山名/標高

十種ヶ峰からの眺め。(2012.08)
大蔵ヶ岳(おおくらがだけ)/834m
登山日・天候 2012年10月6日(土)・曇
行程 大蔵岳神社(12:10)〜権現窟(12:55)〜展望岩(13:00)〜山頂(13:15)〜(折り返し)〜大蔵岳神社(14:05)
山口市内から国道9号線を北上し,木戸山峠を越えて旧阿東町に入ると,道路の向こうにひときわ大きくどっしりと構えた大蔵ヶ岳が見えてくる。この山の八合目には大きな石窟があり,古くから「権現窟」として里人の信仰をあつめてきた。麓の熊ヶ瀬集落には神社も残されており,山の古名を「熊ヶ瀬ヶ岳」ともいう。
登山道は,熊ヶ瀬林道沿いに近年になって建てられた大蔵岳神社を起点とする「宮の原コース」と,南麓のテレビアンテナ基地から登る「曽根コース」の2種類がある。十種ヶ峰に比べると地味な存在で,登山道もやや荒れ気味だが,荘厳な空気の漂う権現窟や,山頂手前の展望岩から望む大パノラマなどは一見の価値あり。

国道9号線を津和野方面へ北上,489号線との交差点から約1.5kmで左手に「大蔵岳神社」の看板を見て左折,阿武川と山口線を渡り,突き当たりの丁字路を右折。500mほどで神社の看板を見て左折し,細い道(熊ヶ瀬林道)を数百mで神社の前に出る。
舗装路もここで途切れるので,神社前の広場に駐車し登山開始。沢沿いの一本道で最初は踏み跡もはっきりしていたが,ここ数年の大雨や土石流のためか,渓流を渡るごとに分かりにくくなった。標識類は乏しく,テープなどの目印もあまり目立たない。
沢を離れ,樹林帯にとりつくと急坂となる。ジグザグにつけられた道を上り植林帯を抜けると,斜面にのしかかるようにせり出した巨岩が正面に現れる。
これが「権現窟」で,しめ縄が張られた石室の奥には数体の石仏が並んでいた。静かに眺めていると,急に頭上から鳥の声が響き,びっくりした。
山頂への道は,以前はこの巨岩を越えるようにして上っていたそうだが,現在は少し引き返した場所から右手に分岐路が通じている。
自然林の中につけられた道は,最近ササが刈られたようで歩きやすかった。途中「大展望岩 視界180°のパノラマ」と書かれた標識に従い,脇に入る。
道の先には平たい大岩がテラスのように突き出ており,ここで行き止まり。近くの木の幹にロープがくくりつけられていたが,この岩から下るには短すぎ,用途は不明。権現窟から直登してきたという古い登山道の名残かもしれない。ひょっとしたら,このテラスが権現窟の屋根かも。
「180°のパノラマ」の看板に偽りはなく,十種ヶ峰,青野山から飯ヶ岳,石ヶ岳まで,西中国山地のピークも遙かに望める素晴らしい展望所だった。

展望岩からの眺め(北〜東〜南)。曇り空だったが遠くまでよく見えた。
展望岩から引き返し,山頂に向かって進むと,すぐに林道との交差点に出る。直進して短い石段を上り,ほぼ平坦となった樹林帯を進んで曽根コースと合流,その先をわずかで,一言箱(中にノートと鉛筆が入っている)の立てられた山頂に到着。
・・・実は,三角点はここからさらに奥へ進んだ場所にあるらしいのだが,ササが深く(この日は刈られていたが)展望もないとのこと。ここで引き返すことにした。この「とりあえず山頂」も眺めは悪く,灌木の上に突き出た十種ヶ峰の山頂部くらいしか見えなかった。