山名/標高 城山(しろやま)/453m
登山日・天候 2011年1月9日(日)・曇ときどき晴 
行程 湯野温泉(12:10)〜登山口(12:25)〜参道分岐(12:40)〜山頂(12:55-13:05)〜(折り返し)〜延命の滝(13:25)〜湯野温泉(13:50)
周南市の奥座敷,湯野温泉郷の西にある城山は,その名のとおり中世に山城が築かれていたといわれるが,現在では江戸時代に建立された三社権現や杵崎神社などの祠が山上に並び,地元では「権現様」の別名でも呼ばれる。山頂からは瀬戸内海を望む雄大な展望が広がり,最近開かれたと思われる縦走路が隣の大谷山を経て防府の大平山まで続いている。
登山道は,湯野温泉郷から市道や林道を経由して登山道を往復するコースが一般的。登山口まで自動車の乗り入れも可能だが,生活道路であり道幅が狭く,充分な駐車スペースもないので,温泉街から歩いた方が無難であろう。

湯野温泉の旅館街から,西にどっしりとそびえる城山方面に足を進める。
町中にも登山道の案内標示があり,矢印に従って狭い舗装路を行くと,1km足らずで山麓の集落に出る。
登山口へは,そのまま山に向かって道なりに進んでいけば良い。集落内にある四差路(右画像)では右へカーブする広い道に間違って入りやすいので,直進の標示を見落とさないように。
民家の間を抜けると,左手に竹林を見て道路が二手に分かれる。標識はないが,ここで左折すると登山案内図の前に出る。直進した場合も突き当たりのT字路を左折して案内図前に出られるが,遠回りとなる。
案内図によると,山頂の権現社は1776(安永5)年の建立,鳥居も安永年間,手水鉢が1813(文化10)年に設置されたとある。途中には役行者の石仏や磨崖仏,「天狗の足跡」といったものも見られるとのこと。
案内図から先は車1台分の道幅の未舗装路となる。正面に堰堤を見て右に曲がり,石垣が残る植林帯を少し上ると登山口前に出る。ここまで,登山者用の駐車場はない。
湯野温泉から見える,緩やかに裾を広げた山容とは裏腹に,登山口から尾根に出るまで距離は短いが直登の急坂が続く。道は落ち葉に埋もれているところもあるが,よく踏まれており迷いそうな場所はない。
植林帯が雑木林となり急坂がひと息つくと,「延命の滝」への分岐が現れる。滝は下山時に寄ることにして,まずは左手に登山道をそのまま進む。再び急坂の後,次に現れた分岐では参道が表と裏に分かれる・・・が,裏参道はヤブ化して歩ける状態ではない。看板にも「入れません」と小さく書かれていた。
この裏参道は,山頂の手前で再び表参道と合流するが,こちらの分岐からもヤブしか見えない。入らない方が無難である。
表参道を少しの上りで主尾根に出る。傾斜が緩やかになり,周囲の視界が少し開けて頭上が明るくなった。399.2mの小ピーク上には1834(天保5)年に建てられたという杵崎大明神の祠の一部が残されている。以前は眺めの良い場所だったと思われるが,現在は周囲の木が伸びてあまり展望はきかない。この付近には,案内図にあった「役行者」や「天狗の足跡」も残されているはずだが,見つけることができなかった。
裏参道や苔谷からの登山道(こちらもヤブ化進行中)が合流し,崩壊した元トイレを左に過ぎると,まもなく「三社大権現」の鳥居が現れる。くぐると,山頂へ向けて石段のつけられた急坂となり,数分で権現社の祠と石灯籠の立つ山頂に到着。
周囲の木々が伐採されて見晴らしが良く,場所を変えながら360度の展望が楽しめる。桜が植えられているので,4月には花見登山も楽しめそうだ。

山頂から南に,徳山の海を望む。見通しが良ければ四国や国東半島も望めそうである。


北西から北北東(上),北東から東(下)の眺め。大谷山(559m)には山頂から縦走路が延びている。
城山からは大谷山を経て防府の大平山まで縦走路が続いていた。標識は比較的新しく,最近開かれたコースのようである。また,これとは別に「望海山まで1時間」という標識もあり,帰って調べてみると,城山と大平山の間にある616mピークの呼び名のようである。読みは「のぞみやま」。
下山路は来た道を折り返すが,途中の分岐から上りで見送った「延命の滝」に立ち寄ってみた。昨年来の水不足からか,滝というほどの水量はなく,細い水の流れを確認するのみだった。なお,滝に行く途中の道が一部崩れているので,命を縮めることのないよう気をつけて通行したい。