比婆(ひば)山連峰
(烏帽子山・御陵・立烏帽子山・池ノ段・竜王山)

広島県西城町、比和町、島根県横田町の境界をなす山群の総称。 別名「美古登(みこと)山」。
「比婆山」という固有の山は本来は存在しないが、山群の中央に位置する「御陵」(ごりょう /1264m)を指して比婆山と呼称することもある。この御陵は、伊邪那美命 (イザナミノミコト)を葬った場所として「古事記」に記されている「比婆之山」であると 伝えられ、山頂付近は陵墓とされる一郭を中心に古くから祀られてきた聖域である。
周辺はかつてタタラ製鉄で栄えた地で、御陵以外の山々では製鉄に用いる木炭の用材として 木々が次々と伐採された。結果、現在の山頂は見晴らしの良い草地となっているが (池ノ段周辺では放牧も行われていた)、聖地とされた御陵山頂だけは木々の伐採を 免れ、イチイ、ブナ等の原生林(国指定天然記念物)が往事の姿を今に伝えている。

比婆山国際スカイラン2002


(左)第1のピーク、伊良谷(いらたに)山(1149m)山頂への上り。4km弱で標高差344m。
(右)晴れていたら360度の展望が開ける毛無(けなし)山(1144m)山頂。


伊良谷山の上りから越原越(地元の人は"おっぱらごえ"と発音)までの約8kmの縦走路は
数日来降り続いた雨でぬかるみ状態。構わず滑って行った?トップ集団の後を、後続集団は
慎重に上り下り。それでも転倒者が続出していた。記録より安全重視で行きましょう。
(右)は烏帽子山山頂(1225m)。ここには、線や記号など古代文明の痕跡らしきものが 刻まれた
「条溝石」と呼ばれる巨石が残されているが、残念ながらコース上では見る ことができない。


御陵山頂付近。霧の中に浮かぶ木々の影、薄日に輝く新緑。神話そのままの幻想空間に
しばし酔いしれる(追い抜かれて行く!)。神秘的な森はコース外にも続いているが、
とりあえず失格するわけにはいかないので、コース中での写真撮影にとどめた。
来年以降、同じ天気の日に巡り会ったら、現地で参加を取りやめて撮影に専念する...かも


(左)越原越付近。この辺りだけ突然のように霧が薄れ、木漏れ日が差し込んできた。
(中)池ノ段山頂(1279m)。さっきの木漏れ日が嘘のように霧が濃く、小雨がぱらつく。
(右)竜王山(1256m)からゴールまで、約5kmで426m降下。再び雨雲の下に戻る。