山名/標高 古祖母山(ふるそぼさん)/1633m
障子(しょうじ)岳/1703m
登山日・天候 2008年10月12日(日)・曇ときどき晴 
行程 尾平トンネル入口(07:45)〜古祖母山(09:30)〜第1展望台(09:55)〜障子岳(10:30-10:50)〜(折り返し)〜尾平トンネル入口(12:50)
祖母山と傾山をつなぐ全長約18kmに及ぶ縦走路の途中にある古祖母山は、縦走路のほぼ中間にある尾平越から比較的短時間で山頂に立つことができ、5月上旬は稜線上にアケボノツツジが大きなピンク色の花を咲かせることから登山者の人気が高い。
現在、祖母山頂に祀られている豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト=神武天皇の"祖母")は、最初こちらの山頂に降臨し、後にもっと標高の高い祖母山頂に移ったと伝えられている。これが山名の由来で、古祖母山頂には現在は祠の類は建てられていない。

祖母山の尾平登山口につながる県道7号線(緒方高千穂線)は、2007年の台風5号により尾平越トンネル下の道路が崩壊し通り抜けできなくなっているが、大分(豊後大野市)、宮崎(高千穂町)それぞれから登山口まではアクセス可能である。今回は、高千穂町から県道に入り、尾平越トンネル前の駐車場から登山を開始した。
トンネル前から稜線に上る道は、従来は大分県側にしかなかったようだが、一時トンネルが通行不能となっていたため宮崎県側にも道が造られたようである(数年前の登山地図には載っていない)。それなりに登山者が多いので、この急造?の道もよく踏まれ歩きやすくなっていたが、一部不明瞭な場所もあるので、テープなどの目印を見失わないように。
30分ほどの上りで稜線に出る。広々とした森で、木の間から遠くの景色が・・・見えない。
登山口付近にも薄く霧が流れていたが、稜線上は霧が深く、周囲の木々の先は何も見えなかった。ふもとは晴天で、大いに期待していたのに。
稜線上の道は古祖母山に向けて上り続けているが、最初はあまり急坂もなく歩きやすい。一部の葉が色づいていたが、紅葉のピークは1〜2週間先といったところ。
森の中に少し陽が差し込んできた。それまで前ばかり見て歩いていたが、霧が晴れてきたのかと視線を横にやると、木々の向こうに祖母山がぽっかり浮かんでいる。
山頂部だけ。その下は真っ白な雲海である。
慌ててカメラを取り出したが、木がじゃましてうまく写真が撮れない。
見晴らしの良い場所へ急げ!!
古祖母山まで行かなければと思っていたが、幸いにも数百m先に岩場があり、祖母山方面の展望が開けていた。雲海に浮かぶ荒々しい岩稜の中、ひときわ高く天を突く祖母山の背後には、こちらも雲海に浮かぶくじゅう連山がピークを連ねていた。
しばらく眺めを楽しんだ後、古祖母山への道に戻った。

雲海に浮かぶ祖母山(中央)。その右手奥にくじゅうの山々。
岩場の少し先に見えていた小高いピークが古祖母山かと思っていたが、さすが元・祖母山?だけあって、山頂までの道はそれほど楽ではなかった。登山道は次第に傾斜を強め、何度か巨岩を回り込んだ後、ハシゴとロープのかけられた岩場を乗り越す。これで終わりかと思ったら、山頂はさらにその先。
山頂の手前で道が分岐していた。展望地を経由する少し大回りのコースを取り、三等三角点の山頂に到着。途中の岩場の印象から、山頂は視界を遮るもののない岩峰かと期待していたが、北から西にかけては木々に遮られて見えなかった。先ほど立ち寄った展望地がちょうど逆の状態で、合わせて360度ということになる。

古祖母山展望地からの眺め。尾平に下る深い谷を覆っていた雲海は、もう消え失せようとしていた。

古祖母山頂からの眺め。朝もやに煙る大崩山地(左)と九州中央山地(右)を一望。
古祖母山から、稜線をさらに祖母山方面へと向かう。当初は祖母山まで往復する計画だったが、残り時間を見るとそこまでの余裕はなさそう。とりあえず行けるだけ行って折り返すことにした。
次のピーク、障子岳へは最初緩やかな下りで、鞍部を経て上りにかかるとスズタケがかぶり気味となる。途中に「第1展望台」の分岐があったので、立ち寄ってみた。高度感のある岩場で絶景だが、先端まで行くのはかなり度胸が要る。
障子岳山頂までにはその後「第2」「第3」の展望台もあったが、今回はパスした。
古祖母山から1時間で障子岳山頂。頂上付近は急坂だったが、遠目に見て心配していたほどの岩場や悪場はなかった。
ここで予定時間となったので、後ろ髪を引かれつつも来た道を引き返すことにした・・・結局時間に余裕を残したので、後にして思えば、せめて親父岳まで往復しておけば良かった。

障子岳から北側の眺め。祖母山の雲海は消え去ったが、阿蘇・くじゅうはまだ雲の上。
祖母山の右後方にポツンと浮かぶ点は、由布岳の山頂部か?

障子岳から東〜東南方向の眺め。こちらにはまだ雲が残っており、傾山(左奥)まで続く稜線をひときわ長大に見せる。
古祖母山(中央)の奥は、大崩山地。

障子岳から南〜南西方向の眺め。幾重にも折り重なって霞む九州中央山地では、本日山岳マラソンを実施中。
見晴らしが良ければ、市房山や霧島も見通せるだろうか。