山名/標高 牛斬(うしきり)山/580m
福智(ふくち)山/901m

(牛斬峠から望む牛斬山)

登山日・天候 2004年10月27日(水)曇ときどき晴
行程 採銅所駅(10:20)〜登山道入口(10:30)〜尾根分岐(11:05)〜牛斬山山頂(11:10)〜山犬の峠(11:35)〜焼立山(12:00)〜頂吉分れ〜福智山山頂(13:00-13:30)〜(折り返し)〜五徳越峠分岐(15:15)〜牛斬峠(15:30)〜五徳越峠(15:45)〜清祀殿〜採銅所駅(16:15)

「山犬の峠」「焼立山」は、それぞれ縦走路上にある1ピークで、三角点はあるが標識等は立てられていない。
(山犬の峠625.1m、焼立山791.0m)

牛斬山は、香春(かわら)岳と共に福智山地の南端に位置する山。いわくありげな山名だが、その由来についてははっきりしていない。香春町に問い合わせたところ、ときに「薄霧山」と表記されることもあるそうで、これの訛り+当て字の可能性もあるが、確証はない。
山頂からは尾根伝いに福智山へ縦走が可能。雑木に囲まれた北側の縦走路(尺岳、皿倉山方面)とは異なり、防火のため切り開かれた稜線上の道(秋は風に波打つススキの穂が美しい)は展望にすぐれ、特に英彦山、犬ヶ岳から古処山、三郡山にかけての眺めがよい。

※今回の山行はかなり急ぎ足(帰りの下りは一部走る)で回っています。普通にゆっくり歩いた場合、全行程の所要時間は7〜8時間程度と思われます。

牛斬山、香春岳(三ノ岳)の登山口は、JR日田彦山線「採銅所」駅。
駅舎のすぐそばにある駐車場からまずは牛斬山へ。踏切を越え、民家の間に続く舗装された坂道を道なりに進んでゆくと、竹藪の手前に第2の標識がある。ここから登山道へ。
沢に沿って直登気味に延びる登山道。途中「頂上まで1km」の看板を見てからいちだんと傾斜がきつくなる。息をきらし「もうそろそろ頂上か」と思っていたら、まだ「頂上まで500m」の看板にがっかり。
明るい稜線に出て、左手の急坂を一気に上りつめると、見晴らしの良い三等三角点の山頂に出る。

東から南にかけての眺め。この時間はまだ曇っており、香春岳の奥の英彦山はよく見えなかった。

北側の眺め。これから歩いてゆく稜線上の縦走路がよく分かる。福智山はここからは見えない。
明るく見晴らしの良いススキ野の縦走路は気持ちがよく、多少のアップダウンも苦にならない。この日はちょうど除草作業中で、刈られたばかりの「ススキのじゅうたん」の上を歩く箇所もあった。
道端には花が多く、特にリンドウが目立つ。
791mピークの焼立山からは、西に広がる筑豊盆地の眺めがよい。
このピークを過ぎると、縦走路の向こうにいよいよ福智山の姿が見えてくる。もうすぐに思えるのだが、ここで稜線はいったんストン!と急降下してしまう。
滑りやすい急坂を下った先には背丈ほどのススキが生い茂り、これはもう、ヤブ漕ぎに近いような・・・しかし、踏み跡はしっかりしている。
大きな下りの後は、福智山に向かってじわじわと高度を上げてゆく。時々入り込む雑木林は、ススキ野が明るいぶん余計に鬱蒼とした印象を受ける。
上り坂ではススキの穂が顔や口にかかり非常に邪魔。うつむき加減で上り、少し平坦になったところで顔を上げると、福智山の山頂部が眼前に大きい。
北側からは山頂直前まで急登にしごかれるが、南側からの最後の上りは比較的緩やかでひと安心。

山頂から北側の眺め。
復路途中から天気が急速に回復。大きな音に振り返ると、福智山の頂上も先ほどとうって変わった青空。鷹取山の上空あたり?に浮かぶヘリコプターが何かを引き上げ、街の方へ飛んでいった。怪我人か?

牛斬山手前まで戻り「五徳峠分岐」の標識に従い南西に下る。遠くに英彦山の稜線がくっきり。
かなり陽が落ちてきた稜線を急ぎ足で下る。道は福智山への縦走路と同様、広々して歩きやすい。
(右)杉林に挟まれた下り坂の先に登高意欲をそそる尖鋒の三ノ岳が迫ってくると、登山道の終点も近い。
三ノ岳への登山については、山と渓谷社発行「福岡県の山」(第5刷)によると、事前にこの山を所有している会社に届け出ることとなっているが、峠の登山口標識を見るかぎりは但し書きもなく、いつでも登れそうな雰囲気。
五徳越峠からは舗装された車道を清祀殿まで走って下り、その後金辺川沿いに1kmほど北上してもとの採銅所駅へ。