山名/標高 由布(ゆふ)岳/1584m
日向(ひゅうが)岳/1088m
登山日・天候 2010年11月20日(土)・晴ときどき曇 
行程 猪の瀬戸登山口(07:10)〜日向越(07:35-07:40)〜東峰(08:40-08:45)〜マタエ(08:55)〜西峰(09:10)〜マタエ(09:25)〜合野越(10:05)〜日向自然観察路分岐(10:20)〜日向岳(11:00)〜猪ノ瀬戸登山口(11:35)

由布岳東峰に直登する東登山道の起点は,鶴見岳との鞍部にあたる「猪の瀬戸(いのせど)」と呼ばれる場所で,塚原高原からは大分道の高架をくぐり市道をほぼ上りきったところ。正面登山口が別府市に属するのに対し,こちらは由布市である。駐車場はないので路肩の空きスペースに車を駐めることとなる。なお,ここからは鶴見岳への登山道も開かれている。
登山口には案内看板のほかトイレ,休憩所,登山届ボックスが設けられている。登山道は広いが,地面は落ち葉に埋もれて見えない。石が転がっていることもあるので足下に注意しつつ上を目指す。雲ひとつない青空で好展望が期待できそう。
25分ほど上ると,正面からの自然観察路と合流する日向越。日向岳はすぐそばだが,下山時に立ち寄ることにして,まずは東峰へ。
過去に2度歩いた東登山道には「ひたすら岩場を登る」というイメージが強かったが,実際は岩場にたどり着くまでの上りの方がずっと長い。これまでは天気に恵まれなかったので実感できなかったが,岩場に取りついてみると山頂は指呼の間で,岩登りの時間も過去の記憶ほどには長く感じなかった。
先週の津波戸山と違い,由布岳の岩場には人が削った「足置き場」がないのでバランスが取りにくい。下りに使う場合は特に注意が必要。
岩場の途中で振り返ると,鶴見岳から内山にかけての山塊が一望のもと。別府の街や城島高原を覆い隠していた雲が次第にせり上がり,鶴見岳山頂にもガスがかかりはじめていた。先を急ごう!
お鉢の縁に出ると,西峰にはすでに数名が登頂しているのが見えた。
晴れた日に山頂に立つのは初めてなので,周囲の眺めはもちろん,西峰から一気に下るお鉢巡りのルートもはっきり確認できた。
この日の一番乗りか?誰もいない東峰山頂に到着。落雷を受けて傷んだ標識(左画像:2007年9月)は新しく立て直されていた。
東峰から南を望むと,彼方まで続く雲海の先に,くじゅうと祖母山が島のように浮かんでいた。
(左)東峰山頂から再度鶴見岳を望む。雲海がさらに広がり,標高1375mも海面下に沈みつつあった。
マタエに下り,短いが恐怖感満点の鎖場(タテバイ+ヨコバイ)を越えて西峰山頂へ到着。東峰から見えた登山者は全員立ち去った後で,こちらも貸し切り状態だった。お鉢巡りに進みたい気もしたが,ガスが山頂まで達しそうな勢いを見せてきたので,次回のお楽しみとすることにした。

マタエまで戻り,正面登山道を下る。ジグザグにつけられた道は,東登山道に比べ傾斜が緩やかで歩きやすい反面,距離が長くなり単調で面白味に欠ける。ガスで下界の景色がほとんど見えないときはなおさらである。続々と上ってくる登山者と一緒にガスも高度を上げてゆき,一時は山頂部を完全に覆っていたが長続きはせず,下山する頃にはすっきり晴れて見晴らしが良くなっていた。
樹林帯をほぼ下りきり,草原の少し手前から「日向自然観察路」の分岐に入る。この道も落ち葉に埋もれているが,木の幹にたくさんついている目印を辿っていけば迷う心配はない。過去にこの道を歩いたときの記憶が乏しく,山腹をぐるりと回る平坦な道くらいに思っていたのだが,実は日向岳までほとんど上りの続くルートであった。目印のテープは視線の上へ上へと続き,何度か谷を渡ってようやく日向岳との分岐に出た。
あまり踏み跡のはっきりしない樹林の中,目印伝いに上ってゆくと10分足らずで日向岳山頂に到着。「展望所」の名ほどには展望のない場所だが,この時期は葉が落ちた木々の向こうに由布岳のシルエットを見ることができた。