山名/標高 蓮華山(れんげさん)/576m
登山日・天候 2013年3月6日(水)・晴
行程 墓地公園(10:35)〜今要害(11:05)〜林道終点(11:10)〜展望台(11:35)〜山頂(11:45-11:50)〜末貞道分岐(11:55)〜お鉢ヶ森ピーク(12:15)〜下川上登山口(12:35)〜墓地公園(12:50)

竜ヶ岳から遠望。手前は大黒山(2008.04)
岩国市玖珂町と周東町の境界にあり,旧玖珂町の最高峰であった蓮華山は,戦国期に椙杜氏の城があったことから蓮華大将陣とも呼ばれていた。現在も石垣や堀切などの遺構が山中に多く残されている。
山名は,山容が蓮の花に似ているとして伝教大師(最澄)が命名したと伝えられている。また,どの方角から見ても山の形が変わらないため「玖珂の六角山」とも呼ばれていた。付近の小学校が遠足で登るなど,身近なハイキングの山として親しまれ,登山道も多く開かれている。

蓮華山の登山道はいくつも開かれているが,今回は山口(=西側)からいちばん近く,距離の長そうな「下川上西尾根コース」を歩いてみた。
国道2号線を周南から岩国方面へ,旧周東町の下久原交差点(周東総合支所前)を左折し,県道5号(周東美川線)を1kmほどで松崎橋に差しかかる。渡ってすぐ右折し,次の分岐を左折。細い市道を進んだ突き当たりが墓地公園となっており,ここに駐車する。
墓地に向かって右脇に林道が続いており,これが西尾根コース序盤の登山道となる。未舗装だがよく整備され歩きやすい。
緩やかな上りが続く林道は,支尾根を伝い少しずつ蓮華山に近づいてゆく。樹上に広がる青空が気持ちいい。
途中に「今要害 蓮華山城出城跡(調査中)」の表示があり,古い石垣の一部が残っている。その先5分ほどで林道終点となり,山林の中に登山道が続く。入口にはシダが被り地面が見えづらいが,よく踏まれた道で案内表示も多い。道は次第に急坂となり,きつい直登に喘ぐこととなる。
急坂の途中につけられた標高表示の前でひと休み。日付の新しい表示には安心感がある。
上り道は主尾根に合流すると傾斜が緩やかになり,標高550m(西端ピーク)の展望台に出る。南側が切り開かれ,周東と玖珂の町並みを眼下に望むことができる広場で,手作りのベンチ(丸木)が置かれており休憩にちょうどいい。この日は黄砂のせいか,遠望はあまりきかなかった。
展望台を離れ,樹林帯の中を緩やかにアップダウン。下川上へ下る別ルート(小蓮華尾根コース)の分岐を過ぎるとすぐに視界が開け,山頂に到着する。かつて建っていた「多老神社」の社殿は倒壊し片付けられ,今は2つの石祠が残るのみ。祠の中に置かれた素朴な木彫りの像が趣深い。
椙杜氏の本丸があったといわれる平坦な山頂は,10年ほど前のガイドブックには南の展望が開けていると紹介されていたが,現在は木々の丈が伸びて視界が大きく遮られている。眺めを楽しむなら西の展望台まで足を延ばした方がよい。
下山路は山頂から来た道を少し引き返し,「末貞道」を下る。この道は地元の学校が遠足コースとして利用しているそうで,やや傾斜がきついジグザグ道だが,よく踏まれて歩きやすくなっている。途中,ルートから少し外れた390mの小ピークに「お鉢ヶ森ピーク」の表示があり,椙杜氏と敵対していた杉氏の居城,鞍掛山(240m)の様子を探る絶好の監視所だったと思われるが,現在は木々が生い茂り展望はまったくない。
本ルートに戻りさらに下ると,道が「下川上」と「砂防ダム」に分岐する。どちらを選んでも出てくる道は同じで,ここでは下川上方面に下る(砂防ダムには駐車場がある)。まもなく広い道に出て,そのまま道なりに歩いてゆくと集落を抜け,墓地公園の手前に出る。