここが広島県で最も古いと言われるスキー場。通称「牛の寝床」。
眺めを楽しみ、足下のワラビをときどき摘みながらのんびりと駐車場に下った。

そういえば、森の中で聞いた音のことをすっかり忘れていた。覚えていたら、3つめの山は行き先を変えるか中止していたかも。なにしろ山の名前が・・・>>