山名/標高 陣馬(じんば)山/857m
景信(かげのぶ)山/727m
小仏(こぼとけ)城山/670m
高尾(たかお)山/599m
登山日・天候 2009年11月1日(日)・晴
行程 JR藤野駅(07:35)〜陣馬登山口バス停(08:00)〜栃谷尾根〜陣馬山(09:15-09:30)〜明王峠(09:55)〜景信山(10:40-10:50)〜小仏峠(11:05)〜小仏城山(11:15)〜一丁平園地(11:35)〜高尾山(11:55)〜薬王院(12:15)〜自然研究1号路〜京王高尾山口駅(13:05)
高尾山公式ホームページ / 高尾山薬王院公式ホームページ

JR中央本線・藤野駅 所用で東京に来たついでに,高尾山に登ってみることにした。
日曜日に1日かけて陣馬山から高尾山まで縦走する計画を立て,6時30分の快速で新宿駅を出発。車内には多くの登山者(のような格好の人)がいたが,ほとんどは高尾駅で降りてしまい,陣馬登山口に近い藤野駅に降り立った登山者は,自分以外に見あたらなかった。
藤野駅前は閑散としており,登山口を示す案内板もない。登山口の近くにある陣谷温泉へは旅館が運行する定期バスがあるようだが,まだ動いていなかった。とりあえず地図を片手に温泉方面へ歩いてゆくことにした。
線路沿いに八王子方面へ少し戻り,踏切を渡って中央自動車道のガード下から続くトンネルをくぐり,車道を北上する。休日の早朝で人影は少なく,車の往来もわずか。足早に歩き30分弱で「陣馬登山口」バス停に到着。登山口標識を見て右手の林道(舗装路)に入り,陣馬温泉へ続く上り坂を進む。
15分ほどで道端に分岐標識。陣谷温泉方面へ直進すると「ナラコ(奈良子)尾根」を経て山頂まで1時間55分,鋭角に折れ曲がり,さらに上り坂をゆくと「栃谷尾根」経由で1時間20分。今回は栃谷尾根コースを選んだ。
林道に入ってからずっと続いてきた上り坂は,栃谷尾根方面に入るとさらに傾斜の強いつづら折りとなる。谷間を抜けときどき展望が開けるようになり,遠くに雪を被った富士山が見えることも。薄曇りだった空は回復の兆しを見せ,陣馬山頂からの絶景に期待が高まる。
もうそろそろ登山道に変わるのでは・・・?と思いはじめた頃,目の前に忽然と集落が現れた。道端に立つ「陣馬山」の標識が示す先は,家と家の間の細い上り坂。
庭先につながれた犬の盛大な挨拶を受けつつ集落を抜けると,道はようやく舗装を解かれ茶畑を横切る地道となる。道は山林の中に続き,その先は見えない。いよいよ登山道らしくなってきた。


茶畑から望む富士山(右)。左の山は丹沢辺り??
すでに500m近くまで標高を稼いできたので,尾根の上りは比較的緩やか。他の登山者にもほとんど会うことなく,陣馬山頂まで淡々と上っていった。
山頂手前で,高尾山に続く縦走路と合流。奈良子尾根から上ってきた場合も,この縦走路を経由することになる。静かだった栃谷尾根に比べ,こちらの縦走路には早くも登山者やトレイルランナーが頻繁に行き来していた。
白馬の像が建つ陣馬山頂。1950年代に京王電鉄がこの像を建立するのに併せ「陣場山」の山頂一帯を「陣馬高原」と命名した。以来「陣馬山」表記が定着し,現在に至る。
高木がなく広々とした山頂からの展望は360度。南の丹沢山地から北の奥多摩,秩父の山々まで見渡せるのだろうか・・・残念ながら富士山以外は判別がつかなかった。
陣馬山頂を後にし,高尾山へ続く縦走路へ。同じ方向に行く人,反対から来る人,ひっきりなしである。ときどきランナーも走ってくる。道幅が広く起伏が比較的少ないので,トレイルランニングにも向いている。
天気は回復し,木々に囲まれた縦走路に木漏れ日が差し込んできた。明王峠を経て景信山までの距離は長いが,気分良くハイペースで歩いていけた。
茶店のなめこ汁 250円 景信山山頂は大勢の登山者で賑わっていた。陣馬山や明王峠の茶店は準備中という感じだったが,こちらは忙しく営業中。取れたての販売もしている名物のなめこ汁を注文した。傘が広く,食べごたえがある。
「これからどっちへ行く?」と茶店の親父。高尾山へというと,「あっちは人が多い,原宿並みだよ」とにやり。冗談かと思ったら,行ってみて事実と知った。
それにしても,こっちが高尾山ビギナーだとよく判ったな,親父・・・。
景信山から滑りやすい急斜面を15分ほど下ると小仏峠。中央自動車道の渋滞名所「小仏トンネル」が下を通る。
急坂を上り返して,見晴らしの良い小仏城山へ。ここからは南の相模湖方面に下り,JR相模湖駅前に出ることも可能。高尾山の喧噪を避けてこちらに下るのも良さそう。他に南東の津久井湖まで延びる長い尾根道もある。

高尾山に近づくにつれ,登山者はどんどん増えてゆく。そして,山頂に着くと,登山者の数は"割合としては"少なくなった。
ハイキング未満の服装の観光客だらけ。michelin効果か,外国人も多い。確かに原宿,いや,年齢層は上野公園に近いか。
二等三角点がどこかにあるらしいが探す気力も失い,自然研究1号路の雑踏をすり抜けながら下山の途についた。
京王線・高尾山口駅 自然研究路も,ルートを選べば自然林の中を行く登山者向けの道もあったようだが,1号路は薬王院やケーブルカー乗り場を経由するメインルートで全て舗装されており,傾斜を除けば登山道と呼べるような道ではない。しかし,途中で買ったお焼きをかじりながら歩いているうちに,どうでも良くなってしまった。
麓の駅から電車で1時間。都心に帰ると,高尾山はやはりのどかでいいなぁと思えてしまう都会のオアシスであった。