山名/標高 岩石山(がんじゃくさん)/446m
登山日・天候 2010年11月4日(木)・晴
行程 添田公園駐車場(13:05)〜人面岩参道入口(13:15)〜三の滝(13:25)〜奥の院(13:45)〜山頂(13:55)〜国見岩(13:55-14:05)〜添田公園駐車場(14:40)
田川郡添田町と赤村の境界にあり,その名のとおり山中に岩の多い岩石山には,平安末期から戦国時代にかけて「岩石城」という山城が築かれていた。山頂付近には往時を偲ばせる本丸跡や柱の跡(柱穴),古井戸,石垣などが今も残されている。
登山道は添田町と赤村にそれぞれ開かれているが,山麓に公園(添田公園)が整備され,「滝コース」「中央コース」「奥の院コース」「鷲越コース」の4通りのルートが開かれている添田町側がよく利用される。

予想外に早く英彦山から下山したので,帰り道の途中にある岩石山にも立ち寄ってみた。上りは「滝コース」を利用。
添田公園の駐車場から岩石山(添田神社)に向かって左の道に入り,住宅地の間をしばらく進むと,山側に分かれた小道の先に「人面岩参道」「岩石山登山口」の標識が立つ。この標識からさらに細い道に入り民家の前を抜けると,すぐによく踏まれた広い登山道に変わるので,そのまま緩やかな上りをゆく。
登山口から5分ほどで大岩と祠の前に出る。よく分からないまま10mほど先に進むと「人面岩を見る位置」の看板が立っていた。ここから件の大岩を眺めるが・・・どこが人面なのか判然としない。すっきりしないまま先へ進むと,また5分ほどで「三の滝」前に出る。滝といっても,岩の上から顔を洗えるくらいの水がチョロチョロと流れ落ちている状態だった。滝の前には石仏やお通夜道があり,小さいながらも信仰を集めているようである。
石仏の隣にある急坂から三の滝上部に出て少し進むと,さらに水量の少ない二の滝が現れる。ここからは山頂への直登コースが分かれているらしいが,今回は山腹をトラバースし中央コースとの合流点へ向かった。
上るにつれて道が不明瞭になってきた滝コースからは一転,中央コースは整備されよく踏まれた直登路で,山頂まで迷いようのない一本道。途中の距離表示によると登山口から山頂まで1050mとのことで,健康のため日々登っている人も多いそうである。
急な登山道が階段に変わり,見上げると白山神社奥の院の鳥居。祠の周辺は広場になっており,西側の展望が開けている。
広場の片隅には屋根付きの休憩所があり,町民の憩いの山となっていることがうかがい知れる。

奥の院からは,眼下に添田の町,その背後に英彦山から馬見・古処山地,三郡山地へと稜線が連なる。
山頂は展望がほとんどないので,大休止を取るならここが最適である。
奥の院から山頂への上りの途中には,かつてここにあった山城の柱を立てた「柱穴」の跡が残されている。山中には他にも四角い穴(50〜60センチ四方)がいくつか開いていたが,特に説明もなく正体は不明だった。
山頂は木々に囲まれ展望はない。中央にはまだ築年の浅そうな展望台が建てられていたが,上ってみても木の間から英彦山をのぞき見るのがやっと。実にもったいない。
山頂からさらに先に進むと,国見岩,獅子岩,梵字岩の案内板が立つ展望地に出る。案内板の隣が獅子岩らしい(何となく獅子の頭に見えた)。
その名のとおり梵字が彫られた梵字岩は,大人一人が通れるくらいの隙間に潜り込み,上から身を乗りだすと,北側の展望が得られる。
「分県登山ガイド福岡県の山」(1999年第五版)に載っている写真からは,とんでもなく険しい場所のように見えた梵字岩は,実際は地面に近く足場も安定しており,程よい高度感とともに眺めを楽しむことができた。

梵字岩からは,福智山地,香春岳,障子ヶ岳,飯岳山(大坂山)などが一望できる。
周防灘は霞んで,本州方面はよく見えなかった。午前中よりも遠望はきかなくなってきたのか。
帰路は国見岩から山頂をパスして「柱穴」に出る迂回路を通り,奥の院から中央コースをそのまま下った。
いったん舗装路に出て,すぐ右手の展望台のある小ピークに上り,岩石山の全景を眺めた後そのまま遊歩道を下ると,城郭を模したふれあいの館「そえだジョイ」の脇に出る。舗装路を下ると右手に添田神社の社殿。正面の大きな山門をくぐって,元の駐車場に到着。