山名/標高 金峰山(みたけさん)/790m
登山日・天候 2011年12月20日(火)・晴
行程 向道湖ふれあいの家(09:45)〜(正面コース)〜最後の水汲場(10:10)〜思い出の丘(10:20)〜一の岳(10:35)〜二の岳・山頂(10:45-11:15)〜(中電巡視路コース)〜向道湖ふれあいの家(12:05)

山口市・荷卸峠から遠望。(2011.01)
金峰山と書いて「みたけさん」と表音し,東麓にも金峰=みたけの地名がある。
旧徳山市と鹿野町の境界にあり,大山青野火山群に属するトロイデ型休火山。遠くの山からもよく目に付くすっきりした山容で,山頂部は3つのピークが並んでいる。南側から一の岳・二の岳・三の岳と呼ぶのが一般的だが,金峰地区ではこの順序が異なり,南から二の岳・三の岳・一の岳となる(以後は一般的標記に従う)。中央の二の岳が最高地点となり,二等三角点が置かれている。周南市合併前は,徳山市の最高峰であった。
古くは「カルサ」と呼ばれていたが,728(神亀5)年に大和国吉野の金峰山(きんぷせん)から蔵王権現を勧進してのち現在の山名に変わったとされる。徳山藩政時代は,東の大華山,西の四熊ヶ岳,北の金峰山が領地の守護神とされ,信仰をあつめていた。三の岳の中腹に「権現岩」と呼ばれる巨岩があり,かつてはここに蔵王権現の社が鎮座していた(現在は金峰集落に遷されている)。
登山道は,西麓の大向地区から3コース,鹿野・金峰地区からそれぞれ1コース開かれており,大向からの通称「正面コース」が一般的によく利用されている。アンテナや反射板が立ち並ぶ二の岳山頂はやや趣に欠けるが,周囲が切り開かれており明るく展望に優れ,登山者の人気は高い。

変わった呼び名も,特徴ある山容もよく知っていたが,いままで登る機会がなかった金峰山を訪れた。
上りの登山道は,最もよく利用されているという「正面コース」。国道315号線を鹿野から徳山市街方面へ進み,大向小学校手前の三叉路を左折して橋を渡る(県道179号線)。橋を渡るとすぐ左手に登山道の案内板が出てくるが,いったん通過してその先を右折,「向道湖ふれあいの家」手前の広場に車を駐めて登山開始。
正面コースは,案内板の前から細い市道に入り,川伝いに岳(嶽)集落へと進む。この日は早朝からよく晴れたぶん冷え込みが厳しく,午前9時を過ぎても陽の差さない場所には一面に霜が残り,気温も2〜3℃くらい。
最後の水汲場 岳集落から金峰山中腹にかけては林道工事が進み,以前のガイドブックと様子が変わっていた。
市道の途中に立っている登山口の標示に従い,広い空き地から民家の脇を抜け,直登の林道に入りそのまま道なりに進むと,「最後の水汲場」の標示が立つ湧き水の前に出る。ここからさらに数百mで登山口の標示があり,右手に分岐して植林帯の中に続いている踏み跡を辿る。
薄暗い植林帯を上ってゆき,「思い出の丘」の標示が立つ明るい尾根に出る。かつては「思い出」に残るような素晴らしい眺めだったか。現在は周囲の木々が伸びてほとんど展望はないが,ここまで谷間の寒い道を歩いてきた身には,日当たりがよく暖かい場所として強く印象に残った。
尾根筋を少し上ると,登山道は山腹を横切るように再び樹林帯に入ってしまう。その後主尾根に合流すると右へ鋭角に曲がり,少し上ると樹林帯を抜け,一の岳山頂に到着。鉄塔越しににそびえる隣の二の岳へ向かう。
向道湖と徳山湾 鞍部から二の岳への上り返しはかなりの急坂だが,斜面にプラスチック階段がつけられており,地面が滑りやすいときには重宝する。
二等三角点の置かれた二の岳山頂からは,アンテナや三の岳方面の木々が視界を遮るが,場所を変えながら概ね300度くらいの展望が楽しめた。南には向道湖と徳山湾が望まれ,見通しの良い日は九州や四国方面も見えそうな気がする。

南西から北にかけての眺め。
山頂で休憩後,三の岳はパスして下山することにした。来た道を引き返し,一の岳との鞍部から「明神の藪コース」と「中電巡視路コース」がそれぞれ分岐しているが,明神の藪コースは雪が多く残っており踏み跡がはっきりしないので,中電巡視路を下ることにした。
二の岳から下ると,左手にすぐそれと分かる踏み跡が分岐している。少し進むとすぐに急な下りとなり,地面に挿されたプラスチック階段を辿ってどんどん高度を下げてゆく。急坂が終わると次は植林帯の中のやや不明瞭な踏み跡を下り,林道終点の駐車スペースに出る。
ここからは林道伝いに大向集落へ下ってゆくことになるが,途中で林道が大きく左にカーブしている場所で直進すると山道に入りショートカットできる。道が舗装路に変わるとすぐ鉄塔が現れ,何軒かの民家を過ぎると向道湖ふれあいの家はすぐ目の前である。