山名/標高 竜峰山(りゅうほうざん)/517m
竜ヶ峰(りゅうがみね)/542m
登山日・天候 2009年3月29日(日)・曇
行程 五合目駐車場(14:15)〜直登コース〜竜峰山(14:45-14:50)〜らくらくコース分岐〜辻峠(15:05)〜鞍ヶ峰(15:15)〜竜ヶ峰(15:25)〜(折り返し)〜らくらくコース分岐(15:55)〜五合目駐車場(16:15)
竜峰山、竜ヶ峰は、八代市の東部にピークを連ね、広い平野部から突如盛り上がった竜の背のような隆起が市街地からもよく目立つ。
八代地方の民話で全国的によく知られた「彦一ばなし」で、頓知者の彦一が天狗から「隠れみの」をだまし取った場所がこの竜峰山だとされている。現在は中腹まで車道が通じ、山頂も公園風に整備されているが、竜ヶ峰へと続く縦走路上には石灰岩の露岩が立ち並び、どことなく神秘的な空気を残している。かつては山麓の熊野神社を中心に修験道の修行など行われていたのかもしれない。現在は市民の憩いの山として親しまれており、車で上れる中腹広場には桜が植えられ、花見の名所となっている。
竜峰山の登山コースはいくつも開かれているが、国道3号線に近い熊野神社から上るコースがよく利用されている。神社から山頂まで登山道が通じてはいるが、中腹広場(5合目)まで車道が延びているので、ここから歩いて往復する登山者も多い。中腹広場から先は階段状の直登路で、距離・標高差以上にきつく感じられる。途中で「三角点コース」「らくらくコース」などが分岐しており、らくらくコースの方が距離が伸びるが、いくぶん楽に歩ける。
竜峰山山頂から竜ヶ峰に向けて縦走路が続いており、途中の489mピークには「鞍ヶ峰」の標識があるが地図上は無名。竜ヶ峰からはそのまま氷川町(旧宮原町)や八代市東陽(旧東陽村)に下ることも可能。

いくつか開かれている竜峰山の登山道のうち、熊野神社からのコースは国道3号線沿いに入口標識がある。場所は九州道・八代IC入口の北約1kmの場所。
標識に従い、狭い車道を上ってゆくとやがて中腹広場に到着する。桜の花が満開で、八代平野の展望も良いこの広場に車を置き、登山道に入る。

中腹広場から、八代の街を一望。
登山道は舗装路を歩いてゆく(傾斜は緩やかだが大回り)コースと、階段状の直登コースがあり、とりあえず後者を選んだ。
この直登コースは途中で「らくらくコース」や「三角点コース」といった別ルートに分岐したりしているが、上りはひたすら直登。眺めはなく、単調な上り。山頂までの道のりはせいぜい1km弱のはずだが、実際以上に長く感じられた。
山頂は公園として整備され、桜も満開だが中腹広場とは対照的に誰もおらずひっそりしていた。

木造の展望台に上ると、八代市街とその背後に折り重なる球磨の山々が一望できる。
広場の片隅に三等三角点。背後についている登山道が途中で分岐した「三角点コース」。わざわざ分岐する必要があるのか理解に苦しむが、あるいはこちらの方が山頂が公園化される以前の古い道なのかも?
竜ヶ峰への縦走路は、山頂広場から北東方向に樹林帯を進む。すぐに「らくらくコース」の分岐が現れ、竜ヶ峰山頂までの所要時間は「70分」とある。距離的にはとてもそんなにかかるとは思えないが、石灰岩の露出した岩場や急斜面が多く、竜峰山の上りに比べるとかなり歩きにくい。
竜ヶ峰の方が若干標高が高いはずなのに縦走路は下りが続き、不安になってきた頃に「辻峠」の小さな標識が現れた。手元の地図にその名はないが、4本の道が交差する場所から鞍ヶ峰のすぐ手前のようである。この峠から一転急登となり、まもなく標識だけで眺めのない「鞍ヶ峰」に到着。しかし、このピークからはまた一転急降下で、先行きが思いやられる。
鞍ヶ峰からの下りは急坂だが短く、またすぐ上りに変わる。以前は電波反射板が置かれていたらしい見晴らしの良い草地を過ぎ、再び樹林帯に入ると傾斜は緩やかとなり、二等三角点の竜ヶ峰山頂に到着。西側の展望が良く、眼下を九州自動車道(ちょうど真下に宮原SA)が横切っている。
復路は来た道を折り返し、竜峰山手前から「らくらくコース」経由で下山。