山名/標高 千石(せんごく)岳/630m
登山日・天候 2011年12月13日(火)・晴のち曇
行程 三汲寺(09:45)〜巡拝路入口(10:00)〜第16番石仏(10:15)〜西迫上集会所(10:20)〜千石林道登山口(10:40)〜東の岳・山頂(11:00-11:10)〜西の岳(11:25)〜西光庵跡(12:00)〜三汲寺(12:15)
千石岳は周南市(旧新南陽市)と山口市(旧徳地町)の境界に位置するトロイデ式火山の独立峰で,山頂部は東西2つのピークに分かれている。周南市合併前は,新南陽市の最高峰であった。古くから山の斜面を利用した段々畑による耕作が盛んに行われ,山腹から山麓にかけて穀物千石を収穫できるといわれていた。山名もこれに由来する。
文政年間(1818〜1829)に,越丈(または悦浄)という僧が地元の人々と協力し,千石岳周辺に八十八ヶ所霊場を開いた。これは,南麓の三汲寺を出発し尾根伝いに山頂(東の岳・西の岳)を踏んで下山する周回登山コースとして現在も利用されており,石仏もほぼ完全な形で残っている。各々の台座の下には四国八十八ヶ所各寺の土が埋められているという。4月21日と8月21日には地元の人々によりお接待が行われるとのこと。
近年,山の中腹を林道が横切り,巡拝路と林道の交差する地点に駐車場やトイレが設置された。この新登山口からは30分程度で山頂に立つことができるようになったが,時間に余裕があれば昔ながらの巡拝路を歩くことをおすすめする。

国道376号線を徳地から島地川ダム方面へ進み,高瀬地区に入ると道が大きく右にカーブする。左に県道が分かれ,最短ルートとなる千石林道へと続いているが,巡拝路を歩く場合は国道をそのままダム方面へ少し上り,左手の高台に建つ三汲寺(第1番札所)前の駐車場から出発する。
国道を引き返し県道分岐を右折,「鹿野10km」の標識を再度右折し,熊坂峠に続く細い道に入ると,路傍に「千石岳登山道 ←5.3km 4.1km→」の古びた標柱が立っている。今回は右の4.1kmコースから上ることにした。
少し進むと左の水路に小さなセメント橋が架かっている。特に標識はないが,水路の向こうに続く踏み跡が巡拝路である。細いがしっかりした踏み跡を辿り尾根に出て,道端に佇む石仏を数えながら急坂を上る。
ほとんどの石仏は小ぶりだが,第16番は大きなもので祠に納められている。
第16番を過ぎるといったん農道に合流し,茶畑の中を道なりに進むと今度はT字型に車道と合流する(@)。
右折して少し進むと西迫上集落に出て,Y字型の分岐を左に入る(A)。すぐに道路右手に登山口標示が現れるので,これに従い右の地道へ(B)。
茶畑を抜けて山林に入り,尾根の上りとなる。石仏を数えながらまっすぐ上ってゆくと,やがて千石林道との交差点に出る。

尾根道に佇む石仏は,いずれも素朴な造りで里山の風景によく溶け込み,心を和ませる。
駐車場とトイレが整備された千石林道から山頂までは,薄暗い樹林帯の急登となる。巡拝路コースの中で最もきつい部分であり,林道登山口から上りはじめた場合は,そのきつい上りをひたすら歩いて山頂にたどり着いただけ(そのまま折り返して下山),いう味気ない山行になってしまいがちである。
この山の魅力は巡拝路にあるので,ピークを踏むことだけを目的にするのでなければ,少し時間をとって(3〜4時間あれば充分)麓から登ることをおすすめする。
山頂(東の岳)には二等三角点と石祠,少し離れた場所に東屋とアンテナ施設がある。東から南にかけて眺めが良く,見える山の名を記した展望案内図も置かれている。
巡拝路はこの先西の岳に続いているが,道がやや荒れ気味となるので注意。山頂から西の稜線に入り,石仏を見ながら上り下りを繰り返す。

山頂からの眺め。(東〜南西)
(左)第70番の石仏が祀られた西の岳山頂(574m)は樹林帯に囲まれ展望は全くない。
西の岳からは急な下りとなり,石仏を見ながら一気に降下,千石林道を横切ってさらに尾根を下り,車道を見下ろす開けた斜面に出る。
下に見えるこの道路は最近付け替えられた市道で,こちらを下って三汲寺に帰る場合,旧道側に置かれた石仏をいくつか見落としてしまうこととなる。巡拝にこだわる場合は斜面を下りずに旧道へ出る(と思われる)谷筋を下るか,新道をいったん下った後,旧道との合流点から少し引き返す必要がある。
いずれにせよ,巡拝路の最後に立ち寄るのは第87番「西光庵跡」(右)で,88番は登山コースから少し離れた場所にあるらしい。