山名/標高 九重(くじゅう)山
 久住(くじゅう)山/1787m
 稲星(いなほし)山/1774m
 中岳(なかだけ)/1791m
 天狗ヶ城(てんぐがじょう)/1780m
 星生(ほっしょう)山/1762m
 三俣(みまた)山/1745m
登山日・天候 2010年6月5日(土)・晴
行程 赤川登山口(06:40)〜猪鹿狼寺本堂跡(07:05)〜久住山(08:30-08:35)〜稲星山(08:55)〜中岳(09:15-09:25)〜天狗ヶ城(09:35)〜久住分れ(09:55)〜星生山(10:25-10:30)〜(折り返し)〜久住分れ(10:55)〜北千里浜〜すがもり越(11:30)〜西峰(12:00-12:05)〜四峰(12:20)〜三俣山本峰(12:25-12:30)〜北峰(13:05)〜雨ヶ池分岐(13:20)〜坊がつる〜法華院温泉(14:30-14:45)〜鉾立峠(15:00)〜佐渡窪〜鍋割峠(15:25)〜くたみ岐れ(15:50)〜沢水登山口(16:05)〜沢水キャンプ場(16:20)

翌日の山開きを控え,相当の混雑が予想される九重町側の登山口を避け,久住高原から出入りすることにした。長者原や牧ノ戸の定番コースに比べ静かで落ち着いた山行が楽しめるので,最近はこちらから登ることが多くなった。
赤川温泉手前の登山者用駐車場から少し車道を下り,ゲートで閉ざされた林道に入る。5分程度で道路脇(左カーブの手前)に入口標識が現れるので,ここから登山道に入る。
登山道(登山歩道)はやや下り気味に樹林帯を横切り,やがて国道442号線沿いを起点とする南登山道に合流する。ちなみに南登山道の起点からこの合流点までは約3km。
合流点から少し上ると,かつての猪鹿狼寺(いからじ)本堂跡。805(延暦24)年に大和山茲尊院として最澄が開基し,のち1193(建久4)年に源頼朝の家臣,梶原景高,新田忠常が久住高原で巻狩りの演習を行った後,獣の供養のため多大の寄進をしたことから「猪鹿狼寺」と呼ばれるようになったと伝えられる。
猪鹿狼寺跡から先の登山道は次第に傾斜を強め,自然林の中をジグザグに上ってゆく急登となる。通称「七曲り」と呼ばれるこの難所を抜けると高木もなくなり,前方に久住山,背後に久住高原を望む見晴らしの良い道に変わる。相変わらず急坂だが,好展望に気を紛らわせつつ高度を稼ぐ。
樹林帯を離れてから,ミヤマキリシマの花も目につきはじめた。今年は開花が遅れ,くじゅうの山々では中腹あたり(標高1400m前後)が見ごろを迎えたところだった。
久住山が見えはじめたのはいいが,そこからなかなか近づいてくれない。黙々と上り続けてようやく稲星山との鞍部に到着し,さらに記憶の3倍は長く感じる上りを歩いて山頂へたどり着いた。
早朝から多くの登山者で賑わい,さらに久住分れからは続々と人の列が山頂を目指してくる。写真を撮って早々に稲星山へ。さらに中岳・天狗ヶ城を経て星生山へ向かった。

稲星山山頂

中岳(右手前)と天狗ヶ城(左奥)

天狗ヶ城から望む星生山
久住分れから望むと,星生崎の岩峰が大きくそそり立ち,とても山頂まで30分で行ける(過去の記録)ような気がしないが,取りついてみると意外に上りやすく,星生崎からは岩場伝いにいくつもつけられた踏み跡をたどって,先例どおりの30分で山頂に到着した。
星生山は,西千里から寄り道する登山者が多いようで予想以上に混雑していた。折り返して久住分れへの下り道では,早くも渋滞がはじまっていた。

星生山山頂から南側の眺め。西千里を蟻の行列のように登山者が進んでいく。
昼が近くなり,西千里からも北千里からも,久住山頂を目指す団体ツアーが続々と歩いてきた。この時期,早朝から登山者が多いといっても,昼ごろの喧噪と比べればまだまだ静かな方なのだ。
北千里浜に下る途中には,見事なバランスで積み上げられたケルンがあった(右)。接着剤は使っていないだろうから,いずれ強風や雨で崩れてしまうのだろう。
すがもり小屋で一休みした後,三俣山西峰へ上る。久住山やその周辺に比べると登山者は少なく,加えて西峰,本峰は山頂が広々としているので混雑がなく,ゆったり休むことができた。
西峰〜四峰〜本峰を回り,少し休んで北峰へ。南峰のピークは今回も踏めなかったが,遠目にはかなりの登山者で賑わっているように見えた。

西峰から四峰への上り

四峰から望む南峰

本峰から望む大鍋と北峰

本峰から南〜西にかけての眺め。湧蓋山の向こうに,雲仙かと思われる高峰が霞んでいた。
本峰から大鍋へと下る急斜面にはシャクナゲが自生し,多くの花を咲かせていた。普段より2週間くらい遅れているのではないだろうか。
開けた場所から見ると,本峰の北側(大鍋に向かう)斜面にはシャクナゲの花が点々と並んでいた。
(左)本峰〜北峰鞍部から長者原方面を見下ろす。真下の指山はミヤマキリシマがほぼ満開で,ピンクの絨毯の間を多くの登山者が行き来していた。

北峰からは小鍋方面に尾根を伝い,雨ヶ池分岐から北側斜面を下る。本日の山登りはこれで終わり,あとは登山口まで歩いて下るだけ(?)である。

北峰からの急斜面を下った後は,相変わらず踏み跡が錯綜しており,ルートも一通りではない。今回も似たようなヤブをかき分けながら,昨年通った池を見ることなく,雨ヶ池よりかなり坊がつる寄りのちょうど距離表示がある場所に飛び出した。
坊がつるへ下る道も,以前とは少し変わっていた。考えてみれば,この道を歩いたのは2年ぶりである。

野営場には早くもテントが並んでいた。

法華院温泉で最後の大休止。

鉾立峠から望む三俣山
標高1360mの鉾立峠では,ミヤマキリシマが見ごろを迎えていた。イワカガミも多く,2種類のピンクの花が混じり合って咲いている様は圧巻であった。
鉾立峠からの下りは石がゴロゴロした歩きにくい道で,足下を気にしながらしばらく樹林帯を進むと急に視界が開け,佐渡窪と呼ばれる平坦な草地に出る。ここは雨が降ると広い水溜まりになるらしく,木道や迂回路が設けられていた。その先,鍋割峠を越えて再び石ゴロゴロの急坂を下る。
くたみ岐れから沢水キャンプ場方面へはコンクリート舗装の遊歩道に変わるが,アップダウンが激しく決して歩きやすくはない。薄暗い樹林帯を延々と上り下りした後,ようやく沢水・・・と思ったら,そこはキャンプ場から1kmほど離れた登山口(展望台)。さらに舗装路と草原を下り,キャンプ場に到着。かなり疲れたが,くじゅうの大周回コースは9時間40分で無事終了した。