山名/標高 市房(いちふさ)山/1722m
登山日・天候 2010年3月27日(土)・晴
行程 林道終点登山口(12:50)〜四合目・市房神社(13:00)〜六合目(13:30)〜山頂(14:15)〜心見の橋(14:25)〜(折り返し)〜林道終点登山口(15:35)

4〜5月並みの暖かさで桜の開花が例年になく早まったら,今度はまた1〜2ヶ月季節が逆戻りし真冬のような冷え込み。 水上村の里の桜が散りはじめている一方で,市房山の山頂は正午を過ぎても霧氷が白く輝いていた。

今回は,いつものキャンプ場からさらに林道を上り,終点の駐車場まで車で入った。登山口前にある5〜6台程度の駐車スペースは満車で,手前の路肩にも車があふれていた。ここから山道に入り少し進むと,キャンプ場から続くメインルートの3合目付近に合流。

八丁坂を越えて,登山口から10分ほどで市房神社に到着した。参拝だけが目的の人には実にありがたいルートである。
4合目市房神社から9合目までは急な上りとなる。4〜6合目までは特に足場の悪い急登が連続する。岩や木の根,梯子を頼りによじ登ると身体は汗ばんでくるが,実際はかなり寒い。6合目の"元"水場あたりから道端の草むらや岩の間などに雪が残るようになった。
7合目を過ぎると,日陰には霜柱や氷柱まで残っていた。急な上りが続き体感温度はずっと暑いままなので,全然実感の湧かない不思議な光景である。真夏のくじゅうで寒の地獄から出た直後の,ちょうど逆の状態。
夏場は上方の視界を遮る木々の葉はまだなく,枝越しに山頂部を仰ぎ見ることができた。抜けるような青空をバックにそびえる白い頂は,まだまだ遠く高い。
8合目。先行のグループが続々と山頂から下りてきた。すれ違いの待機場所から振り返ると,遠くに重なり合う稜線の奥に霧島が浮かぶ。
9合目。まぶしい日差しの中,木々の枝には白い花のように霧氷が点々と残っていた。
広く明るい山頂からは,午前中に周囲を走った市房ダム湖を一望。湖畔を彩る桜の花を,霧氷の残る木の枝越しに眺めるのは不思議な気分だった。

山頂から南西〜西にかけての眺め。市房山から霧島を望むのは久しぶり。
山頂から二ツ岩方面に延びる縦走路から「心見の橋」へ。おそらく100m足らずの距離だが足場の悪いところもあり,移動に時間がかかる。こんな細い縦走路でよく「登山マラソン」ができたものだと,今更ながら感心する。企画した方々にも,走った方々にも。
心見の橋の先は,看板とロープで厳重に立入が規制されていた。尾根の先に突き出す二つ岩を眺めながら縦走路の復活を願い,来た道を引き返した。