山名/標高 茶臼(ちゃうす)山/349m
葉山(はやま)/323m
深切(ふかきり)山/317m
鷲頭(わしず)山/240m
登山日・天候 2009年1月10日(土)・晴ときどき曇(一時雪)
行程 大谷パーキング(10:15)〜茶臼山(11:00-11:10)〜茶臼別れ〜葉山(11:40)〜中宮別れ(11:45)〜深切山(11:55)〜降松神社中宮(12:15)〜鷲頭山・降松神社上宮(12:20)〜(折り返し)〜茶臼別れ(13:30)〜大谷パーキング(14:10)
全国に200以上あるといわれる「茶臼山」は、いずれもその山容が茶臼に似ていることに由来している。人の手が加えられた古墳であることも多く、山頂部が平らで末広がりの形から武将に好まれ、山城が築かれた場所も多い。
県内では柳井市や山口市に茶臼山の名を持つ古墳(山口市の茶臼山は通称)があるほか、下関市、萩市、防府市にある茶臼山は山城や台場が築かれた場所。下松市と光市の境にあるこの茶臼山も、南北朝期に合戦が行われた古戦場である。
登山道はいくつも開かれており、ハイキングコースとして周辺市民によく利用されている。また、1998(平成10)年の寅年には、東に延びる稜線上に縦走路が開かれ、烏帽子岳や虎ヶ岳への縦走コースも人気を集めている。

「降松(くだまつ)神社」は594(推古天皇3)年、鷲頭荘青柳浦の松の木に星が降臨したことを受け、北辰星(北極星)を祀る社として608(同17)年、建立された。当時は「妙見社」と呼ばれ、海に近い茶臼山の上に遷された時期もあったが、海上の船舶に祟りを及ぼしたので、現在の鷲頭山に遷されたとされる。明治3年に社号を降松神社に改称。鷲頭山山頂に上宮、中腹に中宮、麓に若宮を擁している。

国道188号線を下松から光方面へ。下松市内への分岐を過ぎて歩道橋をくぐるとすぐ右手に広い駐車場(大谷パーキング)がある。ここが茶臼山「東豊井コース」の出発点で、登山道は先ほど下をくぐり抜けた歩道橋から向かいの斜面へと続いている。
よく踏まれた道を少し上ると「茶臼山」の分岐標識。そこから尾根に出るまで、短いがやや急な上りとなる。
登山道の周囲は木々に囲まれて眺めは乏しいが、途中まで送電線が並行しており、鉄塔の周りだけは切り開かれて展望が得られる。
尾根道も眺めはないが、幅広く、起伏が緩やかで快適に歩ける。5〜6本目の鉄塔を過ぎると、鉄塔以外で唯一展望の開けた広場に出る。尾根道は歩きやすいが意外に距離が長く、小休止にちょうどいい場所である。

展望地から瀬戸内海を一望。正面に笠戸島が浮かぶ。
展望地を過ぎると間もなく登山道は鉄塔を離れ、北方の山頂へ向かって大きく左に曲がる。懸山からの登山道が合流し、山頂手前では烏帽子岳、虎ヶ岳への縦走路が分岐する(茶臼別れ)。
(左)は山頂手前にある四差路。特に標識はないが、正面の2つの道はどちらを通っても茶臼別れ手前で合流する。右の道はいきなりの急坂で左の道を選びたくなるが、右ルートの方が展望は良い。

茶臼別れ手前・右ルートからの眺め。右手のアンテナが立っている場所が懸山(260m)。
山頂には三等三角点や旧海軍の標柱(徳山要港境域標)のほか、光方面に向けてベンチも置かれている。
縦走路の先にある烏帽子岳、虎ヶ岳から視線を落とし、光の市街地から室積半島、梶取岬へと緩やかに弧を描く海岸線、そして雲間からの日差しを受けてキラキラ輝く海・・・
こんなパノラマを腰掛けて眺められるわけだが、この日の山頂は不安定な天候。晴れたかと思うと強風に導かれて内陸の雲が雪を伴って急に押し寄せてきたりする。
風を遮るほどの高木がない山頂は寒く、雪の合間に写真を撮って早々に樹林帯に避難した。
山頂から茶臼別れまで戻り、縦走路に入ってみた。そのうち虎ヶ岳まで縦走してみたいが、今回は縦走路の様子見として葉山まで、さらにコースを変え、降松神社の初詣を兼ねて鷲頭山までの縦走往復とした。
整備が行き届いた茶臼山の登山道に比べ、この縦走路は全般に道が細く、踏み跡が不明瞭な場所もある。テープ、標識を見落とさないように。
縦走路中の標識によると、茶臼山と烏帽子岳の間には14のピークがあるらしい。所々で開ける眺めを楽しみながらアップダウンを繰り返し、6つめか7つめにたどり着いたピークが四島三角点の立つ葉山山頂。
その先、ロープのつけられた急坂を下ると道が二手に分かれる。「中宮別れ」の標識がかけられた分岐を左(北)に分かれ、葉山の山腹を巻くようにして北西へ延びる尾根道に合流し、鷲頭山方面へ緩やかに下ってゆく。
道ばたの木に「深切山1分」の標識があり踏み跡が分かれていたので、寄り道してみた。
登山道はU字型に大きく曲がり、いつの間にか茶臼山よりも北に移動していたので、見える景色も少し変わってきた。四等三角点の深切山山頂からは徳山の街が遠望できる。
元々緩やかな下りだった鷲頭山への道は、この分岐からいちだんと下りはじめた。行きは楽だが、帰りは少し辛かった。
道の右手に造林業者の作業小屋が見えると、中宮は近い。この小屋の前を道なりに下ればすぐに降松神社若宮からの上り道と合流するが、小屋のすぐ前を通った方が少し近道となる。
鳥居をくぐり、石段を上ると中宮に出る。拝殿からは海側の展望が開け、笠戸島が見える。
上宮のある鷹頭山山頂への道は拝殿の裏に続いている。正面からはよく見えなかった立派な本殿の脇を通り抜け、丈の低い鳥居をくぐって少し上ると上宮の祠。山頂の標識類はない。祠の裏には三角点ならぬ神石があり、賽銭が供えられていた。