山名/標高 室神山(むろがみやま)/245m
登山日・天候 2014年4月26日(土)・晴
行程 少年自然の家(09:35)〜婆さん井戸(09:50)〜展望台(09:55)〜山頂・高仙地蔵(10:00-10:10)〜少年自然の家(10:25)
室神山は海に面した江津市北東部の浅利地区にあり,整った山容から「浅利富士」の別名でも知られ,広く親しまれている。
山頂に高仙地蔵が祀られ,修験道や山ごもりの霊場として登られてきた山で,現在も毎月24日に例祭が開かれている。登山道は北・東・西に3コースが開かれているが,最もよく利用されるのは西麓にある県立少年自然の家からの道で,宿泊研修の児童向けに整備され,歩きやすいハイキングコースとなっている。

左画像:大江高山から遠望(2006.05)
左上方で狼煙が上がっているのが室神山

県立少年自然の家には,小学校のとき宿泊研修で2度訪れており,記憶どおりであれば,1度目(小1)のときに登った浅利富士が,自分の足で山頂に立った最初の山・・・のはずである。今に続く登山歴の原点といえる山に,2度目(小6)の登頂以来およそ33年ぶりに訪れてみた。
少年自然の家からの登山道は,施設内の「冒険の森」案内板の脇からはじまる。雑木林の中をコンクリートで舗装された道が続いており,標識も多く迷う心配はない。途中「どんぐりの森」コースの遊歩道(広い砂利道)と交差し,上りはここでコースを変えても山頂への道に合流できるが,下りでこのコースをそのまま進むと自然の家から離れて下山してしまうので注意。
緩やかに上っていた登山道は,山頂が近づくと次第に傾斜が増し,周囲に赤茶けた岩が目立つようになる。
展望台の手前にある「婆さん井戸」は,平たい大岩に空いた穴の中に水がたまり,傍らに石地蔵が祀られている。伝説によると,小舟で流れ着いた娘を育てていた爺さん婆さんが,成長して出雲の国に帰って行く娘を追いかけたが力尽きてこの場所で倒れ,息絶えてしまったという。
山頂への道から少し外れた場所には「爺さん井戸」もある。どちらの井戸も水は濁っていて飲めそうにない。
「展望台」は,赤茶色の岩盤が露出した広い斜面で,島の星山(高角山)や江津市街地とその先に広がる日本海を一望できる。
展望台から続く岩の斜面を直登すると山頂に出る。こちらは江津方面の展望に加え,風車が立ち並ぶ浅利海岸から大江高山火山群まで一望できる。立ち並ぶ山々の中に三瓶山のピークも混じっていそうだが判然としない。周囲の木の枝が伸びてきており,今後の眺望が気がかりである。
山頂からさらに進むと高仙地蔵堂の裏手に出る。いつ建立されたのか正確には分からないが,一説には160〜170年前とも言われている。山ごもりして祈願すれば霊験あらたかであるとされ,現在でも毎月24日の例祭が行われ,4月,8月の24日は大祭が執り行われる。
地蔵堂の正面に回ると,通称「浅利コース」と呼ばれる東麓に下る道が続いているが,すぐ右に少年自然の家に下る道も分岐している。この道は上りに使った岩場を迂回し,展望台の上で合流する。登山より礼拝目的の人はこちらを使った方が楽である。