山名/標高 仰烏帽子(のけぼし/のけえぼし)山/1302m
登山日・天候 2003年3月8日(土)・曇一時雪
行程 元井谷登山口(08:10)〜福寿草自生地〜仏石分岐(09:20)〜熊穴〜山頂(10:10) 〜(折り返し)〜仏石分岐〜仏石(11:10)〜(折り返し)〜登山口(13:15)
市房山(1721m)、白髪岳(1417m)と並び「球磨三山」と称される霊峰。山頂付近ではカルスト 地形特有の鍾乳石の露出が見られ、仏石、牛の鼻ぐり岩などの奇岩が点在する。シャクヤク、福寿草 などの植物群生でも知られ、特に2月〜3月の福寿草開花時期には多くの登山者が訪れる。
登山道は、今回利用した元井谷からのほか、相良村の椎葉谷からのルートも人気がある。
なお、山名の読みは「のけえぼし」が正式らしい。よく使われる「のけぼし」は地元の訛り。 他に「のっけぼし」と呼ばれることも。

春は名のみの・・・  九州山行 1日目

今回のメンバー・・・斉藤夫妻、田中(善)、小川、秋富、和崎の6名。
この時期登山客でごった返し、駐車スペースの確保も難しいという仰烏帽子山に登るため
朝3時に宇部市を出発。九州道・松橋ICから県道25号経由で雨の五木村に向かった。


登山口は林道のすぐ脇にあるのだが、駐車場はなく、路肩に車を停めるしかない状態。
しかし早朝出発のおかげで、登山口そばの空き地に車を乗り入れることができた。
準備をしている間にも次々に車がやってきた。人が増えないうちに、と先を急ぐ。


麓で降っていた雨は、登山口では雪に。そして行く手には霧氷に包まれた森が・・・

福寿草(ふくじゅそう)

金鳳花(きんぽうげ)科の多年草。光や温度に非常に敏感で、昼間でも陽がさえぎられると 1〜2分で花がしぼみ、 再び陽があたると花が開く。花の少ない時期(旧暦の正月=2月頃)に 開花することから正月用の花として珍重され、縁起の良い名がつけられた。 園芸品種も多い。別名「元日草」。
根と茎は有毒だが、 強心薬として用いられることもある。

福寿草家族のごとくかたまれり  福田蓼汀


群生地に到着。「黄色いじゅうたん」を期待していたのだが、花の数は意外なほどに少なく
雪をかぶった福寿草は元気なくしおれていた(あとで上述の生態を知って納得)。
(右)花の大きさは成長度合や個体差もあるが、だいたいこのくらい。


福寿草の谷を過ぎ、仏石分岐の鞍部に辿り着くと、あたりは一面の霧氷。
3月の九州でこんな光景に出会うとは思っても見なかった。春まだ遠し...?


杉林の中に石灰岩が目立ちはじめる。この辺りは秋吉台と同じカルスト地形とのこと。
(右)「熊穴」と呼ばれる風穴。吹いてくる風は暖かく、周囲に湯気が立ち上る。


石灰岩むき出しの山頂に到着。晴れた日には市房山と白髪岳を一望できるが、この日は 視界ゼロ。
すぐに分岐まで戻り、仏石に向かうことにした。


山腹にニョッキリと立つ巨大な仏石。頂上(中)に登ることもできる。ここで昼食にした。
仏石の足下にも福寿草群落がある(左・鎖を伝って下りる)が、まったく元気なくしおれていた。


再び元井谷に下りる。雪が止み空が明るくなったせいか、福寿草は少し元気を取り戻した ように見えた。
(右)下山時の林道の状況。マイクロバス数台を含む長い車の列が数百m下まで続いていた。

この日の宿は、R218〜R265経由で雪の阿蘇山を越え、南小国町・小田温泉の民宿萬屋

2日目・湧蓋山へ