比婆山〜吾妻山の全山縦走に挑戦。 今回はいつもと趣向を変え、竜王山南麓の熊野神社から登山を開始。この神社から竜王山へ、さらに池ノ段・御陵へと続く登山道は「ひろしま県民の森」が開設される昭和47年以前のメインルート。 参拝者は今も多く、道路をまたぐ大きな鳥居のそばに駐車場があり、その向かいに「イザナギ茶屋」という食堂がある(休日のみ営業)。 |
広島県の天然記念物に指定(11本)されている巨大な老杉に囲まれひっそり佇む社殿。 その左に立つ木の鳥居の奥に登山道が続き、途中には三宝荒神社、牛馬荒神社、二宮、三宮神社の祠が並ぶ。 |
|
石造りの参道から次第に傾斜を強め、登山道へと変わってくる道。 熊野神社から30分ほどで木々の向こうに那智の滝から落ちる白い水の流れが垣間見えてくる。 那智の滝は別名を「鳥尾(ちょうのお)の滝」ともいい、これはヤマタノオロチ伝説発祥の地とされる船通山=鳥上峯に対する比婆山の別名「鳥尾峯」からつけられたもの。 |
那智の滝からさらに急坂を上ると、「天狗の相撲場」と名付けられた平坦な場所に出る。ここからさらにひと上りで竜王山キャンプ場の水場。ひと休みして広い道を上り森を抜けると駐車場(未舗装)。 ふもとから見上げた空は青かったが、竜王山の山上は未だ雲の中にあって周囲は真っ白。驚くほどたくさんのトンボがその中を飛び交っていた。 |
腫れていれば360度の展望が楽しめる竜王山山頂だが、この日この時間は視界が悪く、風も強く、おまけにこの先まだまだ長いので、すぐに立烏帽子山方面へ移動。 |
立烏帽子山、池ノ段も雲の中で展望なし。しかし天気は良いはずなので、この先晴れてくることを期待しつつ御陵へ。 |
熊野神社奥院でもある御陵。ここもやはり霧の中だったが、何度見ても神秘的で美しい光景にまた会えて、得した気分。 御陵と烏帽子山の鞍部から大膳原に下る。この下りは高低差はそれほどでもない(はず)がかなりの急坂で、復路の急な上りが思いやられる。 天気が回復してきたようで、背後から明るい木漏れ日が差し込んできた。 | |
大膳原より吾妻山全景。これからあのピークを越え、反対側へ下り、またこちらへ・・・ |
吾妻山山頂から比婆山方面の眺め。これから向かう烏帽子、毛無山方面(左)は晴れ。一方、福田頭(右端)は雲に包まれて見えない。 |
山頂から、国民休暇村のある池の原へ下る。昨年までは毎年6月に吾妻山山頂〜大膳原をコースに含めたクロカン大会が行われていたが、比和町が庄原市に吸収合併されたのを期に中止(廃止)されてしまった。ユニークな大会だっただけに再開をお願いしたい。 休暇村では20分休憩し、南の原経由で大膳原へ戻り、烏帽子山へ。 |
|
(左)山頂からは雲に覆われて見えなかった福田頭が、南の原では全容を望めるようになった。天気の回復が急速に進んでいる。 (右)大膳原から急坂を上り、烏帽子山山頂に到着。まだ雲は多いが夏の日差しが照りつけ、暑い。草の上で昼食を広げる登山者が多い。 |
烏帽子山から出雲峠に下り、奥に丸くそびえる毛無山へ。 5月の「比婆山国際スカイラン」ではパスしてしまう毛無山中腹の展望地「ききょうが丘」を経由して、毛無山山頂に到着。スカイランではいつも急ぎ足で通過してしまう広い草原のピークは展望もよく、この山の上で初めてゆっくり休憩をとった。足を伸ばして座ると、つま先や膝の上にトンボが次々と止まる。 |
ききょうが丘からの眺め。毛無山が眼前に大きく迫る。 |
毛無山山頂からの眺め。比婆山の奥に吾妻山、猿政山などの稜線が連なる。 |
伊良谷山を経て、本日最後のピーク(9つ目)牛曳山に到着。灌木に遮られて眺めはあまりないが、ここまで来られた達成感で充分に満足。リュックの水を飲み干して、残りわずかの山道を県民の森へと下る。 |
牛曳滝から沢に出て、植林されたシラカバ林を過ぎると間もなく「展示林」の看板が立つ登山口。 ここから林道を下るとすぐに県民の森手前の車道に出る。1kmほどで県民の森駐車場に到着。 あらかじめ駐車しておいた車で熊野神社に移動し、今回の全山縦走は無事終了した。 |