山名/標高 聖(ひじり)山/1113m

山頂のカラマツ林(2005.05)
広島県北広島町(旧芸北町)の八幡高原に湖水をたたえる聖湖の南西にそびえる山。
遠望すると丸いドーム状に見える山容が人目を惹きつけるこの山は、この周辺がタタラ製鉄で栄えていた頃、荷や人を運ぶ牛馬の飼料とするためのササやススキを刈る牧草地であり、明治時代には麓にあった樽床(たるとこ)地区の共同放牧場としても利用されていた。
1957(昭和32)年、ダム建設により樽床地区は水没し、牧場を失った人々によって草とササに覆われていた山の上に落葉松(カラマツ)が植林され、聖山の特徴的な景観のもととなった。現在は木々が成長し山頂からの展望はほとんどきかない。
落葉樹林の静かな森は四季折々の彩りで登山者を招き入れるが、この山域はクマの生息地でもあるので、山行にあたっては十分に注意を。
ダム湖・聖湖と聖山の名は、このあたりの昔の字名「比尻」に因んだものといわれる。
山頂からは高岳に向けて縦走路が開かれている。

山 行 記 録
2004.03.27 まだ残雪多い早春の聖山。
2005.05.03 聖山から高岳へ縦走。


樽床ダムのそばにある「離郷者望郷之碑」。胸像が静かに聖湖を見つめる。


臥龍山・展望岩からの眺め。(2005.05)