山名/標高 多良(たら)岳/996m
経(きょう)ヶ岳/1076m

(展望岩から望む経ヶ岳山頂部)

登山日・天候 2003年10月30日(木)・晴
行程 金泉寺入口(09:15)〜金泉寺(09:30)〜役行者石像〜国見岳(10:05)〜多良岳山頂(10:15)〜(折り返し)〜役行者石像〜展望岩(11:40)〜中山越(11:50)〜経ヶ岳山頂(12:35-13:40)〜平谷越(13:50)〜馬ノ背峠(14:20)〜平谷温泉(15:20)
佐賀県と長崎県の境界上にピークを連ねる五家原岳(1057m)、多良岳、経ヶ岳などの山群を総称して「多良山地」という。雲仙と同じ火山帯に属し、浸食が進んだことによる急峻で特異な山容と深い谷が特徴的。また主峰の多良岳は真言密教の修験場として古くから名を知られてきた。
多良岳への登山ルートは、金泉寺直下の広域林道(舗装)から登るコースが最短だが、他に五家原岳からの縦走路や黒木渓谷(長崎県大村市)からの登山道、平谷キャンプ場(佐賀県鹿島市)から経ヶ岳を経て金泉寺・多良岳に至る縦走ルートなどがある。
山中は植物も豊富で、早春のマンサク、初夏のシャクナゲのほか、7月下旬には天然記念物のオオキツネノカミソリが花を咲かせる。

五家原(ごかのはら)岳からの眺め(03.10.29)

かつて真言密教の霊地として栄えた金泉寺は現在は廃寺となり、県営の山小屋(原則として土日のみ営業。左)と、千手観音・不動明王を祀る仮堂(中)があるのみ。

(右)金泉寺より五家原岳を望む。山頂にはアンテナが立ち並び、諫早市側から車道が通じている。

金泉寺から多良岳への登り口には鳥居が建ち、そばに役行者(えんのぎょうじゃ。別名を役小角-えんのおずぬ。634?-701?)の石像がある。一本歯の高下駄を履き、富士山や高野山、熊野山を踏破したと伝えられる。像の前には多くの下駄が供えられていた。

(右)鳥居から多良岳山頂へは、距離は短いが急峻な登りが続く(鎖場あり)。途中には梵字の刻まれた巨岩があった。

急坂を上りきると道は左右に分かれる。多良岳山頂は右だが、左に少し進んだところにある狭いピーク("国見岳994.5m"の表示板あり)からは西側に大きく展望が広がる。輝く海の上にそびえ立つ雲仙・普賢岳と平成新山(溶岩ドーム)。その後ろには天草の島々が浮かぶ。
石祠の祀られた多良岳山頂。
木の枝越しに雲仙や前峰(三角点のある983mピーク)、対岸の九州本土の向こうには阿蘇山や九州中央山地と思われる稜線が連なっていた。

石祠の脇から西側の展望が良い。特徴的な山容の経ヶ岳がひときわ高くそそり立つ。
多良岳を下り、経が岳への縦走路に入る。見通しのきかない樹林帯で、所々で踏み跡が不明瞭となるので注意。途中で見晴らしの良い「展望岩」を過ぎ、中山越を経て経ヶ岳への急登に転じる。

(右)紅葉した木々の向こうに多良岳山頂部を望む。


展望岩からの眺め
一等三角点の経ヶ岳山頂は360度の展望。天気良く、見晴らしも抜群。

(中)地元では「川棚のマッターホルン」とも呼ばれる虚空蔵(こくんぞう・こくうぞう)山。

(右)佐賀市方面の眺め。


南東方向の眺め

北西方向の眺め
山頂からはロープがつけられた急峻な岩場を下り、平谷越からキャンプ場方面に下る。
国道444号線沿いにある平谷温泉で汗を流し、帰途に着いた。

※今回の山行にあたって、国立諫早少年自然の家の職員の皆さんにはたいへんお世話になりました。この場を借りてお礼申し上げます。