山名/標高 花尾山(はなおざん)/669m
登山日・天候 2013年2月23日(土)・晴
行程 市の尾登山口駐車場(08:00)〜登山道分岐(08:05)〜(本谷コース)〜なめら滝(08:50)〜座禅岩(09:10)〜山頂(09:20-09:45)〜大畑・別府コース分岐(09:50)〜(鈩コース)〜林道終点(10:10)〜市の尾登山口駐車場(10:30)

市ノ尾から花尾山に登るのは,実に12年ぶりである。かつては林道の終点近くまで車で入り,短時間で登頂したように記憶しているが,今回は市ノ尾集落内にある「構造改善センター」から歩くことにした。この施設は登山者向けに駐車場(4〜5台分)を開放しており,トイレも自由に利用できる。
駐車場から数百mで案山子の立つ分岐点に出る。従来の「市ノ尾コース」は「鈩(たたら)コース」と命名され,そのまま直進。2009年頃?に新設された「本谷コース」は右手の道に入る。少し距離は延びるが,上りは本谷コースを利用することにした。(案内図をクリックすると拡大表示します)
コースのほぼ半分が舗装路となる鈩コースに対し,本谷コースは右折してすぐに未舗装の山道となるのが嬉しい。
比較的最近開かれた道だが,踏み跡はしっかりしており,500mごとに残り距離標示も立てられているので比較的安心だが,沢を外れて尾根に取りつくポイント付近(右画像の桂の巨木から「あと1.5km」標示くらいの間)は,踏み跡が錯綜しやや分かりづらくなっているので注意。
急斜面に付けられたロープを伝って沢から尾根に出て,少し上ると正面に赤いテープの「進入禁止」とおぼしき標示。ここから左手の踏み跡に入り山腹を巻くように進むと「なめら滝」の前に出る。この時期水量は少なめで,滝の真下(夏場はマムシが出そうな岩場)に立つこともできた。
なめら滝の上は,沙羅双樹の群生地を含む樹林帯。踏み跡がやや不明瞭だが,まっすぐ上っていけば明るい尾根筋に出られる。
腰掛けられるように四角く切られた座禅岩(表示は"座禅石")を見て反対側に進むとすぐに視界が開け,正面に円錐状の山頂部が現れた。
今までのコースでは間近で山頂の全容を見る場所がなかったので,非常に新鮮に感じられた。そして,このまますぐ駆け上れそうにも見えたが・・・
尾根道は無情にもいったん下り,鞍部から「あと200m」の急坂となる。それでも従来のコースの最後の上りに比べれば,傾斜は若干緩やかに感じた。
わりと頻繁に山麓を通るので「よく登っている山」という印象を持っていた花尾山だが,実は6年ぶりの登頂だった。
見晴らしの良さは相変わらずで,今回登りに来た目的もそこにあったのだが・・・見通しが悪い。霧?いや,黄砂の影響か?
空は晴れわたっているのに,南東に広がる秋吉台がぼんやり,シルエットにしか見えない。今日は「山焼き」が行われるのだが・・・。
祠の基壇に座って,しばらく待った。9時30分に合図のサイレンが鳴り,山焼き開始。目をこらすと,稜線のシルエットの上にいくつか煙が立ち上り,確かに山焼きは行われている様子。この日は空気が乾燥し,いつも以上によく燃えたそうだ(と,あとで聞いた)が,いくら見つめても炎ひとつ見えなかった。
視界が良くなる見込みもなさそうなので,登頂記録ノートに「よく見えず残念」と書き残し,鈩コースを下ることにした。
北側の沢を下る鈩コース(旧来の市ノ尾コース)は日当たりが悪く,尾根を離れると路面にはまだ雪や霜が残っていた。大畑小学校の児童による案内板は今も健在だが,12年前にもあったものはさすがに傷んできており,新しい表示が並べて立てられていた。古い方が素朴で味わいがあるかな・・・?
滝や渓流を眺めながら山道を下り,山頂まで1500m(大畑小表示)付近から舗装された林道に出る。道幅は細く,ここまで車で乗り入れると離合やUターンが大変そうなのは昔と変わらない。例の表示は林道沿いにも立てられており,渓流のせせらぎを聞きながらのんびり下ってゆくと,「ここがスタートだよ!山頂まで2800m」の表示にたどり着いた。スタートといっても特に駐車場も建物もないこの場所からさらに数百mで,案山子の立つコース分岐に戻った。