山名/標高 荒島(あらしま)岳/1523m
登山日・天候 2010年7月24日(土)・晴
行程 カドハラスキー場(07:05)〜シャクナゲ平(08:35)〜山頂(09:20-09:40)〜シャクナゲ平(10:20)〜小荒島岳(10:35-10:45)〜カドハラスキー場(12:20)

荒島岳山頂部(右)と小荒島岳(左)
荒島岳は福井県大野市にある標高1523.5m(山頂標識は1523.4m)の独立峰。
「大野富士」の異名を持つ秀麗な山容は,約2000万年前に現在の荒島岳の位置にあった巨大なカルデラ火山が長い年月の間に浸食されたもの(コールドロン)だといわれている。
山名の由来は定かではない。古い記録では,905(延喜5)年に編纂された延喜式の中に「阿羅志摩我多気(あらしまがたけ)」の記述が確認できる。
登山道は,北麓の勝原(かどはら)にあるスキー場からブナ林の間を直登するコースと,北西の尾根を伝う中出(なかいで)コースがよく利用される。山中に水場は乏しい(中出コースの入口に一箇所あるのみ)ので,準備を忘れずに。

荒島岳の登山道は3コース整備されているが,国道158号線沿いで最もアクセスの良いカドハラスキー場から登ることにした。
駐車場とトイレが設けられた登山口から,ゲレンデ内にまっすぐ延びる舗装路を経て,石がゴロゴロしたジグザグの急坂に取りつく。連日の猛暑はこの日も治まる気配はなく,午前7時過ぎの日射しは早くも強烈に肌を刺す。山頂までの高低差1170mの先行きが思いやられる・・・。
ゲレンデが終わり樹林帯に入っても,相変わらず急坂が続く。
道の周囲にはブナやミズナラが立ち並び,中にはかなりの樹齢を重ねた巨木も目立つ。
樹林帯なので展望はほとんどないが,時折木々の合間から遠くを見渡せる。上りでは右手に大野盆地,左手に赤兎山や野伏ヶ岳,その奥に白山。
1時間30分かけてシャクナゲ平に到着。平坦で開けた場所だがこの日は陽当たりが良すぎて,休憩を取る気にはなれなかった。ここで中出コースと合流し,少し進むと西から上ってくる佐開(さびらき)コースも合流する。
シャクナゲ平から荒島岳山頂部を望むとまだまだ高く,行く先のさらなる上りが思いやられるが,佐開コース合流地点を過ぎるとすぐに期待どおり?の急斜面が現れる。「もちが壁」と呼ばれる場所で,鎖やロープを手がかりに急斜面を上ってゆく。足場のしっかりしたところで休憩を取りたいところだが,顔の周りを蜂がしきりに飛び交い,落ち着いて休むこともできなかった。
もちが壁を過ぎ,五月蠅い羽音が聞こえなくなる頃,ようやく視線の位置まで山頂が下がってきた。
見晴らしの良い尾根をもう少しの上りで,ほぼ360度に展望の開けた山頂に到着。暑いには暑いが,下界に比べれば少しは気温は低く,吹き抜ける風も心地よい。先客は2組,休んでいる間に上ってきたのは1組。今まで訪れた「百名山」の山頂では最も静かだったが,時期のせいかもしれない。

山頂から北〜西の眺め。山頂に鎮座している祠は,内部に石像が安置されているそうだが特に説明もなく詳細不明。
地元のニュース記事によると,祠の前に備え付けられた賽銭箱がしばしば盗難に遭っているらしい。

山頂から北東〜東の眺め。白山山頂部にガスがかかり見えにくくなっていた。その奥に横たわる大きな山塊は乗鞍岳?

下山の途中,シャクナゲ平から中出コースに入り,小荒島岳まで往復した。
登山道の途中にある標識から脇道を上るとすぐに1186mのピーク。荒島岳,白山,能郷白山が一望できる。