山名/標高

足温泉から望む櫃ヶ山
星山(ほしやま/ほしがせん)/1030m
櫃ヶ山(ひつがせん)/955m
登山日・天候 2007年9月15日(土)・曇
行程

星山(左奥)と五輪山(中央)
美しい森キャンプ場〜星山登山口(11:10)〜前山(11:40)〜星山(12:00-12:10)〜扇山(12:35)〜五輪山(13:05)〜櫃ヶ山(13:35)〜天狗の森分岐〜櫃ヶ山正面登山口(14:45)
星山は、旧勝山町の北部にそびえる形の美しい山。地元では、中国地方特有の呼び名「ほしがせん」ではなく「ほしやま」と呼び習わしており、ガイドブックの表記もまちまち。山麓には、日本の滝百選に選ばれた名瀑「神庭の滝」があり、新緑・紅葉の時期は行楽客で賑わっている。
登山道は、以前はこの神庭の滝から北上し、星山集落から林道経由で直登するコースが主に利用されていたようだが、現在は山の中腹に開かれた「美しい森キャンプ場」内から上る道がよく利用されている。一等三角点の山頂はササ原で、360度に展望が広がる。
櫃ヶ山は、旧湯原町の南部にあり、錐状の山容が登高意欲をそそる山。地元では「湯原富士」の異名を持ち、またその形からか「筆ヶ山」と表記されていた時代もあったという。山頂直下の北側斜面には樹齢200年を超える木々が生い茂る原生林があり「天狗の森」と呼ばれている。森の中にはカラス天狗が祀られており、戦時中は出征する兵士の守り神として信仰を集めた。毎年10月第3日曜日に登山イベントが行われる。
星山から櫃ヶ山まで稜線上に付けられた縦走路は、1962(昭和37)年開催の岡山国体縦走コースとして開かれたのち一度荒れて通行不能となり(1999年発行の山と渓谷社"中国・四国の山"では、荒れており通行困難とされている)、近年復活したもの。ルートとしては星山から登り、櫃ヶ山を下った方が楽だが、櫃ヶ山の登山道は下山時にはやや道が不明瞭な箇所があるので注意。

星山登山口付近から望む、星山(左)〜櫃ヶ山の稜線。

旧勝山町を通る国道313号線沿い、「神庭の滝」入口から県道201号線に入り、星山登山口の案内標識に従って進んでいくと、「美しい森キャンプ場」に出る。
場内には登山者用の駐車場があり、ここからさらに数百m奥に進んだところが登山口。かなり標高を稼いだので、星山の山頂が低い位置に見える。登山口から山頂までの標高差は400m程度。
登山口に入ると、遊歩道の脇にずらりと植えられた植樹林が出迎える。キャンプ場が整備されたのは比較的最近のようで、「美しい森」はまだ発展途上。
山頂に近づくにつれて道は登山道らしくなってくるが、整備が行き届いた広い道で非常に歩きやすい。ただし、急坂の直登路が多く息が切れる。
30分足らずで山頂部が間近に見渡せる分岐路に出た。山頂は右手だが、直進すると「前山頂上」とある。ついでに立ち寄ってみることにした。
1〜2分で上りきった場所は行き止まりで、特に標識もない。ここが前山山頂だということにして分岐まで引き返し、星山山頂へ。残り距離は600mとある。
登山道は一度樹林帯へ下り、山頂へ向けて再び急な上りに転じる。
急坂の樹林帯を抜けると見晴らしのいいササ原に出て、すぐ山頂・・・かと思ったが、ここからが意外に長く感じられた。
上りの途中ではいきなり「八合目」の標柱が現れてぎょっとするが、距離も高度もそんなに残ってはいない。この八合目からたどり着いた山頂は、相対距離にして九合目に満たないくらいに感じた。

(左)山頂からは概ね360度の眺望。曇り空だったが蒜山や大山、毛無山など周囲の山々がよく見渡せた(大山は雲を被っていたが)。
(右)山頂から櫃ヶ山への縦走路が続く。所要時間180分は相当ゆっくりのペース?


星山山頂から北西〜南西方向の眺め。今にも降り出しそうな空模様だが、遠望は割によい。
縦走路は最初北に向かい、樹林帯に下った後上り返し、西に大きく弧を描く稜線に出る。
樹林帯の鞍部にはツリフネソウがたくさんの紅い花を咲かせていた。
稜線上には3〜4つのピークが連なり、遠望するとノコギリ状で険しい道のりに感じられるが、実際の高低差はあまり大きくなく、道もよく整備されているので歩きにくさを感じるところはほとんどなかった。
縦走路の途中にあるピークは地図上では無名だが、頂上部には標柱があり「扇山(944m)」「五輪山(980m)」と名前が付けられていた。五輪山は縦走路上の最高地点。
稜線上は概ね草地で展望が良い。南には先ほどピークを踏んだ星山が横たわり、北に目を向けると大山、蒜山、津黒山などが一望できる。

縦走路から大山・烏ヶ山・皆ヶ山・蒜山三座を遠望。雲が一段と低くたれ込めてきた。
縦走もいよいよ大詰め。「下山道@竜頭の滝」の分岐が現れると、櫃ヶ山山頂は間近。この竜頭の滝コースは1990(平成2)年に開かれたという道で、途中で廃村を抜けて国道沿い(正面登山口駐車場の約500m南)に出る。
一面草に覆われた櫃ヶ山山頂からは、天気が悪くなってきたこともあって眺めをゆっくり楽しむ余裕もなく、早々に下山することにした。

櫃ヶ山山頂から北〜北東方向の眺め。山頂直下(東側)が切り立っているため、端に立つと高度感がある。
山頂から踏み跡を一気に下ってきたら「天狗の森」を見逃してしまった。もったいない!
上ってきた場合は分岐の案内板(左)ですぐにそれと判るが、山頂手前の合流点には特に目立つ標識はなかったようだ。
下山路は一直線に急降下している印象。眺めはよいが下るにつれて草が被り気味となり、少し不安になる。時折立っている標識で間違いないことを確認。
草地から薄暗い樹林帯に入り、工事が行われている林道に出た。
ここからは通常の登山道が通行できず、標識に従って迂回路に入るのだが、林道から迂回路への出入口標識が草に隠れており、一度行き過ぎてしまった。引き返して標識を見つけ、植林帯の中の道を道なりに下ると、やがて国道沿いの登山口駐車場に出る。