山名/標高 鹿嵐(かならせ)山/758m
登山日・天候 2007年5月3日(水)・晴
行程 第1登山口駐車場(08:45)〜雌岳(09:35)〜雄岳(09:55-10:00)〜地蔵峠の景〜地蔵峠(10:55)〜第2登山口(11:20)〜第1登山口駐車場(11:40)
鹿嵐山は宇佐市(旧・院内町)と中津市(旧・本耶馬渓町)の境界にあり、雄岳・雌岳の2つのピークを持つ双耳峰。山頂付近にツクシシャクナゲが自生し、北尾根の一部が「地蔵峠の景」と呼ばれる景勝の地であることから登山者の人気が高い。
登山道は、交通の便がよい院内側に開かれており、雌岳に登る「第1登山口」、地蔵峠の景から雄岳に登る「第2登山口」、雄岳・雌岳の鞍部に出る「中央登山口」の3ヶ所から上り、それぞれ縦走して別の登山口に出ることができる。
道は良く整備されているが、急斜面や岩尾根があるので雨天や積雪時は避けた方が望ましい。

田ノ平地区(中央登山口付近)からの眺め。

GW後半初日。早朝5時に山口を出たのに道路の混雑は尋常でなく、国道10号線は早くも渋滞がはじまっていた。宇佐から国道387号線を院内へ、さらに県道664号線(小野川内)に入ると、普段の早朝の田舎道に戻ってひと安心。
しばらく進むと道の向こうに鹿嵐山の双耳峰が姿を現す。第1登山口前には広い駐車場があるので、ここに車を置き登山開始。
「登山安全祈願」の石像を見て、登山道に入る。取り付きからかなりの急登。最初は雑木林、すぐに植林帯に変わりどんどん上ってゆく。
登山道は一本道ではっきりしており、途中には「シャクナゲ観賞登山」のために設置された案内板がいくつもつけられていた。この観賞登山は、例年山開きと一緒に実施されていると聞く。案内板には4月29日の日付があった。
植林帯を抜けて再び自然林に入る。鹿嵐山はシャクナゲの名所としても知られるが、時期が早かったのか花は少なかった。自生しているもの以外に個人(地元の人?)が植えたシャクナゲの苗木も並んでいた。
上りの中ほどから雌岳頂上までの残り距離を示す標柱が立ちはじめたが、急坂なのでなかなか前に進めず、距離が縮まらない。残り200mでようやく緩やかな尾根道に出てほっとひと息ついた。
古い石祠が建つ雌岳山頂(730m)。ここまでの登山道と同様、木々に覆われてあまり展望はなかった。
雄岳への縦走路は、鞍部(中央からの登山道がここで合流する)に下ってから上り返しとなる。急坂だが距離は短いので、一気に上って雄岳山頂に出た。
ガイドブックによれば両山頂からこの鞍部周辺が特にシャクナゲの花が多いということだが・・・全然目につかなかった。

一等三角点758.1mの雄岳山頂は、一部を木に遮られているが北と南の展望が良い。画像は北側の眺め。
空が霞んでいて遠望は今ひとつ。南側には由布岳と鶴見岳の稜線がぼんやりと浮かんでいた。
雄岳山頂からは、いちだんと傾斜がきつい急坂を下る。この斜面は、所々に岩が出ているうえ地面に落ち葉が多く、また、傾斜が緩くなったかと思うとまた急になったりするのでなかなか気が抜けない。
約20分かけて平坦な道に出て、ひと息つく間もなく小ピークを2つ越える。大したピークではないが、岩場を乗り越さなくてはならないので足を滑らせないよう注意。
雄岳の下りはじめからここまで周囲はほとんど樹林帯だったが、小ピークを越えると間もなく視界がパッと開け、本コースのハイライト「地蔵峠の景」にさしかかる。
「万里の長城」の別名どおり、登山道は切り立った岩稜のヤセ尾根上を伝う一本道。見ていると足がすくんでしまうが、実際に踏み出してみると足場はしっかりしており、あまり怖さは感じなかった。ただし道が狭いので足元には注意しないといけない。
周囲には新緑に彩られた奇岩の数々。振り返ると、先ほど下ってきた雄岳が大きくそびえる。立ち位置に注意しながら体の向きを変え、シャッターを押した。
ラクダのこぶのように連なる山々の麓が本耶馬渓あたり?その向こうに高くそびえるのは犬ヶ岳だろうか。
天気の良い休日だが、時間が早かったからか登山者は少なかった。おかげでこの絶景を貸し切りでゆっくり楽しむことができた。
人とすれ違ったり立ち止まってやり過ごしたりはあまりしたくない場所である。
地蔵峠の景に別れを告げて再び樹林帯に入ると、すぐに道が二手に分かれる。下山路(第2登山口)の反対側に地蔵峠があり、歩いて3〜4分と案内板にあるので立ち寄ってみた。
地蔵峠はかつての院内・本耶馬渓町境(今は中津・宇佐市境)で、名前のとおり地蔵尊が祀られている。峠から院内に下る標識が出ているが、この道は現在は使われておらず荒れている。引き返して第2登山口へ下った方が無難。
第2登山口から第1登山口までは徒歩約20分。