朝5時に宇部市を出発、九州道えびのICを下りてつづら折りの坂道を上り、4時間30分ほどで霧島(韓国岳)登山口のえびの高原へ到着。 意外に人が少ないなぁと思ったら、夏休みとはいえ今日は平日であった。天気は快晴、山上からは雄大な眺めが楽しめそうで、気持ちははやるばかり。 |
駐車場の隅にある「韓国岳登山口」の標識をたよりに、登山道へ入る。 最初は舗装された遊歩道のような道が車道に沿うように硫黄山へと続く。道端には開き始めたススキの穂。「えびの」の名の由来は、火山性ガスの影響でこのあたりのススキの穂がエビのような赤茶色になってしまうためといわれる。 硫黄山の地獄を過ぎると、いよいよ本格的な登山道がはじまる。 |
登山道中腹から、えびの高原を見おろす。 |
登山道には一合目ごとに標柱が立てられており、4合目あたりからガレ場の急登がはじまる。山頂までの距離はあまり長くないのだが、なかなか前に進めず、汗びっしょり。 出発時は晴れ渡っていた空には雲がかかり、もともとはっきりしなかった遠望がいちだんときかなくなった。 |
山頂を前に、火口壁の外縁部に出る。 萩の笠山の何十倍・・・というような話ではなく、身を乗り出すと吸い込まれて落ちてしまいそうな、深く大きな噴火口。 このカルデラの中に真っ赤な溶岩がたぎっている光景を想像してみる。 韓国岳、それはまるで巨大なチゲ鍋。 |
山頂からの眺め。ガスがかかり韓国どころか高千穂峰も霞んで見えない。 | |
山頂で小休止の後、縦走を開始。歩きはじめると間もなく天気は回復し始め、高千穂峰の姿もはっきり見えるようになった。 次のピーク獅子戸岳は、韓国岳より約270m低い。登山道は2座の鞍部まで300m以上を一気に降下する。 |
登山道は見通しの良いガレ場を過ぎ、樹林帯へ入る。 道の一部は雨のためか中央が大きくえぐれ、V字斜面の中ほどに設けられた柵から上の部分を歩くこととなる。 森を抜けると獅子戸岳山頂はもうすぐ。ガレ場の急坂でひと息ついて振り向くと、韓国岳から一気に下り、意外と離れた場所まで来たことを実感。 |
獅子戸岳山頂は木々に囲まれ展望はない。新燃岳方面に少し進むと広い草原となり、ここからは霧島らしい雄大な展望が眼前いっぱいに広がる。 すぐ前にどっしりとした新燃岳、その奥にきりりと立ち上がる高千穂峰。裾野には広大な樹海が広がる。 神代の昔から変わらないような風景を前に昼食をとり、次のピーク新燃岳へと再び鞍部を下った。 |
新燃岳のすり鉢状の火口には雨水が溜まったものと思われる池があった。 池の中央はバスクリンを溶かしたような濃いグリーン、その周囲は硫黄が溶け出したような褐色。温泉として入るには成分がきつすぎるようだ。 火口の内壁からは、うっすらと噴煙が立ち上っている。 |
火口の縁に沿って歩いて行くと、やがて「新燃岳1421m」の小さな標柱の前に出る。実際は火口壁からせり上がった2つの岩峰の方が高そうに見えるが、そこへ行く道はない。 標柱からは木道伝いに新燃岳を下り、本日最後のピーク、すぐ隣の中岳へ向かう。 |
草に覆われた中岳山頂部。ピークは判然としないが、ひときわ高く盛り上がった草山(画像の中央右寄り)へ行ってみることにした。 |
この草山は確かに中岳の最高地点のはずだが、標識などは何もなかった。 踏み跡を辿り高千穂河原への下り道分岐まで来ると、道端にぽつんと「中岳1345m」の標柱。これが草山の標高か? 地形図などに見る中岳の標高は1332.4mである。 |
高千穂峰を眺めながら小休止の後、中岳の急斜面を下る。高千穂のてっぺんに立てられたポールに国旗がはためいているのが肉眼でも確認できた。 急な下りが終わると、3つのルートに分かれた遊歩道の「高千穂河原園地」に入る。ミヤマキリシマ(もちろん花は一片も残っていない)の間を抜け、苔むした石畳を下って行くと間もなく高千穂河原。えびのに残した車を回収するため、ここでタクシーを呼んだ。 高千穂〜えびの間の料金は約3000円。 | |
高千穂河原にはビジターセンターがあり、霧島についての資料展示やビデオ上映などが行われている。 入場無料 開館時間は9時〜17時 この日は新湯温泉・国民宿舎新燃荘に宿泊。 |