山名/標高 鳥の子山(とりのこやま)/394m
登山日・天候 2016年5月8日(日)・晴ときどき曇
行程 踏切前駐車場(10:00)〜回転場(10:05)〜堰堤前分岐(10:20)〜丸木橋〜棚田跡〜林道出合(10:55)〜山頂(11:10-11:15)〜(折り返し)〜踏切前駐車場(12:20)
鳥の子山は美祢市中心部(大嶺)と南部の厚保地区の間にある山塊の最高地点で,地形図上には「後山」と標記されているが,これは現在は消失した集落名が誤って山名として転記されたもの。東麓の長谷地区では「雨乞山」とも呼ばれ,山頂には2つの山名のプレートが掲げられている。
登山道は,西麓の叔母ヶ河内地区から棚田跡などを見て登って行くコースがよく知られており,2007年発行の「防長山野へのいざない・第1集改訂版」では,この叔母ヶ河内コースについて,付近の小学校の遠足で利用されるため毎年整備され,案内標示なども要所に設置されている旨紹介されているが,2016年現在,コースの一部に荒廃が見られると共に多くの標示物がなくなっており,分岐路で迷いやすくなっているので注意が必要。他に東麓から「長谷コース」と「清水コース」が開かれており,山頂手前の林道で3コースが合流する。

美祢市内から県道33号線を下関方面へ向かい,「四郎ヶ原トンネル」を抜けて400mほどで左折。厚狭川にかかる叔母ヶ河内(おばがかわち)橋を渡り,踏切の手前に設けられた駐車場に車を置く。説明板によると山頂までは約4km。集落の間の舗装路を進み,車道行き止まりの回転場から山道に入る。
回転場の先ですぐに道が分岐する。山伝いに左に行きそうになるが,ここは右のルートが正しい。
右に進むとすぐに「鳥の子山登り口」の古びた案内板が現れる。こういう目印は分岐点の手前に設置してもらいたいのだが。
ちなみに,左の道をずっと進んだ場合,後で出てくる林道に合流し,方角を間違えなければ山頂に行ける・・・かもしれない。
登山道はいったん開けた草原に出て,再び樹林帯に入る。大きな起伏はなく,踏み跡も比較的はっきりしている。
回転場から15分ほどで2つめの間違いやすい分岐に出る。ここも右ルートが正解だが,踏み跡のはっきりした上り道である左のルートに間違って入りやすいので要注意。左の道を上った場合どこに行くのかは不明。右の正しい道を行くとすぐに正面に堰堤が現れるので,ここを「堰堤前分岐」と仮称した。
ただしこの堰堤,分岐からは全く見えないうえに,今回参照した「防長山野へのいざない」第1集改訂版にも記載されていない(記事執筆は2004年1月)。
堰堤を越えた先にようやく「防長山野」にも記述のある丸木橋が見つかった。この橋を渡り,左手に渓流を見ながら上りにかかる。
叔母ヶ河内から鳥の子山にかけては緩やかな斜面が続いていたことから,かつては中腹の峠まで棚田が作られ,近年まで人も住んでいたという。現在は石組みが残るのみとなっている。上りでは常に渓流の右手を行くのが正しいルートだが,途中で踏み跡が錯綜し,渓流左手の植林帯へ赤テープの目印が続いている場所もある。この道がどこへ続いているかは不明であり,特に下りで間違えやすいので要注意。
棚田跡を過ぎると道の両側にササが被るようになり先行きが不安となるが,すぐに視界が開け林道の脇にとび出る。
この林道は,鳥の子山南麓の天郷から山頂の脇を通り北へ延びる未舗装路で,東麓の国道316号線沿いから上ってくる長谷・清水の2コースもここで合流する。山頂へ向かう道には案内板があるが各コースの出入口には何も標示がないので,自分が来た道を忘れないように。
林道から広くはっきりした道をまっすぐ進み山頂に到着。広くて居心地の良い広場で,三角点の近くに「狼岩」と呼ばれる大岩がある。
南西方向が切り開かれ,小野田や周防灘が見渡せるが,この日は前日から飛来している黄砂の影響で霞んでいた。ガイドブックには「華山も見える」と書かれていたが,霞んでいたためか,木が伸びて見えなくなったのか,その山容は確認できなかった。