朝広島を出る頃に降り始めた雨は，防府市陸上競技場へ着いた９時３０分頃には降ったりやんだりの状況で，時折雨脚が激しくなることがありました。しかし，気温は高めであまり寒さは感じません。目標は３°１０′におきスタート時間の１２時０２分を待ちました。この大会は２１年前に初めて３°を切った思いで深い大会ですが，幾度のコースを変更を経て２０年ぶりの出場でした。
(参考:第18回大会　1987年12月13日　2:58:51)
スタートはスタートラインの後方に選手をすし詰め状態にして号砲が鳴らされました。したがって，トラックを１周する間は思うように走れず，競技場を出て二車線道路を全面交通規制してある道路に出てから自分のペースで走れるようになりました。雨はスタート後も降ったりやんだりの繰り返しで，幾分やんでいる時間の方が長かったように思われますが，ゴールするまで路面が乾いてくることはありませんでした。交通規制は文句の付けようがないのですが，路面の状況は轍掘れと舗装の変形が雨のため一層強調され，お世辞にも良いとはいえません。特に深くて大きな水溜りを避けて走ることに余計な気を使いました。
さすがに制限時間４時間の大会だけあって，自分の前後で選手の姿は途切れません。したがって，前半はまさにイーブンペースを保つことができました。テレビ中継がある大会だったのでトップの選手とのすれ違い地点に淡い期待を持ちましたが，片側二車線の区間だったのでまず映らなかったと思います。中間点の手前でブロディさんとすれ違いました。自分のペースと比較して３°切りへの走りは順調そうに見えました。自分はというと給水もうまく行い目標達成間違いなしと思っていましたが，意外なところに落とし穴がありました。折り返し点を過ぎるとどうも腹が鳴り出しました。雉が暴れるのではなく空腹でした。
エネルギーの残量が残り少なくなってきたので，ペースが徐々に落ち始めました。そして，３３km地点で完全にエネルギーが枯渇したことが実感でき，その後３７km間では何とか走ったものの，そこから歩くことはできても，走るための動作をしようにも脚が動かなくなりました。残り５kmでしたが２kmは速歩でつなぎ，残り３kmから再び走り始めるも，残り６００ｍで脚が止まり，競技場内に入ってから何とか走ってゴールに辿り着きました。
最後の食物摂取がスタートの１時間３０分前でした。これを１時間前にしていたら４０kmまで何とか走れて，残りの２km余は精神力で何とかできたはずで，大きな悔いを残す結果に終わりました。
コースは記録をねらえる高速コースに違わぬ全く平坦なものです。しかし，防府市街地を走る区間以外は工場地帯や航空自衛隊防府基地のほとりを走る殺風景なもので，そういう意味では面白みはありません。ただし，沿道の応援はこれまでのどの大会よりも盛大といってよいでしょう。