温泉名・施設名 鉄輪温泉・蒸し湯(市営)
所在地 別府市鉄輪風呂本1
(0977−67−3880)
泉質 ナトリウム塩化物泉(内湯)
料金 宿泊不可
入浴のみ210円
設備 蒸し湯(男女共同)1、内湯男女各1
営業時間(入浴のみ) 6:30〜20:00
コメント
鎌倉時代(建治2年)時宗開祖一遍上人九州行脚の折、鉄輪は八丁四面の大地獄であったので、大蔵教の一字一石をもってこれを埋め、当時瀬戸内で盛んに行われていた石風呂の手法をとり入れ、この蒸し湯を設けたという。敷きつめられた石菖の薬効と蒸気が溶けあって、神経痛、リウマチ、関節炎などに特効がある。一昔前までは沢山の松葉杖が奉納されていた。
蒸し湯は別府を代表する名湯であるとともに、古代から中世にかけての日本の一般的入浴法であった。
(蒸し湯入口の表示板より抜粋)
一遍上人の木像が入口でお出迎え。蒸し湯の浴室には、番台のすぐ下にある小さな木の扉から入る。
まず、男女別に分かれた(と言ってもカーテン1枚で仕切られただけ)脱衣所で服を脱ぎ、内湯で体(下半身)を洗った後、再び服を着て(蒸し湯は混浴。男女とも水着、Tシャツ、バスタオルなどを身につける)蒸し湯の中に入る。
蒸し湯の中は電球が1個点っているだけ。1mに満たないくらいの低い天井の下を這って進み、空いた場所を見つけて横たわる。混浴といっても何も見えないのだからしょうがない、 と思っている場合ではなく、人の声とほんの微かな人影を頼りに「寝場所」へ潜り込むのはなかなか大変である。暗くてよく判らなかったが、全部で8人分くらいの寝場所しかなさそうな狭く暗い空間。閉所・暗所恐怖症の人なら、入った途端に逃げ出したくなるかも。
セメント張り?の床の上に石菖という薬草が敷きつめられており、風呂の中は熱気と芳香に包まれ、最初のうちは息が詰まりそうな感じだが、次第に慣れてくる。それぞれの寝場所には枕代わりに石が置かれているが、かなり熱いのでタオルを敷いていないと頭を乗せられない。また、薬草の敷かれた床も所々熱くなっているので、Tシャツ等を着ておいた方が良い。
2〜3分もすると全身から汗が噴き出してくる。だいたい10分も入っていれば充分とのこと。風呂を這い出て、体に付いた薬草を払い落としてから内湯で汗を洗い流す。建物を出ると夕風が心地よい。和風古式サウナは現代のサウナよりも体に良いような気がした。
なお、山口県徳地町にも「石風呂」の名で古式ゆかりの蒸し風呂が伝えられている(山口徳地少年自然の家で体験可)。
最新利用年月 2003年4月