山名/標高 飯岳(いいだけ)山/573m
登山日・天候 2007年12月16日(日)・晴
行程 犀川登山口(13:10)〜飯嶽大神〜山頂(13:50-14:00)〜(折り返し)〜犀川登山口(14:25)
京都郡みやこ町(旧・犀川町)と田川郡香春町の境界にある山。
山名の由来は、大宰少弐に任ぜられこの地にやって来た藤原広嗣(?-740年)が、この山の頂上からの眺めを楽しんでいたところ急に空腹を訴え、里人が急いで食事を準備したという言い伝えにちなんだもの(のちに広嗣は大宰少弐への"左遷"を不服として朝廷に反乱を企てるが捕らえられ、肥前国唐津で処刑された)。別名を「大坂山」ともいう。
藤原広嗣が時の経つのを忘れて楽しんだ展望は、一部がアンテナに遮られてしまったものの、現在もなお健在。なだらかな草原の山頂からは、周防灘から平尾台、福智山地、田川盆地、古処・馬見山地、英彦山、犬ヶ岳などがぐるりと一望できる。
登山道は九州自然歩道となっており、北は香春町の呉貯水池から、南はみやこ町の県道204号線沿いから道が延びている。なお、九州自然歩道の表示は「大坂山(飯岳山)」となっている。

飯岳山には南北2つの登山道があるが、今回は南の旧・犀川町からのコースを往復することにした。
犀川の町から県道204号線を香春町方面へ向かう途中の峠に登山口があり、路肩に数台分の駐車スペースがある。
九州自然歩道の案内板を見て、植林帯の中につけられた道を上ってゆく。山頂までの距離は1.7km。
少し進むと、周囲は照葉樹の森に変わる。紅葉はないが木漏れ日が明るく、野鳥の声がにぎやかで気持ち良く歩ける。
登山道自体はほぼ直登の急坂だが、距離があまり長くないので無理せずのんびり行けばよい。地面が落ち葉で埋もれており、上りよりも下りに注意が必要。途中にはテーブルとベンチが置かれていた。
山頂の手前でトラバースして支尾根に移り、再び植林帯の中を上って稜線に出る。北の呉貯水池からのコースとここで合流し、アンテナのある(あ〜ぁ)方向に向かう。山頂まで残り200m。
途中には明治時代に建立された「飯嶽大神」の石祠があった。供え物はなぜか食塩。この神様は塩むすびがお好きなのだろうか。
山頂からは期待どおりの展望が広がっていたが、この時期の晴天の割に遠望がきかなかったのが残念。また、周囲の植林の丈が伸びてきており、今後が心配である。

山頂から、北側の眺め。周防灘の向こうの本州はぼんやりしてよく見えなかった。

山頂から、南側の眺め。上りの急坂で汗をかいたが、山上を吹き抜ける風は冷たく、すぐに体が冷えてしまった。