山名/標高 船通(せんつう)山/1142m 
登山日・天候 2001年9月22日(土)・晴  
行程 登山道分岐〜鳥上滝ルート登山口(15:30)〜鳥上滝〜山頂(16:10)〜 イチイ古木〜亀石谷ルート〜登山道分岐(17:10)  
斐伊川源流となる2つの清流を擁し、古くは「鳥髪(とりかみ)の峰」とも呼ばれていた、 島根県(横田町)と鳥取県(日南町)の境にそびえる秀峰。
神話に名高い「八岐大蛇(やまたのおろち)」伝説発祥の地といわれ、 山腹の鳥上滝は大蛇が住んでいた場所、また亀石谷は、素戔嗚尊(スサノオノミコト)が 大蛇に飲ませる毒酒を醸した場所(甕石→亀石)とされている。
その大蛇の尾から出てきたといわれる宝剣「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」出顕之地 の石碑がそそり立つ山頂は広い草地となっており、展望は360度。周囲はカタクリの自生地 でもあり、4月末〜5月上旬の開花時期は多くの登山者でにぎわう。


鳥上滝コースより登山道に入る。道にはたくさんの栗が落ちていた。 薄暗い樹林帯をくぐり山頂を目指す。
なお、鳥上滝コースは水量豊富な沢を何度も渡るルートで、増水時の利用は避けた方が無難。



明るい尾根に出て5分ほどで広い山頂に到着。
三瓶山、吾妻山、比婆山から蒜山、大山まで360度のパノラマが広がる。

「...かれその中の尾を切りたまふ時に、御刀(みはかし)の刃毀(か)けき。 ここに怪しと思ほして、御刀の前(さき)持ちて刺し割きて見そなはししかば、 都牟羽(つむは)の大刀あり。かれこの大刀を取らして、異(け)しき物とぞ 思ほして、天照大神(アマテラスオオミカミ)に白し上げたまひき。こは草薙(くさなぎ) の大刀なり」

(草薙の剣=天叢雲剣。「三種の神器」のひとつとして熱田神宮に祀られている)

「古事記」上つ巻より


(左・中)山頂付近にあるイチイの古木。樹齢は推定2000年。国指定の天然記念物。
(右)亀石谷に沿って流れる赤川(あかがわ)。大蛇の血で水が真赤になったとされ、 この名がある。

帰路は亀石谷を駆け下り、麓の斐之上温泉「ヴィラ船通山」で汗を流した。