山名/標高 如意ヶ岳(にょいがだけ)/545m
登山日・天候 2015年4月25日(土)・晴
行程 日吉神社(10:30)〜県道36号線〜坂水コース入口(10:50)〜鉄塔1(11:05)〜鉄塔2(11:25)〜鉄塔3(11:30)〜山頂(11:35-11:55)〜日の峰コース〜鉄塔4(12:10)〜水源涵養林駐車場(12:20)〜日吉神社(12:45)
如意ヶ岳は,桂木山から南西に延びる尾根上にあるピークで,南麓の嘉万地区からは堂々とした独立峰のような山容が望まれる。
古くから信仰をあつめてきた山であるとともに,戦国時代に大内義隆が山中に財宝を埋めたという埋蔵金伝説も残されている。
登山道は山頂近くまで建てられた送電線鉄塔の作業道を利用したもので,それぞれ集落の名にちなんで東麓を「日の峰コース」,西麓を「坂水コース」と通称している。いずれも上り1時間程度で山頂に立てるが,時間があれば両コースの中間にある日吉神社を経由した周回ルートとして歩くことをおすすめする。

(左画像:花尾山からの眺め。2007.03)

日吉神社前の石鳥居を起点として,まずは「坂水コース」を目指す。
県道32号線(秋芳三隅線)に出て,長門市方面に北上する。普段歩いたことのない道なので様子が分からなかったが,日吉神社入口から坂水コース入口までずっと歩道があり,安全に歩くことができた。20分ほどで「如意ヶ岳のおいしい水」の取水場前に到着。
何度か水をもらいに立ち寄ったことがあるが,登山口になっているとは気づかなかった。
水の看板の脇に「埋蔵金伝説の如意ヶ岳登山口」の文字。奥に続く林道は入口に鎖がかけられ,一般車は入れない。この道を上ってゆく。
林道を10分くらいで,樹林帯に入る細い上り道が左に分岐する。
手前からは見えないが,分岐に近づいて坂の上を見ると,入口と同じ「埋蔵金伝説」の看板が立っているのが分かる。
看板の先から植林帯の尾根を上り,最初の送電線鉄塔(鉄塔1)の真下に出る。周囲は切り開かれ,範囲は限られるが眺望を楽しめる。
少し休んでから再び樹林帯に入る。ここから山頂までは雑木林となり,新緑が目に心地よい。
谷を渡り,鉄塔2の立つ次の尾根に取りつく。さらにトラバース気味に上り主尾根に出ると,赤く塗られた鉄塔3の脚が正面に迫る。山頂は近い。
鉄塔3の前を鋭角に右折した後,忽然と現れる巨岩を左手に見送り,後ろに回り込んで岩の上に上ると鉄塔3の全容が望める。
ここから鉄塔を背に,山頂まではあとわずかの上りである。
三等三角点と石祠が置かれた山頂はあまり広くないが南北が切り開かれ,北は三隅の海から権現山・桂木山・鯨ヶ岳までの山々,南は嘉万の里からその先の秋吉台にかけて展望が広がる。ただしこの日は黄砂のせいか見通しが悪い。少し休んで,来た道を下った。
下山路は鉄塔3の下をまっすぐ進み「日の峰コース」に入る。こちらの方がよく歩かれているのか,道が広く踏み跡もしっかりしている。
ただし,主尾根から支尾根へ伝い,ほとんど休みなく坂が続く道なので,上りに使うと少々辛いかもしれない。下りは非常に楽で,途中で鉄塔4をくぐり渓流のそばに出たかと思うとあっという間に登山道を抜け舗装路に下り立つ。こちらの登山口にも「埋蔵金伝説」の看板。どこに埋まっているのだろう。
日の峰コース登山口周辺は,山陽小野田市が「水源涵養林」として駐車場を整備している。
ここから起点の鳥居までずっと舗装された道が続くが,幅が狭いので離合には気を遣いそう。道端に湧く「名水」でのどを潤しつつ帰路を急いだ。
石鳥居に無事到着後,日吉神社に参拝した。
この神社は802(延暦21)年に石楠山(?)に建立された後,1407(応永13)年に現在の場所に移された。1564(永禄7)年に毛利元就により「長門国日吉神社」として再建されて以後,毛利藩の信仰を集めてきた格式の高い社であるとのこと。境内には狛犬とともに,向かい合う二匹の猿(日吉神の使い)や牛の石像も置かれている。