山名/標高 猪群山(いのむれやま)/458m
登山日・天候 2010年5月15日(土)・晴
行程 遊歩道入口(13:45)〜山頂(14:10)〜ストーンサークル(14:15-14:25)〜(折り返し)〜遊歩道入口(14:50)
猪群山は国東半島西部の旧真玉町にあり,山中にイノシシが多いことからこの名がつけられたという。
山頂部には「ストーンサークル」(環状列石)と言われている巨石群があり,昭和56年には作家の松本清張も訪れている。その目的については諸説あるがいまだに判然とせず,人為的な遺構ではないとする意見もある。いずれにせよ,この巨石群は古くから信仰の対象であり,かつては「オミセン」と呼ばれ,女人禁制の領域とされていた。
登山口は,飯牟礼(いのむれ)神社のある北側(臼野地区)と,真玉温泉のある南側に開かれている。

西国東広域農道から標識を見て市道に入り,広い車道を上ってゆくと,地元小学生による大きな看板が道端に現れるので,これに従って細い林道(舗装路)に入る。離合困難な道幅にびくびくしながら2kmほど進むと,遊歩道入口。飯牟礼神社上宮はさらに数百m先にある。路肩に駐車して山頂へ出発。
遊歩道には200mおきに残り距離表示が立てられているが,小刻みすぎて少し目障りな感じ。展望は乏しいが,途中に一箇所だけ周防灘を望める場所がある。
遊歩道の傾斜が緩やかになり,東屋の建つ広場に出てきた。残り距離表示は見えないが,山頂はあと「200m先」くらいか? と思っていたら,広場の中央に山頂標識と二等三角点がポツン。
あの残り距離はストーンサークルまでを示していたのか・・・。山頂の先になおも「ストンサークル」の表示が続く。距離はもうわずかである。
ガイドブックによると,山頂とストーンサークルの途中に,飯牟礼神社下宮から続く別ルートの合流地点があるらしいが,気づかなかった。
門番のように立っている陰陽石(左)の間を抜けると,見晴らしの良い草原に出る。注連縄を巻かれた立石(右)を中心に,周囲に点々と巨石が転がっているが,人為的に並べられた印象は乏しい。やはり自然に発生したものではないだろうか。
そんな歴史的考察はさておき,非常に眺めの良い場所である。西から北にかけて周防灘が広がり,その先には水平線のように延々と続く本州の稜線。東に国東の山々がピークを連ね,南には由布岳が霞む。標高はさして高くない山だが,手を伸ばせば届きそうなほど空が近く感じる。祭祀を行うにはふさわしい場所だと思った。