山名/標高 花牟礼山(はなむれやま)/1170m
登山日・天候 2016年3月5日(土)・晴ときどき曇
行程 舗装路終点(0:15)登山道分岐(0:05)林道終点(0:15)展望台(0:10)山頂広場
( )内は左→右の所要時間

湯布院から庄内に向かう国道210号線から県道537号線に入り,湯平温泉を過ぎてやまなみハイウェイに続く上り坂の途中「直入・長湯温泉」の案内を見て,左の農道に入る。道なりに進むとやがて県道621号線との交差点に出るが,その600〜700mほど手前の右手に林道が分かれている。これが花牟礼山への入口で,道端に小さな標柱が立っている。
分岐から林道を数百m上り,次の「花牟礼山」標示を見て分岐を左へ。舗装路の終点まではさらに1kmくらいあるが,今回は先行きの状況が不明で道幅も狭くなってきたため,途中の路肩に駐車して歩くことにした。やや荒れ気味の舗装路だが,適度に勾配があり眺めも良いので退屈はしなかった。
駐車地点から20分ほどで舗装路終点に到着。ここまで乗り入れれば4〜5台分の駐車スペースがあり回転も容易である。
未舗装となった林道をさらに15分くらい進むと,実に素っ気ない分岐が現れる。ここに来るまでは分岐ごとに案内標示が立っていたのだが,この分岐には何もない。さて,どっちだ?
・・・正解は右の道で,よく見ると木の枝に細い靴紐?のような目印が巻いてあったり,道端に小さなケルン(石を2〜3個積み上げているのを帰り道で見つけた)が積まれていたりするのだが,初見でそれに気付いて行き先を決めるのはかなり難しい。なぜここに限って明確な標示を立てないのか,理解に苦しむ。
ここでは最初,日当たりが良く上り勾配の左の道を選んでしまった。見晴らしの良い草斜面から,由布岳の正面登山道のようにジグザグの上り道が山頂へ続く・・・ように見えたが,あえなく行き止まりとなり,分岐まで引き返すこととなった。時間にして往復40分ほどのロス。
正規ルートからは見えにくい長湯温泉や祖母・傾方面を眺められたのは良かったが,道を間違えないに越したことはない。分かりやすい案内標示を立てていただきたい。
気を取り直して,分岐から右の道へ。300〜400mほどで林道が途切れ,植林された尾根道に取り付く。急坂に喘ぐこと15分ほどで「展望台」に到着。
・・・しかし現在は,周囲の木々の丈が伸びて充分な展望は得られなかった。
展望地からさらに5分ほどの上りで稜線に出る。ここからの眺めは先ほどの展望台より遙かに良く,見える範囲は限られるものの,黒岳を手前にした九重山からすぐ手前にそびえるながみず山まで,雄大な展望が広がる。
稜線上の踏み跡を辿ると,なぜここに?と思うくらいの道の途中に(四等)三角点が立っていた。
この「標高1170.3m」から少し上り,少し下った場所に山頂標識の立つ広場がある。
屋根から下が埋もれてしまったのか欠けてしまったのか,丈の低い石祠が残るこの山は,かつては霊峰として信仰をあつめていたようで,広場の中央に御影石の説明板が据えられていた。これによると,天平勝宝六(755)年に越後の正覚律師が明神の霊託を受け,花牟礼明神をここに祀ったとされる。また,保元年間には源為朝(1139-1170?)がこの山を訪れ,山頂から麓の集落に向けて矢を射たという伝説も残されている。
(説明板の画像をクリックすると拡大表示されます)