山名/標高 小川(おがわ)岳/1542m
登山日・天候 2009年10月11日(日)・晴ときどき曇
行程 登山口(09:00)〜山想の泉〜稜線出合(09:30)〜山頂(10:10-10:25)〜(折り返し)〜稜線出合(11:20-11:35)〜登山口(12:05)

(清流館から登山口までは,徒歩片道約1時間)

緑仙峡から小川岳山頂まで,トレイルラン大会では舞岳集落からの登山道が利用されているが,地形図を見ると舞岳手前の赤木集落付近から,小川岳と黒峰の間の稜線につながる点線が描かれている。ランナーの邪魔にならないように,今回はこの点線を利用して小川岳に登り,時間があれば黒峰にも足を延ばすという計画で,6時30分に緑仙峡フィッシングパーク「清流館」前を出発した。
舗装された林道を舞岳方面に進み,赤木集落の先で予定どおり登山道の分岐を発見・・・??標柱には「十八の岳登山道入口」とある。地図上にもなく,聞いたこともない山名だが,とりあえず入ってみることにした。
道の先には栗園があり,車も入るようでしっかり舗装されている。途中の分岐点には,草に埋もれているが再び「十八の岳」の標柱があり,少なくともその山に導いてくれることは間違いなさそうである。
舗装された道をひたすら上ると,道はくねくねと曲がりながら稜線に近づいていく?いや,何か変だ。地形図の点線はほぼ直線なのに,道が曲がりすぎる。
不審に思いながらもそのまま歩き続けると,やがて舗装が途切れ,大規模な伐採跡地に出る。道はここでさらに枝分かれしているが,全て行き止まりで,切株の間にも踏み跡らしきものは残っていない。「十八の岳」も見あたらなかった。
伐採地だけに展望は良かったが,完全な徒労である。急いで林道の分岐まで引き返した。約1時間の寄り道。
トレイルランはとっくにスタート(7時)し,これから同じコースを歩いて小川岳に登っても何の影響もない。舗装路に戻り,舞岳方面に向かった。
舞岳集落の案内標識の近くで,またも「十八の岳」を発見。いったい何だこれは!?
山の神の祠の先で道路が左に大きくカーブしており,そこが登山道の分岐である。奥に民家があり,一般車も途中まで乗り入れることができるが,駐車スペースはわずか。下山時には満車となっていた。
登山道は黄金色に実った稲穂の脇を抜けて,植林帯をジグザグに上ってゆく。踏み跡は一部不明瞭で,標識の類も少ないが,数mおきに枝や幹にテープが巻かれており,これが頼りになる。
小川岳の登山道は,農道から次第に細くなり稜線に達するこの取りつき部分がいちばん判りにくく,歩きにくいように思う。下山時にここで道を間違いかけてしまった。
道端に「山想の泉」の標識を見つけた。登山道を離れ数十m下ったところに水場があり,苔生した倒木や岩の間からコポコポと音を立てて水が湧き出している。これが熊本市内に注ぐ一級河川「緑川」の源流。
標識まで戻り,わずかの上りで標識の立てられた広場に到着,小川岳へは右寄りの上りをゆく。
この広場が実は稜線との合流点で,逆方向には黒峰への縦走路も続いていたのだが,往路では全く気づかなかった。
稜線に出てからの方がむしろ上りはきつくなり,道も最初は広々としていたがすぐに狭く荒れ気味となってきた。「稜線に出たら道幅広く緩やかな上りになる」という思いこみがあり,まだか,まだかと思いながら狭い稜線を歩いていたのであった。
周囲はブナ,ナラが多く,巨木も目立つ。一部で紅葉がはじまっていた。

小川岳の展望は,山頂も含めあまり良くない。稜線の一部で祖母・傾から大崩にかけての稜線(左)と,阿蘇山(右)が望める程度。
山頂までの残り距離を示す標識から,どうやら稜線に入ったらしいと気づいた。上りも幾分緩やかになり,薄暗い岩場から広いブナ林に出るとすぐに二等三角点の山頂広場。
周囲の展望はないが,ブナの巨木に囲まれた居心地の良い場所である。紅葉はここもはじまりかけた程度。
トレイルランのスタッフと,参加者が2名(リタイア?)残っていた。
来た道を引き返し,ようやくそれと気づいた稜線の合流点から,黒峰方面の縦走路に少し踏み込んでみた。
こちらも道は荒れ気味だが,テープの目印が点々とつけられており,なんとか進めそうな様子。また機会を見て踏査できれば,と思う。
地図上では,この稜線に例の「十八の岳」登山道が合流することになっているのだが・・・?