山名/標高 比婆(ひば)山
 毛無(けなし)山/1144m
 烏帽子(えぼし)山/1225m
 御陵(ごりょう)/1264m
 池ノ段(いけのだん)/1279m
 立烏帽子(たてえぼし)山/1299m

吾妻(あづま)山/1239m

登山日・天候 2006年11月3日(金)・晴
行程 県民の森駐車場(09:25)〜毛無山(10:10)〜出雲峠(10:30)〜烏帽子山(10:55)〜大膳原(11:20)〜吾妻山(11:50)〜池の原・休暇村(12:15-12:35)〜大膳原(13:15)〜御陵(13:50)〜越原越(14:10)〜池ノ段(14:25)〜立烏帽子山(14:40)〜千引岩(14:55)〜越原越(15:15)〜県民の森駐車場(15:50)

深まりゆく気配がなかなか見えなかった秋がようやく重い腰を上げはじめた。出足が遅かったぶん、今年の紅葉は駆け足とのこと。
好天に恵まれた3連休初日、県民の森駐車場は朝から車があふれそうなほどの盛況。大勢に見られたからといって減るような紅葉ではないが、急いで準備をすませ、毛無山の登山道へ入った。
比婆山北の展望台、毛無山。
朝霧の名残か、目の前の烏帽子山、御陵もすこし霞がかかったようで、遠望は猫山、道後山まで。大山は影も形もない。
色づいた草やササの間から伸びるススキの穂は、種子を落とし勢いが衰えていた。
毛無山から出雲峠へ下る。
雨が降るとぬかるんで滑りやすい斜面は色とりどりの落ち葉に覆われ、一歩ごとの足音が耳に心地よい。
ススキは高度を下げるにつれ勢いを取り戻してきた。大きく広げた穂が秋の陽を受けきらきら輝く。
出雲峠から烏帽子山へ。
上るにつれ植林帯から自然林に移りかわる。紅葉の森を出ると、落葉が進む灌木と枯草が広がる山頂。
毛無山に比べ、登山道も山頂も行き交う人が多い。
少し休んで、向かいの吾妻山・大膳原へ下る。
草刈りが行われたのか、閑散として見通しがよい大膳原。以前来たときによく見かけたリンドウの花は、ほとんど見あたらなかった。
紅葉は、遠目にはそれほどでもないように見える。山頂への上り道にも目立った色はなかった。
吾妻山山頂。紅葉や花は目立たないが、人の多さには驚かされた。比婆山よりお手軽だからか、家族連れや軽装の登山者が多い。
山頂は腰を下ろす場所もないほどの人出で、なおも続々と人が登ってくる。
見下ろすと、池の原には鮮やかな色彩が広がっていた。
ピークを迎えた紅葉の中、山に登る人、森を歩く人、写真を撮る人、眺める人。
休暇村の駐車場は県民の森以上に混雑していた。
建物のそばで昼食、休憩の後、南の原経由で大膳原へ引き返した。
(左)南の原から池ノ段、立烏帽子山遠望。

(右)大膳原からススキ越しに望む福田頭。

大膳原から比婆山へ、急坂を上り分岐点(左画像の"大膳原"方面標識の傾き具合!)から御陵方面に進むとすぐにブナ林の中に入る。
いつもと比べ、やけに明るいなぁと思ったら、ブナの枝にはほとんど葉が残っていなかった。
御陵の中にいながら烏帽子山や吾妻山が見える。明るく、見通しの良い森。
ほとんどの木々が落葉してしまった中、同じ装いの門栂だけが異彩を放っている。
下界ではまだまだ暑い、今日も夏日だなどと言っているうちに、山の上は冬支度をもう済ませようとしている。ふもとの秋が深まるのも、これからあっという間だろう。
写真を撮りながら、池ノ段へ向かった。
池ノ段ではちょうど太陽が雲に隠れ、辺りが薄暗くなった。
陽がずいぶんと傾き、まだ14時30分なのに吾妻山を照らす日差しが夕陽のよう。
すぐにも日が暮れ落ちてしまいそうな感じがして、急ぎ足に立烏帽子山を目指した。
色あせた立烏帽子山の上りでは、意外に多くの登山者とすれ違った。この時間だと池ノ段で折り返しか。
山頂を足早に通り過ぎ、ブナ林の中を下って駐車場前に出ると、まだ多くの車が停まっていた。
ここからは展望園地を通らず、千引岩から越原越を経由して県民の森に下山するルートをとった。
千引岩〜越原越の道を通る人は他になく、この周りはちょうど山のかげに入り日差しもないので余計に寂しく感じられた。
越原越から林道に下る道も人影はなく、数時間前の吾妻山のにぎわいがうそのよう。林道の向こうにそびえているのは牛曳山・伊良谷山。傾いた陽を受けて、山肌はほんのり赤味を増したように見える。毎年のことだが、ほんとうに日が短くなった。
温泉を出て庄原ICに入る頃には、あたりはすっかり暗くなっていた。