山名/標高 大山(だいせん)/1729m

※2003.09現在,一般登山者が立ち入れるのは標高1711mの「弥山(みせん)」までとなっている。

中国地方の最高峰。俗称「伯耆富士(または出雲富士)」,古名を「火神岳」「大神山」ともいい,出雲国風土記に伝えられる「国引き神話」の,国を引く綱をかけた杭の山としても知られる。
カルデラ火山(古期大山)にトロイデ火山が重なる複合火山で,現在の山容は約2万年前の火山噴火によって形成されたもの。山頂付近は岩質が脆く,崩落や土石流などにより徐々に崩壊が進んでいる。
大正10年に,桝水原を起点とする正面登山道と,元谷から登る行者谷コースが造られたが,崩落が進み昭和52(1977)年に通行が禁止された。現在は,大山寺側から登る夏山登山道(僧兵コース)と,階段がかけられて復旧した行者谷コース(夏山登山道5合目で合流)の2つがメインルートとなり,年間15万人ともいわれる登山者に利用されている。
夏山登山道の終点,1711mの弥山からは,最高地点の剣ヶ峰(けんがみね)に続く縦走路が延びているが,崩壊が激しく非常に危険な状態。入口にはロープが張られ立入禁止となっている。
「高志の都都の三埼を,国の余り有りやと見れば,国の余り有り」と詔りたまひて,童女の胸鋤所取らして,大魚のきだ衝き別けて,はたすすき穂振り別けて,三身の綱打ち挂けて,霜黒葛くるやくるやに,河船のもそろもそろに,国来々々と引き来縫へる国は,三穂の埼(=美保関)なり。持ち引ける綱は,夜見の島(=弓ヶ浜)なり。固堅め立つる加志(杭)は,伯耆の国有る火神岳,是也。

「出雲国風土記」(講談社学術文庫)より抜粋

山 行 記 録
2001.09.23 大山高原マラソン後に登山。夏山登山道〜弥山折り返し
2004.10.17 大休峠から野田ヶ山〜親指ピーク〜振子山を経て三鈷峰へ。
2010.05.30 川床から宝珠尾根を経て三鈷峰〜振子山〜親指ピーク〜野田ヶ山〜大休峠に出て川床に下る。
2012.05.13 大山寺から宝珠尾根を経て三鈷峰へ。大休峠に下り,矢筈ヶ山〜甲ヶ山〜船上山まで一気縦走。


弥山より剣ヶ峰を望む。(2001.09)
縦走路は崩壊し歩ける状態ではない。

三鈷峰より望む大山北壁。(2010.05)
落石が頻発し,崩壊が目に見えて進む。


夏山登山道・8合目付近(2002.09)と弥山山頂(2001.09)。


ご来光を拝みに早朝登山。この日の山頂一番乗りだったが
肝心のご来光は霧に閉ざされて見えなかった。(2003.09)